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三度目のヒヤシンスは?
ヒヤシンスの季節が巡ってきた。
球根はまだ入手できるだろうか?
滅多に乗らない車を運転して、ホームセンターの園芸コーナーに向かう。
ヒヤシンスの球根は大半が売り切れで、紫の玉だけが数個残っていた。
水栽培用とラベルが貼ってあった。
ここまでは去年と同じだ。
違うのは花の色と購入時期だろうか…
去年は確か早々と入手して冷蔵庫で寝かせていた。
ヒヤシンスの水栽培は今回で三度目になる。
クローゼットから水栽培用のポットを出し球根をセットした。
去年の冬、その前の冬、二度とも花を咲かせてくれたけど、茎が伸び過ぎて自立できなくなった。
何がいけなかったのか?
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一昨年の球根は土植え用だった。
去年は水栽培用の球根を購入したものの、結果は同じだった。
もっこりした大きな頭の花が見事に咲くのだけれど、自立できない。
茎が長すぎる。
壁にもたれかけさせ眺め、その後は切花に…
理由がわからないまま、この冬はヒヤシンスのことを忘れていた。
思い出させてくれたのは、ベランダのプランターだ。
繁殖して生い茂ったスミレの葉の隙間から、土に植え替えたヒヤシンスの球根が芽を出していた。
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植物はすごいと、今更ながら思う。
やはりこの冬も水栽培を試さないと!
未だ謎は解けないけれど、今年は冷蔵庫に保管するのをやめた。
そもそも球根を冷蔵庫に入れておくのは、その後の生育のためらしい。
茎が伸び過ぎて困るのだから、生育を助けない方が良いとの勝手な判断だった。
何かを変えないと、何も変わらない。
水栽培の花が終わり、球根を土に移すとまた花を咲かせる。
土植えは茎の長さもほどほどで、倒れてしまうこともない。
水栽培は、なぜああも茎が伸びるのか?
何がいけないのか?
土に移したヒヤシンスは、また花を咲かせ日差しを浴びていた。
去年の黄色も、その前年のピンクも。
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ヒヤシンスの正しい姿はあるのだろうか?
花屋やスーパーの片隅に並ぶ鉢植えを見かけるとつい足を止める。
球根が土から飛び出ている。
なぜだろう?
他の花の球根は土に埋めるのに、ヒヤシンスは違うのか?
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球根の花は何度か育てたことがある。
クロッカスとか、チューリップとか。
どれも土に埋めたので、私はヒヤシンスも同じだと思っていた。
この冬、水栽培のヒヤシンスはどんな風に育つんだろう…
花よりもずっと、私は茎が気になる。
例年のように伸び過ぎて倒れないと良いけど…
続ヒヤシンス・プロジェクト no.19