父が脳梗塞で倒れた話11
今日も三時からお見舞いへ。
エレベーターを待ってると、見たことある人たちがいた。
父がよく行ってた居酒屋のおじさんと、そこの常連さんらがお見舞いに来てくれはった。
父が話せなくても、みなさんがたくさん喋ってくれたので、病室は父が入院してから初めて賑やかになった。
食べれるようなったら、土手焼き持ってくるからな~!とか
○○さん、リハビリ頑張らんとあかんでー!空気のええとこいこな!登山とか!…登山は無理か!とか。
父は今まで友達といえる友達があまりいなかったが、最近は友達が増えてたみたい。
その間に私は2階の詰所に。
転院の話をしたかったけど、担当が変わったから五階の詰所にお願いしますといわれて移動した。
五階の師長さんに言ったら、メモも取らず「あ、わかりました~。来週中に書類作ってあちらに送る形になると思うんで、また連絡入れますね~」と言われ、やっぱここ嫌いやわーと思った。
病室に戻るとおっちゃんらは帰ってはって、おばちゃんとまた3人。
暇そうやからテレビカード買ってきたらリモコンパチパチしてチャンネルを変えていた。
すぐに見るのはやめてたけど、帰り際に「テレビな、うん。たぶん~」って言ってた。
たぶん。
おまえらな、俺の前の…か!!
か?
カード?株?会社?
わからん。
「あーもー。わからーん!」
って妙にはっきり言って笑った。
父も笑っていた。
続けて、「かなんなーー、!!!」とはっきり言った。
口癖はスッと出るのかな。
今日はケータイ持ってって、渡したら触っていた。
触りにくそうやったけど、触り方はわかってるみたい。
文字が読めてるかは怪しい。
隣の空いてたベッドが埋まってた!
寝てはるんやけど、ずーっと喋ってる……
寝言にしてはすごくはっきりしている。
なんぞええことないかいなあ
あるわけないわなあ。
と、永遠に言っていた。
途中からは、なんぞおもろいことないかいなあに変わっていた。
そして大いびきをかき、またなんぞええことないかいなあに戻っていた。
明日は祖父のところにも行かないと。