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法律事務所と商社インハウスでの仕事内容

法律事務所と商社インハウスでそれぞれ経験した業務内容を簡単に紹介する。

  1. 法律事務所時代(M&A・コーポレートグループのアソシエイトとして勤務)                                                                       <M&A>                                     法務DD業務が中心。日本語・英語両方の法務DDレポート作成。日本語のSPA交渉・レビューも。DDでは大量の契約書確認。大半は特定の分野を担当するDD隊員として、隊長はしておらず、准隊長は経験。深夜に及ぶDDや、たまにある実地DD出張が思い出深い。

<独禁法>
カルテル案件で、関係者のインタビュー及びメールレビュー等。公取委とDOJに書類提出し、担当官と協議。

<通商>
アンチダンピング課税案件において、財務省担当官に書類提出・協議。

<各種契約レビュー・法律相談>
会社法関係・労働関係・外資系企業の組織再編が多め。所謂ジェネコ案件。各種業法に関する質問は文献が少ないため、頻繁に官庁に電話照会を行い、徐々に担当官に煙たがられない質問スキルを身に着ける。

<紛争>
損害賠償請求訴訟、労務訴訟等に従事。たまに裁判所に行くと自分は弁護士なんだと実感する。

大手法律事務所ではパートナー・アソシエイトで2人~最大10人ほどのチームで案件に対応することが多く、繁忙期は愚痴を言いながら深夜までメンバーとDD作業等にあたるのは意外と楽しい(ときもある)。

2. 商社インハウス時代  

電力・エネルギー・金属分野担当。法律事務所時代のような法務相談対応も多いが、大きな違いは社内稟議・決裁プロセスに対応する仕事。法務相談のように営業部に寄り添うのみでなく、審査官的に営業部の案件分析・スキームに瑕疵がないかを見極め、外部弁護士のアドバイスを得つつ案件を進めて問題ないか、問題ない場合には営業部と共働して必要十分な契約書に仕上げる。各種発電所建設プロジェクトファイナンス、資源トレード、組織再編、ベンチャー投資、仲裁対応等に従事。

基本営業部からの相談には法務部員1人で対応するため、法律事務所のようにチームを組んで案件に対応することはほぼない。ただ、営業部の担当者と関係ができてくると、飲みの席で法務部員からは見えない案件獲得までの苦労話・裏話等を教えてくれ、面白い。法務部員が案件組成に携わりたくなり、営業部に転籍する場合もままある。

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