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Book review

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過去に書いた書評を順に公開していきます。 私自身、何冊分あるのか把握できていないので、ファイリングするつもりでやっています。 過去20年分、いや、もっと以前のものもあるかもしれま…
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#読書

遠い記憶 book review

『走れ、風のように』 マイケル・モーパーゴ・著 佐藤見果夢・訳 評論社  子どもの頃の記憶…

自分を見つけるために  book review

『シェイクスピアを盗め!』 『シェイクスピアを代筆せよ!』 ゲアリー・ブラックウッド・著 …

それぞれが向かうところ  book review

『ほとばしる夏』 J・L・コンリー・作 尾崎愛子・訳 福音館書店 2008  人がよりよく生き…

幸福と悲しみと book review

『ノック人とツルの森』 アクセル・ブラウンズ・作 浅井晶子・訳 河出書房新社  私は本書を…

実感すること、言葉にすること book review

『デビルドリーム』 長谷川集平・作 前田秀信・絵 理論社  何かの本で読んだ一節を思い出し…

熱風が吹いてくる book review

『国境まで10マイル』 デイヴィッド・ライス・作 ゆうきよしこ・訳 福音館書店 「これが好き…

空気を書く book review

『ニューヨーク145番通り』 ウォルター・ディーン・マイヤーズ・作 金原瑞人・宮坂宏美・訳 小峰書店  ロマン主義の画家ターナーの作品が、特別好きなわけではないけれど、ふと見入ってしまう絵がいくつかある。独創性や強烈な色彩、構図と言ったモノではない。心に何かとまる、そんな印象に近い。「ターナーは空気を描く画家」だと友人が言っていた。なるほどと思う。彼の絵は確かに空気を感じるのだ。  この本も似ている。ハーレム145番通りに住む人々の日常や、ちょっとした事件が短編形式で書か

船乗りにあこがれて book review

コンパス・マーフィー スティーヴン・ポッツ・著 佐々木信雄・訳 求龍堂  船で働きながら世…

彼女は墓地に住んでいる book review

アイボリー 竹下文子 著・坂田靖子 絵 理論社  しっとりした雨あがりを感じた。暑くもなく…

物語が生まれる理由 book review

『クレイ』 デイヴィッド・アーモンド・作 金原瑞人・訳 河出書房新社  アーモンドの作品は…

空は果てしなく、言葉にはできなくても book review

『四人の兵士』 ユベール・マンガレリ・作 田久保麻理・訳 白水社  この物語には四人の兵士…

なぜここにいるのか book review

『アンモナイトの谷』 バーリー・ドハティ・作 中川千尋・訳 新潮社1997  母親さがしの物語…

ゴールドラッシュの後で book review

『アラスカの小さな家族』 カークパトリック・ヒル・著 田中奈津子・訳 講談社  ゴールドラ…

恋愛は関係ない book review

『どこからも彼方にある国』 アーシュラ・K・ル=グィン・作 中村浩美・訳 あかね書房  人を好きになるのに、恋愛は関係あるだろうか? 私はあまり関係ないと思っている。恋愛感情は人を好きになる感情の一部で、その一部が(占める割合にかかわらず)なくなってしまっても、その人を好きなことに、変わりないと思うからだ。そもそも恋愛だけの関係なんて、あるのだろうか?  この物語はオーウェンとナタリーの友情が描かれている。この先、彼らの間に恋愛感情が芽生えても、二人は男と女ではなく、人と