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Book review

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過去に書いた書評を順に公開していきます。 私自身、何冊分あるのか把握できていないので、ファイリングするつもりでやっています。 過去20年分、いや、もっと以前のものもあるかもしれま…
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#書評

氷がとけていく

『氷石』 久保田香里・作 飯野和好・画 くもん出版 2008  物語がラストシーンにさしかかっ…

出て行った二人のこと  book review

『父さんが帰らない町で』 キース・グレイ・作 野沢佳織・訳 金子恵・絵 徳間書店 2020  同…

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ストリートの光と陰  book review

『オン・ザ・カム・アップ』 アンジー・トーマス・作 服部理佳・訳 岩崎書店 2020  ラッパ…

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今はもうないもの  book review

『ペーターという名のオオカミ』 那須田 淳・作 小峰書店 2003  ベルリンの壁崩壊を私はテ…

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悲しみを抱きしめて  book review

『さいごのゆうれい』 斉藤 倫・作 西村ツチカ・画 福音館書店  悲しみがある人生とない人…

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自分に正直でありたい  book review

『ウソがいっぱい』 丘修三・作 ささめやゆき・画 くもん出版 「自分にウソをつかない、って…

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未来はあてにならない  book review

『ガツン!』 ニック・ホーンビィ・作 森田義信・訳 福音館書店  本書の著者、ニック・ホーンビィをご存知だろうか? 『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』と聞けば、ああ、あの、と思い当たる人も多いと思う。イギリスのベストセラー作家で、彼の作品はいくつも映画化された。そのホーンビィの若者に向けた小説が出ると知って、発売前から楽しみにしていた。彼の小説はポップで、それは装丁にも表れていた。片手で持って読んでも疲れない。この軽さがいい。  この物語はティーンエイジャーの

いい夢が見られるまで  book review

『ひみつの犬』 岩瀬成子・作 岩崎書店  大人と子どもは一体何が違うのか? 生きてきた年月…

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ネコの探し方  book review

『夏に、ネコをさがして』 西田俊也・作 徳間書店  行方不明のネコはどうやって探すのか? …

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伝えること、自分を知ること  book review

『13の理由』 ジェイ・アッシャー・作 武富博子・訳 講談社 『アメリカのベストセラー問題…

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それぞれが好き勝手に生きていく book review

『シカゴより好きな町』 リチャード・ペック・作 斎藤倫子・訳 東京創元社  これほどまでに…

遠い記憶 book review

『走れ、風のように』 マイケル・モーパーゴ・著 佐藤見果夢・訳 評論社  子どもの頃の記憶…

犬のことを考えている  book review

『チェスターとガス』 ケイミー・マガヴァン・作 西本かおる・訳 小峰書店  犬は飼い主を選…

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ある視点 オオカミの選択  book review

『パップという名の犬』 ジル・ルイス・作 さくまゆみこ・訳 評論社  犬は人とともに生活するようになった最古の動物といわれている。どういった経緯でオオカミから分かれ、犬になったのか?  冒頭、ひとつの仮説が示される。  犬の世界には、母犬が生まれた子犬たちに必ず聞かせる物語があるという。それは犬の歴史そのもので、著者の視点でもある。  かつて人間とオオカミは対等で、争いもなくおたがいが敬遠していた。氷河期になると獲物が不足して争いが起きるが、両者は生き延びるため力を合わせ乗