総括!党代表選!!
こんにちは。
今回は、先日開票が終わった党代表選について、書かせていただきます。
みなさま結果については、ご存じのとおり8,527票と有効投票数の約8割を抑え、馬場さんの大勝に終わりました。馬場さんにはこれからその負託にこたえ、まずは来年の統一地方選に向けて最善を尽くしてもらいたいと思います。
そして、今回の選挙に挑戦された足立康史陣営も梅村みすほ陣営もその健闘をたたえたいと思います。命のやり取りこそないものの、政治の世界において選挙で血で血を洗う争いをしたもの同士、複雑な感情を抱くものとは思いますので、多少人事で冷遇されることはあろうかと思いますが、その期間をいかにして自分の糧にできるかが、今後の政治家人生を分けると言っても過言ではありません。
以下、今回の党代表選や各候補に対する所見等を書かせていただきます。
梅村みずほ氏は時期尚早だったのか?
否めない経験不足感
今回紅一点にして、参議院1期目(3年目)と最もフレッシュな経歴を持った梅村みずほ氏は、街頭演説や記者会見での対応や話ぶりの評価が非常に高く、1,140票と2位の足立康史氏に18票差まで肉薄するなど、善戦しました。
「維新を維新する」というキャッチ―なコピーを冠した公約においても、議員向けの研修の充実や落選者フォロー等、他の候補とは一線を画した内容で、私としても、他人に依存せず本人の努力の跡が見えるものとなっていました。いろいろな方の話を聞いたんだなと言うのがよくわかる公約となっていました。
しかし、ニコニコ生放送等のネットメディアで開催された討論会では、他候補から勉強不足と指摘を受ける場面が散見され、政策等の勉強量や政治家としての経験値は、他の候補に劣っていたことは否めなかったのは少々残念ではありました。
この場面を見て、やはりちょっとまだ梅村みずほ氏には、党代表は早すぎたという印象を受けた方も多いのではないでしょうか。私自身も同様の感想を抱きました。
残した爪痕の意義
しかし、一概に梅村みずほ氏の出馬は無駄だったとは言えないと思います。
維新の女性議員で大きな知名度を得ている方と言えば、元女優の石井苗子氏と元タレントで今回の参院選候補者の目玉の一つだった松野明美氏くらいだったと思いますが、今回の参院選で梅村みずほ氏のネームバリューはかなり上がったと思います。
今まであまり注目されていませんでしたが、維新の女性国会議員でもこんな人財が埋もれていたのかと、新たな発見を得た人もいるのではないでしょうか。そういう意味でも、梅村みずほ氏の出馬が与えた影響は大きかったと言えるでしょう。
前述のとおり、討論会では力量不足を露呈させたものの、演説の華やかさや話の分かりやすさはかなり評判がよく、その持てるポテンシャルを大いに発揮できたと思います。
これならば、代表は無理にしても、党内において広報担当等の役を得て、経験を積んだりスキルを磨く機会を得るきっかけは作れたのではないかと見ています。
思えば、今回の代表選において、始めから本人も代表が本気で狙えると思っていたかは疑問ですが、党内外で大きなプレゼンスを得るに至り、梅村みずほ氏の今回の出馬はある意味で成功したと言えるでしょう。
これが梅村みずほ氏の飛躍のきっかけとなるかは、今後のご本人の頑張り次第とは思いますが、今回の代表選出馬は次のジャンプに向けた大きな足掛かりを得たと言っていいでしょう。
今後の梅村みずほ氏の動向には、要注目と言えましょう。
足立康史氏に足りなかったもの
もう一度言うけど、推すべきはそこではない!
そして、メディア露出や複数の著書を出版するもあり、ネットでの人気が一番にあったと思われた足立康史氏でしたが、1位の馬場さんに大きく水をあけられるばかりか、3位の梅村みずほ氏に肉薄される等、意外にも苦戦しました。
元経産官僚としての知識と経験と能力を生かして、非常に重厚なマニュフェスト集を作成されていた足立康史氏ですが、個人的には、政策立案能力はもう誰もが知っているので、今回の代表選では別の一面を見てみたかったというのが本音です。
以前別の記事でも似たようなことを書きましたが、今回の代表選で足立康史氏にアピールしてほしかったのは、足立康史個人の人間としての魅力や懐の深さのようなパーソナリティの部分だったと思います。
何度も言うように政策通なのはみんなわかっている話ですし、代表ともなれば組織を束ねていけるか(以前の記事でも書いたように、これは必ずしもコミュ力のことではありません)という部分がキーになるはずです。
そこの部分のアピールに重点を置けば、もっと善戦できていたと思っています。そして、それが意識できていれば、例えば、討論会中に咳き込む馬場さんへの対してかける言葉は、「早くPCR検査を受けてください」というものではなく、「お体ご自愛ください」といったものになっていたと思います。
執行部への言い分
足立康史氏は、選挙戦前から党代表選のありようについて疑問を呈すツイートを繰り返しておりました。
勝負の当事者なので、ルールはどうなっているのか、そこに十分な公平性が担保されているのか、気になるのはわかりますが、なぜ波風を立てるようなやり方をするのかと少々疑問ではありました。
仮に運営側に不備があったとしても、運営側とて人であり、急に決まった代表選に対応するのにてんやわんやであることは容易に想像がつく中、あのような応対で運営側の心情がどうであったかは想像に難くないと思います。
著しく事務方の心象を害しては、仮に代表になったとしても足元をすくわれることにならないともい限りません。
もっとも、今回の代表選については準備不足が否めなかったことも確かであり、文句を言いたくなる気持ちもわからないでもありません。それについては、後述します。
冷や飯の先
血みどろの権力闘争を行うだけならまだしも、当選した馬場さんや現執行部に対してかなり辛辣な批判も繰り返していたこと等を考慮すると、いわゆる一つの「冷や飯」を食う可能性がかなり高いと考えられます。
足立さんの最大の失敗は、代表選に至るまでに党内で敵を作りすぎたことです。音喜多政調会長との確執も解決がないままだったのは、かなり尾を引いたと思います。聞くところによると、先の両名のいざこざについては、音喜多氏側に心情を寄り添わす人が党内に多いとのこと。
その状況で選挙戦に突入しても、党内から応援は受けられないのです。一般党員から多くの票を得て当選していたとしても、後から足を引っ張られます。
だからこそ、先述したようにパーソナリティや仕事仲間と協調できるということをこの代表選やその前哨戦でアピールすべきだったと、私は強く思うのです。
しかし、冷や飯を食うことになるからと言って、悲観する必要はありません。次の飛躍へのカギとなるのは、自民党総裁選における麻生さんや2回目の総裁選までの安倍さんの例で明らかですから。
麻生太郎氏は、2007年の総裁選で福田康夫に敗れた後、無役ながらも全国を行脚したそうです。敗れて冷や飯を食っていた時期に、「自分自身を売る」ことを徹底したのです。
その結果、翌年の総裁選では勝利し、ついに総理総裁の座を射止めることができたのです。
同様に、冷や飯を食っている期間も、周囲は足立康史氏を見ています。
「足立康史は冷や飯を食って苦労して変わった」と、周囲に言っていただけるようになるかが、今後の捲土重来につながるかの分水嶺になると思います。
うれしいことに、先日の足立康史氏の最後のネット集会で、代表選の結果にかかわらず、「愚直に維新」を再開して、全国を周るとのことです。こうして、党に貢献しようとする姿勢はみんなが見ているはず。
政策立案能力は誰もが認めるところですので、あとは改善すべきところは明白です。
今後のご健闘をお祈りしております。
馬場伸幸氏の責任
圧倒的支持
さて、今回の代表選において勝者となったのは馬場伸幸氏です。
推薦人の段階から、特別党員の過半数の支持を得ていたわけで、圧倒的な支持を得ていたと言っていいでしょう。
長らく幹事長として仕えていた松井前代表からの信任も厚く、部下からも慕われた結果が数字に表れたことと言えるでしょう。
馬場さんについていうと、安定した討論や見た目の愛らしさからくる柔らかい雰囲気は、今までの維新の雰囲気やイメージをいい意味で変えてくれる期待もあります。
今後、執行部の3人とともに引き続き党の中期経営計画に邁進していただきたいと思います。
党代表としての課題
しかし、失礼ではありますが、馬場さんは次の世代に向けた繋ぎの代表という色彩が強く、馬場さんで政権交代を目指すということは想定されていないのは、誰しもが考えていることと思います。
党代表選の公約においても、自身の独自の公約と言うよりも、藤田文武氏がまとめた中期経営計画の継続延長という位置づけにしか見えず、馬場カラーに乏しいと言えます。
これがせっかくの代表代変わりにおいて、各選挙のご祝儀票にどう影響するか未知数だと思います。
乏しい新鮮味をいかにして他の要素で補うか。馬場執行部に課せられた、統一地方選に向けた大きな課題と言えると思います。
次の世代への責任
今回の代表選でとにかく目立ったのが、代表選そのものの不備です。
いずれも広島県総支部においてですが、空本さんの票取りまとめツイートをはじめ、名簿の不正使用が明るみになり、選挙の公正公平が害されたという評価が根強くあります。
同様に宮城県総支部においても票の取りまとめを行っていたのではないかという疑惑も出てきております。
これは、特別党員を含めて、代表選挙をどのように行っていくべきかという、教育の問題もあったかと思います。(もっとも、こんなの選挙の洗礼を経ている政治家なら、当たり前に何をやっていいかわかっていてほしいですが・・・)
また、有権者に紙の選挙公報が送られず、投票用紙である往復はがきにQRコードを付けるだけで、デジタルネイティブな世代でなければ、下手をすれば誰が代表選に出ているかさえもわからないという状況にならないかという懸念もあります。
こうした細かい問題がしっかり対応しきれておらず、党代表選のクオリティを著しく下げ、ひいては当選した馬場代表の正当性まで疑われる始末であったのは、非常に残念であったと思います。
これをもって、「選挙は無効だ」などと言うほど私は非現実的なことを言うつもりはありませんが、代表選挙自体に疑義があるなら、党全体の結束のタガが外れてしまいかねません。
ですので、現代表にお願いしたいのは、統一地方選までにしっかりと今回の代表選の反省を行って改善点を洗い出し、制度を整えること。
そして、そのうえで、統一地方選の成否にかかわらず、代表選を改めて行ってほしいと思います。
馬場さんは自らも自任するように、次の世代へのバトンタッチを行う役割です。
今回の代表選のあれこれをそのまま放置するのではなく、しっかりとした体制づくりを完遂することこそが、真に責任を全うすることです。代表をただ単に辞することは、責任を取ることでも何でもなく、ただの責任逃れです。
とにもかくにも、今回の代表選を契機に、維新が組織として次のステージに進むことを強く望みます。
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