リーフレットなんて、ステッカー1枚でいい

2018年10月10日 13:39

こんにちは。mm（ミリ）のデザインを担当したデザイナーの島津弓（しまづゆみ）です。

前回mmのパッケージデザインについて書かせて頂いた「女子はピンクが好き。でも好きなピンクは同じじゃない」を思いのほか多くの方にお読み頂きましたことを、まず感謝申し上げます。「そうそう、ピンクって難しい色なんだよね」という共感を頂けたこと、また新しいパッケージについて「好き」と言っていてくださる方がいらしたことを、うれしく感じています。

今回は、11月に発売されるmmの販促ツールについて書きたいと思います。タイトルにもありますが、mmのリーフレットは、ステッカー1枚。よくある、モデルの写真があって、商品写真があって、ラインナップがあって、その説明があって…という冊子状のリーフレットがありません。

みなさん、ヘアサロンや百貨店のコスメカウンターでもらったリーフレット、どうしていますか？余程気に入ったものなら保管しておくかもしれませんが、大体の場合、読んだら処分してしまいますよね？もしかしたら、読みもしないかもしれません。もしも気になったら、移動中か何かにスマホでサクッと調べる。きっとそんな感じだと思います。

グラフィックデザイン出身の私は、紙モノが大好きなんですが、今回のターゲットは、忙しい合間にスマホを通して情報を得ることを日常としている大人の女性たち。beauty experience（以下bex）のアートディレクター大林彩さんと相談してばっさりとやめてしまいました。その結果、生まれたのが、アーティストYuki Mikamiさんのイラストによる「ヘアカタステッカー」です。裏面にオフィシャルWebサイトに飛ぶための検索ワードとQRコードのみ入れました。

ちなみにbex大林さんは、ヘアサロン向けヘアケアアイテムに、デザイン改革を起こしたロレッタ（mmはその姉ブランドという位置づけ）の生みの親のひとり。私も一部ロレッタのデザインを担当していて、その時からのおつきあいです。いつも「ふつうの方」より「大胆な方」を選んでくださるので、一緒にお仕事をするのが、すごく楽しいんです!

どうでしょう？これ、大林さんのPCですが、真ん中がmmのステッカーです。なかなかかわいいと思いませんか？こうして身近なものに貼っていただければ、愛着を感じてもらえるかもしれない、名前くらいは覚えてくれるかもしれないということを期待しています。

ボツ案を公開します

最初に勢いよく「リーフレットなんて、ステッカー1枚でいい」と言ってしまいましたが、じつはこの「ヘアカタステッカー」に決まるまで、かなり試行錯誤しました。「極めてシンプルなデザイン」で「手元にしばらく置いておきたくなるもの」という方向性は当初から出ていましたが、新商品の紹介を本当に入れなくてもいいのか？少しくらいは入れた方がいいのでは？と、踏ん切りがつかず、いくつもの案を考えました。

こちらがその時の提案です。美容師さんがmmの使い方のアドバイスをひとりひとりのお客さんのために書き入れるもの（美容師さんには、仕事中にその時間はないんです!と言われました）や、デザイン的にちょっとしかけを施したリーフレットなど…今となっては煮え切らないアイデアですね。

mmは、大人の女性の気分をあげ、髪も心も前向きにととのえる“ケアスタイリング”剤です。少しの情報が入ったようなものよりも、もらって「うれしい」と思える方が、記憶に残り、ブランドのメッセージが伝わるはず。最終的にはそう決断して、ステッカー案に決まりました。ムダな過程のようですがデザインにはいつもこうした検証作業がかかせません。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
そしてもうひとつ、シールがあります。