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Los cuatro presidentes bebiendo meada de la virgen santa 聖なる処女の尿を飲むプレシデンテたち-拷問人の息子外伝-
本作はnoteで発表された異世界小説「El expedición de hijo del torturador 辺境の聖女と拷問人の息子」の後日談です。もちろん、前作「辺境の聖女と拷問人の息子」を読んでいなくても楽しめる作品ですが、あらかじめ読んでいただけるとよりいっそう深く楽しめます。
よろしくおねがいします。
美少女異端審問官の絶叫
部屋に入るやいなや、目深にかぶった頭巾を忌々しげに跳ね上げた女司祭(サセルドーティサ)は、あどけなさすら漂う少女の面立ちとはあまりにも不釣り合いなうめき声をこぼしつつ、ほっそりした成熟前の身体を自らの両手で抱きしめ、ひどく険しい顔でなにかの思いにふけりはじめた。
やがて、飾り気のない少女司祭の装束でもひときわ目立ち、質素な貧者の姿を台無しにしている治安憲兵(グアルディア・シビル)に属する機械化異端審問官(ラ・インキシドーラ・メカニサダ)の階級章が、もぞもぞといやらしくうごめきはじめた。その下では、いつしか装束に潜り込ませた手のひらが、きゃしゃな指先が、ふくらみはじめた少女の胸を、そのやわらかなすそ野を、さらにはいただきに力強くそびえ立つ乳首を、あらあらしくせっかちにもみしだいている。
彼女の名はメルガール、階級は少佐(コマンダンテ)だ。
「いかん……あふぅ! あぁっ! いかん……はぁ……なんとかしないと……」
うわごとまじりの艶声を漏らしつつ、メルガールはなにかを探し求めている。
異端審問院より憲兵付きを拝命して移動した将校宿舎は、審問院の窮屈な小部屋とは比べ物にならないほどゆったりと広く、おまけに独立した洗面所に浴室、便所もある。とはいえ、非神子のメルガールは汗をかかず、垢もでない。飲食や睡眠すら必要とはせず、もちろん排便も不要だ。ただ『会食などに陪席した際』にはお付き合いで飲食することがあり、その場合は『飲み食いしたものがそのまま出てくる』ので、その便というか、粥状のなにかを処理しなければならなかった。
そのため、審問員の宿舎では質素や簡素を通り越した、ほとんど牢獄のような宿坊を割り当てられることも多々あり、実際に寝床すらない小部屋でバシン(簡易便器)代わりの桶ひとつなんて場所をあてがわれたこともある。無所有と清貧をむねとする黄印の兄弟団でもここまで厳格なところは少ないが、それでも異端論争の研究に熱心な審問所は大なり小なり住環境を軽んじる傾向があり、特に非神子は人間ならざるものとしてより厳しい規範をしめすように求められていた。
運命の輪(ラ・ルエダ・デ・ラ・フォルトゥナ)が気まぐれにもてあそんだかのような偶然で非神子へ転生したメルガールだが、黄印の兄弟団で奇跡術を学んだのはあくまでも生活のため、多少でもマシな暮らしを得るための手段でしかなく、もともと清貧とは遠い人間だった。非神子へ転生してからは、だんだんと食事や着衣の楽しさ、心地よさを求めなくなっていったが、それでも無所有を厳格に求められるとうんざりもしたし、反対に治安憲兵で将校として遇されると『ひとかどの人物』となったがごとく自尊心をくすぐられる。
そんな煮え切らない、いわば中途半端な信仰心でも純潔と奇跡術の適性のみで異端審問官になれたばかりか、転生後は黄印の兄弟団を実質的に支配するゴンサーロ・ヒメネス枢機卿から直命を受ける立場となったのではあるが、転生前には想像することもできなかったほどの苦しみが待ち受けていた。それは、ひとしずくの水も持たず砂漠をさまようかのごとき性の乾きであり、転生前のメルガールは最も忌み嫌っていたはずの性欲にさいなまれる日々であった。
これほどの苦しみを耐え忍ばなければならないのであれば、文字通り超人的な奇跡術能力を得たとしても、いささか割に合わないような気もする。しかも、鋸歯魚の庭で転生の受け皿となった非神子素体と自らとの精神的な統合がひどく損なわれてからは、淫蕩としか言いようのない素体の欲求が日増しにつのるばかりだった。やむをえず、なんとか純潔を守り通すため、すきをみては自慰に勤しむのが日課となっている。
意を決したように浴室に入ったメルガールは、あわたただしく装束から下着までも脱ぎ去り、まったくの裸身となった。しかし、そこで我に返ったかのように深いため息をつくと、メルガールは空の浴槽に手をかけた。
「なさけない」
『なげくことはないよ。そこで思いっきりこすればいいじゃない? ほら、からだを洗うブラシ(セピージョ・デ・ラバド・コルポラール)があるよ。あれであそこつんつんして、柄をしゃぶって突っ込んだら、きっとすっごく気持ちいいんじゃない?』
「だまれ!」
メルガールの叫びは空っぽの浴槽に響き渡り、まぬけな余韻を残す。
しかし、メルガールは鋸歯魚の庭での経験から『この声』が聞こえ始めたら、つまり転生の受け皿となった素体が活性化し、情欲の衝動に駆られてしまったら、もはや自ら慰めるしかないこと、なにがなんでもいっぱつヌかなければおさまりがつかないことを、いやというほど思い知らされてもいた。
「否も応もないな(ロ・ニエゴ・トド)……しかし、ここではない」
しずかに、しかし自分に言い聞かせるかのようにきっぱりとつぶやいたメルガールは、同時に脳内で響き渡る素体の淫らでけたたましい嘲笑を無視するかのように下着をつまみ上げ、素早く身につける。
ぐっしょりと濡れそぼった股布の不快感に構わず女司祭の装束をかぶると、従卒や同僚の目を避けるように宿舎を出た。
続く
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