森山大道二次創作としてのスナップ写真に感じるもやもや

今回も出落ちです。
タイトルそのまま。
タイトル以上の内容はないよう。
まぁ、それでも年寄りの昔話に付き合っていただけるなら、この先もどうぞｗ

今日からコミケだけど、行かなくなって……というか、最後に行ったのは20世紀だったと思う。
サークル参加してたんですよ。
自分。
ただ、虹じゃなくて特撮評論とかミリタリとか非電源ゲームとか、そのへんの閑散島でした（非電源ゲームはトレカゲームをきっかけに人気ジャンルへ大変身するんだけど、それよりもっと昔の話）。

前置きはこの辺にして、森山大道の二次創作へ話を戻しましょう。
最近は写真界隈でKindle写真集を出すってのが流行ってて、うっかり詳細を確かめようものなら、次から次へとおすすめされてうんざりって感じです。そりゃ写真はスキだし、写真集にも興味はありますよ。でもね、スタージョンの法則じゃないけど、素人の写真集って九割が💩ですよ……。
それも、視界の隅にも入り込んでほしくないほどの、救いようがない電子ゴミ画像ですわ。
その中でも大勢力かつ低レベル電子ゴミがスナップ写真で、さらにゴミのくせに悪目立ちして存在感だけは主張してるのは森山大道二次創作としか言いようのないハイコントラスト粗粒子スナップです。

正直「うへぇ」って思いましたよ。

暦に平成なんて元号が記されてたころ、ストリートフォトのワークショップやらなんやらに行くと、必ずひとりは森山大道の二次創作を持ち込む受講生がいたんです。けど運が良くて黙殺、運が悪い……いや、ちゃんと当人の写真的向上をうながそうと思っていただける講師や先輩がいるところでは、ボロクソに言われて、自分の表現を模索するように諭されるものでした。
まぁ、当時はそこまで言わんでもえぇやろって思ってましたし、それこそほんとに「それ以上！　イケナイ！」な感じでしたよ。
えぇ。
でもね、いまとなってはわかるのです。
森山大道の二次創作は即座にやめさせないと、当人の写真的向上は無いってのがね。なにせハイコントラスト粗粒子スナップって、画面の圧が強すぎるから、それに対抗できるだけの技術や思想的背景がないと、単なる汚い写真にすぎないんですよ。だから、森山大道の技術や思想的土台、コンポラ写真の文脈などをまるっと無視して、安易に上っ面だけ真似したのはただのゴミだし、撮ってる当人以外にはその浅さ加減も丸見えなんだけど、御本人だけはかっこいいつもりだから、多重に見苦しいんですね。
さておき、それから時は流れ、デジタルの時代になって森山大道のワナビーもだいぶ数が減ってきたんじゃないかって思っていたんですよ。けどね、森山大道の再評価が進んでる影響か、最近はまた出てきてるんですよ。森山大道の二次創作が、それも世界レベルでｗｗｗ
そういう森山大道ワナビーの方々が、よせばいいのにKindleストアへ写真集をぶち込んでると、そういうわけです。

でまぁ、うへぇと思いながらも興味を持ってしまったので、よせばいいのにいくつか観ちゃったんですよ。正直、どんなおバカさんがこのご時世に森山大道の二次創作なんかやってんだろうってね。
そしたら、なんかこんな話を延々としてる記事というか、まぁ独り言のようなのを見つけちゃったんですね。

写真は撮った瞬間に楽しみがある。
写真を撮り始めたころの楽しみを忘れない。
写真に答えはない。
やりたいようにやればよい。
写真を素直に楽しめばよい。
上手になる必要はない。
写真に上下はない。
評価を気にしない。
写真に正解はない。
承認欲求のために写真を撮るのは苦しい。
インプレで競争しない。

もぅね、めっちゃ既視感あったんですよ。
ぶっちゃけ写真を漫画に置き換えれば、やまもおちもいみもない二次創作をせっせと作ってたかつての同人作家と全く同じですよ。いや、いまも同人って同じようなものだと思うし、むしろそうであってほしい。

漫画を描く（写真を撮る）だけで楽しくて、同人誌（Kindle写真集）を作るだけで嬉しくて、即売会（Kindleストア）で頒布（販売）するだけで達成感がある。ただそれだけで、ドーパミンどばどばの多幸感が味わえる。そこに承認欲求を満たそうなんて気持ちはなくて、まして売れ部数（インプレ）で競うなんて気持ちもさらさらない。
純粋に二次創作を楽しみ、仲間内で共有する喜びだけがある。
そういう楽園の住人なんですよ。
たぶん。

だから、そんなキラキラした喜びに浸ってる森山大道のワナビーをとっ捕まえて、偉そうに「森山大道二次創作の九割は屑だ」なんて言うオトナにはなりたくないし、なりたくなかった。
しかし……言いたい！
森山大道二次創作の九割は屑だ！
お前らはKindleストアを汚染しているだけだ！

でも、そんなことを口走ったら、あっという間にスタージョン・サンの「どんなものでも九割は屑だ」をくらってしめやかに爆発四散するでしょう。

それに、やまもおちもいみもない二次創作をせっせと作ってた同人作家たちの中から、作品がいくつもアニメ化されたり周年記念でリブートしたり、さらには国の新美術館に原画が展示されるようになった方々も出てきてるのですから、森山大道のワナビーからも大化けする誰かがでてくるかもしれないですよ……ね！

てな感じに、すっごくもやもやする。
けど、年を越さずに吐き出したから、まぁいいや。

最後に

しかるに諸君、インプレ乞食は滅ぼさねばならない。