日本維新の会についての意識調査結果(2023年6月) 全体総括版
みなさん、こんにちは。海原雄山です。
先日、TwitterやFacebookを利用した意識調査を実施しました。
昨年夏に実施した「日本維新の会党代表選2022 意識調査」の527名を上回り、559名ものみなさんにご回答いただきました。感謝申し上げます。
さて、その全体分析結果をまとめましたので、みなさまにご報告いたします。
はじめにお断りしておきますと、今回の調査はSNSを利用した調査であるため、多少の偏りがあり、なおかつ補正等もかけておりませんので、ご了承願います。
👇参考
調査対象者データ
居住地・年代・性別
調査にご協力いただいたみなさまについてのデータです。
まずは、ご回答いただいた559名のみなさまの居住地です。
559名中、半分以上が大阪府ですが、人口が多い大都市東京や兵庫等が上位に名を連ねます。
先日の統一地方選で県議選の躍進だけでなく県知事選、町長選で勝利した奈良は、維新に対する興味関心が高まっているためか、今回の調査において回答者のシェアが高まっています。(前回は、1.5%で京都の半分程度)
また、今回から、地方議員が10名未満の県については、地方単位でくくっており、中国地方や福岡を除く九州地方がトップ10に入っています。
年代別で見ますと、割とバランス良く分散しています。
前回と比較して20歳以下からの回答の割合が増えています。(前回は10.6%)
男女の比率についてですが、約3分の2が男性となり、前回と同程度の男女比となっています。
政治的属性
ここで言う政治的属性とは、以下の問いにより決まるものです。
回答の多くは「党員ではない日本維新の会支持者」となっていますが、一般党員や無党派の皆さまからも多くのご回答をいただいています。
また、9名の特別党員の方からもご回答をいただいております。この場を借りてお礼申し上げます。
馬場執行部の支持率
それでは本題に入りますが、Q5では、現馬場執行部に対する支持率を確認するべく上記の問いかけを行いました。
ご回答いただいた皆様のうち「強く支持する」または「どちらかと言えば支持する」と回答した人の割合は、実に80%以上に上ります。
年代別で見ても、どの年代でも80%前後の支持を集めており、年代を超えて支持を集めています。
性別ごとに見てみると、男性女性ともに80%以上の支持率ですが、多少支持の強度に違いがあるようです。
男性の方が、馬場執行部を強く支持する人の割合が少々高いようです。
属性別で見ると一般・特別党員、支持者からは80%を超える支持を集める一方、無党派からの支持は約半分です。これを高いと見るべきか低いと見るべきかは評価が分かれるところかと考えられます。
他党支持者はサンプル数が少ないものの、40%からは「どちらかと言えば支持する」と答えてもらっていることは、着目すべきことかもしれません。
馬場執行部支持した方からのコメント
ここで、馬場執行部を支持すると答えた方々からの支持した理由についてのコメントの一部を見てみましょう。(Q5-1)
仕事ぶりに対する評価はもちろん、若く清新でフェアなイメージに対する評価も支持を押し上げているようです。
藤田幹事長の手腕を高く評価する声も複数ありました。
その他、松井体制路線や維新スピリッツの維持・継続に期待する声も多くありました。
一方で、
という、ご意見もいただいております。
馬場執行部支持しない方からのコメント
馬場執行部を支持しないと答えた方々からの不支持理由についてのコメントの一部を見てみましょう。
国政野党第一党を目指す維新において、代表である馬場伸幸氏は総理候補となるわけですが、そこのところに疑問を呈す声や、党のガバナンスに対する懐疑的な声がありました。
また、野党としての役割を果たしているか疑問視する声が、他党支持者から寄せられています。
その他、一部党三役の能力を疑問視する意見や梅村みずほ氏への処分に対する抗議の声も少なからず寄せられています。
支持とも不支持でもない方からのコメント
馬場執行部を支持とも不支持とも言えないと答えた方々からのコメントの一部を見てみましょう。
どちらでもないと言いながらも、政策実現可能性に対する厳しい意見や党内のガバナンスに対する懐疑的な意見も見受けられます。
その他、一部維新議員の固有名詞を挙げて批判的な意見も複数ありました。
不祥事対応に対する評価について
Q6では、いつも大きな選挙後になって明るみになる維新の不祥事関係の対応について、世間がどのように評価しているかを確認しています。
「高く評価する」は約2割にとどまるものの、「どちらかと言えば評価する」という回答が40%以上となっており、過半数から肯定的評価を受けています。
ただ、「高く評価する」が相対的に少ないため、満点な結果とは言い難いかもしれません。
維新支持者のひいき目の意見が多いかもしれませんので、ポジショントーク無しにニュートラルに評価できると考えられる無党派に限定した評価も見てみましょう。
無党派では、「高く評価する」は約1割、「どちらかと言えば評価する」は3割程度となっている一方、「全く評価しない」が20%ありますので、やや厳しい評価となっています。
しかし、肯定的評価が4割以上となっており、否定的評価よりは割合が高いため、不祥事対応は世間から一定程度評価されているものと考えられます。
そもそも、不祥事対応というとすでに維新がまずいことをしたことが前提となっており、ディフェンスの話であるため、ある程度厳しい評価が下るのは致し方ないところですが、そんな中で否定的評価よりも肯定的な評価が上回っているのは、対応が一定成功していると評価できるのではないでしょうか。
肯定的な方からのコメント
ここで、不祥事対応に対して肯定的な理由についてのコメントの一部を見てみましょう。(Q6-1)
他党に比べて国民に分かりやすく処分を下し、また迅速であることが評価されているようです。
無党派層からは、そもそもで全員納得の処分というものを求めることに懐疑的な声も聞かれます。
また、代表や共同代表への信頼をもとに不祥事対応を肯定的に見ている方も見受けられます。
否定的な方からのコメント
不祥事対応に対して否定的な理由についてのコメントの一部を見てみましょう。
処分の一貫性や処分基準に対する疑義の声が多くみられます。いかにして納得感のある処分や発表ができるかは、今後の課題かもしれません。
また、そもそもで不祥事が多い印象を抱く無党派からの声もあることは見逃せません。
肯定も否定もしない方からのコメント
不祥事対応に対してニュートラルなスタンスの理由についてのコメントの一部を見てみましょう。
処分決定のプロセスを疑問視する声もある一方、そもそも処分の妥当性について判断が難しいという声も多く寄せられました。
ここのところが、この手の問題について評価を難しくさせる一因なのかもしれません。
『餃子の王将』か『マクドナルド』か(地方選挙のマニュフェストはどうあるべきか)
この問いでは、先日の統一地方選で作成された地域版マニュフェストについてのあるべき姿を探っています。
統一地方選では、全国共通の統一地方選マニュフェストを作成の上、各地域で地域版マニュフェストを作成する流れでしたが、この場合、前者と後者の関係がどうあるべきかが課題になり得ると考えます。
もし地方のニーズから前者と相反する地域版マニュフェストの項目が上がってきた場合どうあるべきか。
実際には、そうしたことで問題となった事象は確認されていませんが、今後のマニュフェストづくりに大いに関係してくるものと考えられます。
①②は、地域版マニュフェストの自由裁量を一定認めていることから、飲食チェーン店でいうとことの餃子の王将のようなものです。
餃子の王将は、料理自体はセントラルキッチンにより全国一定のクオリティで提供されるものの、セットメニューについては(本部が許可すれば)各店舗が自由に作ることができるそうです。
なので、店舗によってセットメニューの内容に違いがあったり、そもそもでその店舗にしかないセットメニュー等も存在するそうです。
よって、①②は餃子の王将のように各地方支部等がそれぞれの地域に合わせたセットメニュー=マニュフェストを作成するものとなります。
一方、全国共通のマニュフェストによる縛りを強くするのが、「④地域版マニュフェストはやめて、全国共通のマニュフェストに一元化するべき」です。
④は、飲食チェーン店に例えるなら、全国一律どこの店舗でも、同じメニューの同じ味を再現するため、本部によるコントロールを行うマクドナルドのような形になります。
これはこれで、店舗サービスの均質化という観点ではメリットがありますので、④にも一定の合理性はあると考えられます。
地方におけるマニュフェストは、『餃子の王将方式』か『マクドナルド方式』か、どちらで作られるべきかを問うのがこのQ7と言ってもいいでしょう。(ちなみに、「③全国共通のマニュフェストはやめて、地域版マニュフェストのみ作るべき」はかなり地域主権的意見と言えます。)
結果を見ると半数近くが「②全国共通のマニュフェストに矛盾する政策があっても、合理的な理由があれば地域版マニュフェストとして認めるべき」という考えとなっており、それに続いて4割近くが「①全国共通のマニュフェストを先に作り、それに矛盾しないように地域版マニュフェストを作るべき」となっています。
一方、「④地域版マニュフェストはやめて、全国共通のマニュフェストに一元化するべき」は0.5%程度とほぼ賛同者が居ない状況となっており、維新に期待されるのは、いわば『餃子の王将方式』であることが明確と言えるでしょう。
しかし、①と②の間にもニュアンスの違いがあり、①は全国共通マニュフェストと矛盾しない範囲での自由裁量です。
つまり、①は、「本部で作った餃子定食のセットメニュー(餃子6個、ライス、スープのセット)を改変して、餃子を2個減らす代わりに春巻きを付けるのは許さない。だけど、本部で考えていないシャウエッセン定食を作るなら許す。」と言えばイメージしやすいでしょうか。(伝わるでしょうか・・・)
①の方が一定の全国共通マニュフェストの縛りが強いスタンスです。それに抵触するものは認めないという厳しいものですから。
一方、②は仮に全国共通マニュフェストと矛盾していても、それが合理的なら認められるわけです。
例えるなら、「本部で作った餃子定食のセットメニュー(餃子6個、ライス、スープのセット)を改変して、餃子を2個減らす代わりに春巻きを付けるのは、この店舗の地域では春巻きの需要が高いからです」という合理的説明があれば、本部は認めるというスタンスです。
必ずしも全国共通マニュフェストを絶対視するものでは無いわけです。
この①②の2つを対比すると、①の方が少しマクドナルド方式的要素を残すものとなりますが、各地域の自由裁量を一定認めるという点では変わらないわけで、その裁量の範囲に若干の違いがあると言えるものです。
①より②が割合として高いですが、①も4割近いシェアを持っているため、維新としての一定の『背骨』を持っていてほしいという民意の現れもあるのではないかと考えられます。
回答者のコメント
ここで、この設問に対する選択理由についてのコメントの一部を見てみましょう。(Q7-1)
①全国共通のマニュフェストを先に作り、それに矛盾しないように地域版マニュフェストを作るべき
やはり一定の統一感を大事にする声が多いようです。
また、恐らく②を意識してだと思いますが、以下のように合理的な理由があれば例外を認めたとして、その制度運用の難しさを指摘する声もあります。
②全国共通のマニュフェストに矛盾する政策があっても、合理的な理由があれば地域版マニュフェストとして認めるべき
一定の統一感を前提としつつも、地域の実情に合わせたマニュフェストを期待する声が多いようです。
③全国共通のマニュフェストはやめて、地域版マニュフェストのみ作るべき
より地域主権を求める方々の声ですが、中には以下のような意見も・・・
④地域版マニュフェストはやめて、全国共通のマニュフェストに一元化するべき
⑤どうあるべきかわからない
そもそも、各地域のマニュフェストの内容が知られていないのではないかとみられる声がいくつかあります。
また、以下のようなご意見もありますので、ご参考までに。
オンライン選挙権の是非
Q8では、次回以降の党代表選において、大阪市長選予備選のようなLINE等による「オンライン選挙権」を導入することについてどう考えるかを問うものです。
公式には、党代表選におけるLINE会員の選挙権付与について言及はありませんが、当方は個人的にその導入可能性は捨てきれないと考え、広く世間のご意見を伺いたく思い、この問いを作成しました。
オンライン会員の選挙権について、制度設計は大阪市長選予備選の際とほぼ同様(LINE会員の有効投票数は、一般党員の有効投票と1:9になるよう調整されます。また、一般党員は、LINE会員になった場合、一般党員としてだけではなくLINE会員としても投票もできます。)という前提を示した上で、ご回答いただいています。
肯定的な評価が多いものの、過半数を得るには至っていません。
否定的な意見も3割近く、どちらとも言えないという意見も2割以上あります。
否定的見解は、『党員であることの意味がなくなる』『悪意を持って選挙結果を歪める行動が行われる』ことへの懸念が大きいようです。
属性別で比較すると、党員ではない維新支持者は、「強く賛成する」「どちらかと言えば賛成する」が50%を超える一方、一般党員は肯定(16.2%+23.6%=39.8%)と否定(27%+13.5%=40.5%)で拮抗しています。
(党員と支持者でグラフの山の形が異なり、党員ではない支持者の方が山の重心が左に位置しています。)
サンプル数は少ないですが、特別党員の間では、否定的見解の方が過半数を超えています。
肯定的な方からのコメント
ここで、党代表選におけるLINE会員による投票制度に対して肯定的な理由についてのコメントの一部を見てみましょう。(Q8-1)
党員以外も代表選に巻き込むことに肯定的な意見が多いです。
党員という制度自体に対する心理的ハードルの高さがありますから、LINE会員による投票制度のような気軽な制度に対して期待する意見もあります。
また、党代表選の公正・公正性を守る観点から肯定的な声も聞かれます。
否定的な方からのコメント
党代表選におけるLINE会員による投票制度に対して否定的な理由についてのコメントの一部を見てみましょう。
妨害目的やセキュリティ面での懸念も目立ちます。
また、党勢拡大に別の手段を選ぶべきとの声もあります。
肯定でも否定もしない方からのコメント
党代表選におけるLINE会員による投票制度に対して肯定でも否定もしない理由についてのコメントの一部を見てみましょう。
制度の設計に対する疑問の声が聞かれます。
また、そもそも、ネットだけで完結させてしまえる形への疑問の声もあります。
次の党代表選の投票先
Q9、同‐1、同‐2では、前回の代表選への投票と今後の代表選の投票意向を探っています。
あくまで、立候補者は前回同様(馬場伸幸氏、足立康史氏、梅村みずほ氏)として、今ならどこに投票するかを問うています。
まず、前回の代表選での投票先です。
党員以外の方も多くいるので、前回党代表選における投票権が無かった方がほとんど
投票権ありの中での比較だと、馬場氏が圧倒的で足立康史氏と梅村みずほ氏が似た票数となるのは、実際の選挙結果と同様です。
補正等はかけていませんので比率は実際の選挙結果と異なりますが、梅村みずほ氏が足立康史氏よりやや多めとなっています。
では、次に選挙権があればだれに入れたいでしょうか・・・
一般・特別党員、LINE会員としての選挙権があればという仮定のもとだと、馬場伸幸氏が圧倒的です。(一般・特別党員とLINE会員で多少足立康史氏が上昇し、馬場伸幸氏が減少していますが、誤差の範囲であるため、投票方法の種類によって投票先に大きな違いはなさそうです。)
やはり、これまでの馬場執行部の実績を見るに、評価する声が高まっているためでしょうか。
実際、先述のように馬場執行部の支持率は80%を超えていますので、同じ代表選を争ったそれ以外の候補者に投票する理由が無い状況とも言えます。
足立康史氏が梅村みずほ氏と比率が逆転していますが、これは現在梅村みずほ氏が党員資格停止中であることも関係しているのかもしれません。
また、昨年夏の調査において、有権者以外における足立康史氏支持の高さゆえに、実際には投票権の無い人からの投票意向が強いのかもしれません。
では、属性別に見てみましょう。
属性別で見てみると、実際、他党支持者の間において足立康史氏が投票先として最も多くの票を獲得しています。
一般党員の間では馬場氏の約3分の1にとどまる足立康史氏の得票も、無党派の間では約2分の1となっており、無党派層の中では足立康史氏が相対的に強いと考えられます。
そのため、実際にLINE会員による投票制度を党代表選に導入すれば、足立康史氏は、一般・特別党員としての投票権がない層からの得票も見込め、選挙戦では追い風に働くものと考えられます。
回答者のコメント
ここで、この設問に対する選択理由についてのコメントの一部を見てみましょう。(Q9-3 Q9‐1、Q9‐2の回答となった理由をお聞かせください。)
まとめる力が最もあるのは馬場伸幸氏しかいないという声がいくつか聞かれました。
また、足立康史氏の政策力や主張の正しさに対して一定の評価をしつつ、馬場伸幸氏が代表にふさわしいとの声が目立ちます。
一方、党員投票もLINE会員による投票についても無投票か無効票を投じる意向を示した方の中には下記のようなご意見をいただいています。
馬場伸幸氏も含め提示した候補者以外に本命がいるという声も少なくないのかもしれません。
党代表選で投票先として重視する要素
Q10では党代表選で投票するにあたって重視する要素を最大5つまで選択していただいています。
その結果は以下のとおりです。
「4 組織を束ねる統率力・コミュニケーション能力」が突出しているのは前回と変わりありませんが、前回以上にこの要素を重視する声が多くなっています。
党代表選実施時には、いわゆる「まとめる力」が大きな論点となりましたが、まとめる力を発揮して成果を挙げる馬場代表と執行部の活躍により、改めてまとめる力の重要性に対する認識が広まっているのではないかと考えられます。
逆に、「13 党内のガバナンス改革への姿勢」、「14 党勢拡大政策への姿勢」は比率を落としています。
集計タイミングが党代表選直後であったため、これらへの関心に高まっていたわけですが、現実に馬場執行部体制で党勢拡大が進んでいることから、これらの要素への関心が薄れている可能性もあります。
その他の具体的内容
1つ目に「19 その他」と答えた方に具体的内容をお聞きしましたので、一部をご紹介します。(Q10‐1)
候補者別 投票したい度
先ほどの問いでは前回同様の立候補者である場合の党代表選の投票意向でしたが、次回の代表選においても同じ選挙構図とは限りません。誰が出るかによって結果は大きく異なります。
この問いでは、一定の基準のもとに15名の維新の政治家をリストアップし、それぞれに対して党代表選に出馬した場合、どれだけ投票したいか(したくないか)を回答いただきました。
対象者は以下のとおりです。
各々に対して投票したい度を選択してもらいましたが、仮に絶対に投票したいという人物が複数名いた場合でもOKとしています。
それらの前提のもと、
と設定し、その平均(加重平均)を投票温度と定義します。
投票温度が高ければ高い程、代表選での投票の熱が高い=党代表選において得票しやすいということであり、逆ならば、代表選での投票の熱が低い=票を得にくいという目安になります。
吉村洋文氏の対抗馬
それでは、投票温度の上位5名を見てみましょう。
みなさんの事前に吉村洋文氏がトップであると想像しているとは思いますが、そのとおり実際に吉村洋文氏がトップです。
注目したいのが、幹事長でもある藤田文武氏です。
藤田文武氏も吉村洋文氏には劣るものの、40℃超えをマークしており、実は大本命吉村洋文氏と十分いい勝負ができそうなポジションにあります。
以下比較的近い投票温度でひしめき合っていますが、唯一、大阪以外では東京維新代表の柳ケ瀬裕文氏がランクインしています。
吉村洋文氏は、自身が日本維新の会代表になることは固辞していますので、これから党代表選に出馬する可能性は今のところ低そうであるため、ある意味殿堂入り扱いとした方が良いかもしれません。
なので、次点の6位(実質5位)にも注目する必要がありますが、6位は小野泰輔氏が37.4℃ をマークしています。
5位の柳ケ瀬裕文氏らとも僅差で、出馬すれば好成績も期待できるのではないでしょうか。
維新における大阪知事・大阪市長の強さ
ここで特筆すべきは、先日大阪市長になったばかりの横山英幸氏が3位につけているということです。
今回の意識調査の回答者の半分以上が大阪府在住ということもありますが、通常、他の政党ならば国会議員を党のトップに推すものですが、地方首長である大阪府知事・大阪市長を党のトップに押し上げたいという熱が高いのは維新の特徴ではないでしょうか。
日本維新の会は地域政党大阪維新の会を始祖とする歴史があり、歴代の代表が橋下徹氏、松井一郎氏という当時現職大阪府知事・市長が党のトップを務め、大阪府知事・大阪市長のポストを握ることで、府市一体の大阪を実現し、その成果を訴えて党勢拡大を続けてきたという経緯があります。
そのため、現職大阪府知事・大阪市長を党のトップに推す声は多いのは、ある意味自然なことなのではないかと考えられます。
無党派が求める維新代表
選挙、とりわけ国政選挙になれば、党支持者だけでなく、無党派からも票を得なければいけません。
では、党支持者以外からも求められる代表は誰でしょうか。
属性を無党派に絞って投票温度を測定してみました。
ここでも吉村洋文氏がトップですが、2位につけている藤田文武氏との差は縮まってます。
そして、無党派の間では、小野泰輔氏を推す声が多く、藤田文武氏とは0.4℃差で3番手についてます。
さらに、衆議院議員青柳仁士氏が5番手にランクインし、全体的な結果と異なり、ロジカルな答弁を行う国会議員論客が好まれる傾向があるようです。
ともあれ、ここでやはりキーとなるのが、LINE会員による投票権の有無です。
無党派等の党員ではない方が投票権を持つと、選挙結果に多少なりとも違いが出てくる可能性がありそうです。
果たして、無党派の民意も汲み取って代表を決めるのか、党員からの代表選出にこだわるか、党の意思はいずこにあるでしょうか。
その他のご意見
意識調査の最後に自由記述の設問を用意しましたので、そこで寄せられたご意見の一部をご紹介します。
吉村洋文氏がらみのコメントが多く見受けられます。
吉村洋文氏を支持するものの、長く知事・政治家を続けさせることに対して心配する声もあるのが印象的です。
もしかしたら、本当は代表に推したいけれども、あえて代表に選ばないでおこうと考え先ほどの問いに回答された方もいるかもしれません。
維新一強となった大阪の政治状況を憂う声も聞かれます。
国政における政権交代への手法に対するご意見です。
関西や首都圏以外だと、国政選挙、地方選挙ともまだまだ候補者が少ない現状ですので、地元の潜在的な支持者のためにも、維新の皆さんよろしくお願いします。
こういう声は少なくないと思います。首都圏で国会議員が急増するチャンスではないでしょうか。
大阪維新との比較で日本維新の会があまり評価されていないのは、国政等で野党である以上ある意味で仕方ないのかもしれませんが、国政等における今後のさらなる活躍に期待したいです。
野党ならば野党なりの戦い方があると思います。
ご高齢の方から将来世代への思いやりのコメントをいただきました。こういうご意見が増えれば、シルバーデモクラシーと言われるものが変わってくるかもしれません。
以下、本調査自体に向けられたものです。
すいません、次回があれば設問量については検討させていただきますが、あまり量が少なすぎると、一人で何回も回答して結果を歪める意図を持つ方も出てくると思いますので、そこのバランスが難しいところです。貴重なご意見として承りました。
ありがとうございます。私自身があ民意を可視化したいという想いで始めたものですが、こういう面でお役に立てているとは思ってもみませんでした。こうしたお声は励みになります。
まとめ
昨年の党代表選意識調査結果全体概要版のまとめに、このようにつづりました。
馬場執行部体制になってから、国会における活躍や統一地方選等での躍進など、多くの成果を挙げ、見事我々の期待に応えてくれました。
その結果が、散々な評価だった党代表選で選出されその正当性が一部疑われた馬場執行部でしたが、本意識調査では80%を超える支持率を記録するに至っています。
一方、本調査で明らかになったのは、馬場執行部体制における日本維新の会の課題です。
不祥事対応における評価を見ても、必ずしもベストな評価とは言えません。維新支持者ではない無党派からの評価はなおさらのこと。
また、統一地方選等の大型地方選等における地域ごとのマニュフェストについても、どこまで本部としての統制を効かせるかは、次回に向けて是非ご検討いただきたいところです。
党代表選についても、大阪市長選予備選を経た後で、どのように変化するかは注視したいです。
公平公正な選挙の実現はもちろんですが、党員以外の民意取り込むのかどうか。
LINE会員による投票制度は個人的には推していますが、党員票の希釈化や選挙を荒れさせる悪意をどう受け入れるか、対応するかは、導入に当たっての課題でしょう。
ところで、なぜこの度私がこのような調査を行ったのかということですが、自分としても維新に対する民意の実態はどうなのか確かめたいという思いに駆られたからです。
また、今求められる維新の代表像というものも、本調査によってある程度明るみになりました。
私がこの手の意識調査をかけるのは、毎回同じ理由によるものです。
「なんとなく雰囲気で把握するしかなかった民意を、数字で見える化したかった。」
ただそれだけ。
結果559名もの方々にご回答いただき、ある程度鑑賞に堪えうる調査分析結果を作ることができました。
1人1人の意思は、それ自体だけでは全体を把握することはできませんが、それが大きな塊になると、世の中の一端が見えてきます。
今回、そんなに長けていないExcelスキルを最大限に駆使して集計・分析する作業は、大変知的興奮を覚えるもので、数時間に及ぶ作業も時を忘れて夢中になってのめりこめました。
毎度この手の調査をまとめる作業は、まるでダイヤモンドの原石を磨いていくかのような感覚があるのです。
各種分析作業を進める中で、『民意』というダイヤモンドが露わになる知的快感は、何事にも代えがたいものがあります。
その成果物として、このようなnoteの記事にまとめるところまで至りましたが、ご満足いただけましたでしょうか。
もし、興味深くお読みいただけたなら、♡(スキ)のボタンを押していただけるとありがたいです。
また、各種SNS等で感想とともにシェアをいただくとなおうれしいです。
このnoteの評判次第で、また半年後くらいに同じような調査をしようかと思います。
最後になりましたが、今回調査にご協力いただいた559名のみなさまや調査の存在を拡散して協力していただいたみなさまに、改めてお礼申し上げます。
👇大阪市長選予備選の意識調査もご参考までに
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追伸
本調査について、かなり込み入ったマニアックな分析をまとめる『(仮)日本維新の会についての意識調査(2023年6月) マニアック詳細分析版』をサブスク会員向けに作成予定です。
サブスク会員向けのものなので、すべて読むにはサブスク加入か単品購入になりますが、サブスクは初月無料であるため、そちらをご利用ください。(単品購入は、サブスク登録に抵抗感を持っている人向けです。)
別に初月だけで解約いただいても、全く私は気にしません。
私のnoteはそんなにお金をとれるほどのコンテンツでもありませんが、各種書き物を通じて何か読者の気づきに貢献できるものがあればと思って、一年近くこのnoteを続けています。
その活動にご理解いただける方に月々300円をいただき、また、記事ごとにサポート(作者への寄付)等をいただき、その収益の一部を維新の政治家に寄付させていただいております。
一部で、この調査を金儲けの手段に使っているのではないかという厳しいお声もいただいておりますが、ご理解をいただけると幸いです。
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維新支持の海原雄山の政治マガジン『維新マガジン 初見』
維新を中心とした政治経済系の記事を書いてます。 収益の一部は維新またはその所属議員に寄付する予定。
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