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「お金を入れてください」

「お金を入れてください」
これがどこのどいつの台詞かパッと分かりますでしょうか。

そう、これは駅の券売機。
ICカードにお金をチャージする時にこのセリフが突き付けられます。

・カードを入れる(置く)
・チャージする、を押す。
・金額を選択する。
・「お金を入れてください」

こんなに潔いセリフはあるのだろうかと感動しました。
あまりの潔さに「図々しいな!」と思わず突っ込んでしまったことがあります。

人間だったらなかなか言えないですよ。
「お金を入れてください」
面と向かってそんなこと。

できることなら僕も道ゆく人に言いたい。
「お金を入れてください」
それで生きていけるならそうしたい。

まさに機械に任せたい仕事ですよね。
人間が言いにくいことも、機械が言ってくれるとスムーズになる。


最近はファミレスなどの飲食店で猫の配膳ロボットが増えました。
我が家がよく行く焼肉屋さんでは2台の猫が肉を運んでくれています。

彼らは各テーブルの前まで着いて「取ってください」と言う。(正確なセリフ忘れました)
人間は身を乗り出して彼らのボディに置かれたお皿を取る。
そして「完了」のボタンを押すと「ゆっくり楽しんでくださいにゃ」みたいなことを言って戻っていく。

それを見て母は「うん、おおきに」と猫ロボットにお礼を言う。
その気持ちは大いに分かるし、僕も言っている。

これが人間だと、受け取りに協力する人も、運んでもらった後に礼を言う人も格段に減るのではないだろうか。
(私は進んで皿の場所を空けるしお礼も言いますよ。名誉のために)

データで見たことはないのですが、人間が運ぶよりお客さんの満足度が高くなってるのではないでしょうか。
猫の時給は100円台という画像も見たことがあるので、お店にとっても満足度は上がっているのではないでしょうか。


冒頭に戻る。
券売機の「お金を入れてください」
人間だったら揉めるかもしれない直接的なもの言いも、機械を通すことで違和感なくやり取りできる。

ただ、僕みたいにツッコみたくなる人間はその言い方が気になってしまう。

でも、もし券売機が猫型で「お金を入れて欲しいにゃ」と言われたらどうか。
おそらくその可愛らしさに頬が緩むだろうし、思わず1枚多くお札を入れるかもしれない。(これで美味しいものでも食べてくれ)


人間と機械の共存がすでに大きな課題になっていますが、その答えの一つが「猫化(動物化)」でしょう。

対話型のサービスやデバイスが増えてきています。
それは人間の課題を解消し、生活の速度を上げ、よりお金を使わせるようになるのでしょう

そんな時、気前よくお金を使わせるデザインとして使われるツートップが猫と犬でしょう。
その気持ちはよく分かります。

猫や犬のロボットを通して人間の笑顔が増え、無駄な衝突が減り、優しい人が増える。
人間同士の関係も改善されて、連携が強まり新たな技術や文脈が生まれる。
優しい世界に一歩近づく。

そんな風になればいいなと、券売機の「お金を入れてください」を前に思う今日この頃。


ただ一つ伝えたい。

本物の猫や犬の可愛さはそんなもんじゃねえぞ!


犬と猫と暮らしてきたモリワキ


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モリワキ
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