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Maison book girl - Solitude HOTEL ∞Fのライブレポのようなもの

◆はじめに
Maison book girlのSolitude HOTEL ∞F @LINE CUBE SHIBUYAから2日経ち、仕事初めから2日経った今もなお、思考の大半がこの日のことで埋め尽くされている。
誰かに見てほしいというよりも、このよくわからない感情を出来るだけそのままの状態でどこかへ置いておきたいと思ったので、見たもの感じたものを主観でつらつら書きます。
考察は苦手なので得意な人におまかせします。考察読みたい。

簡潔かつ的確なレポートが良い人はナタリー様のライブレポを読んだ方がいいのでそちらを。
セットリストも写真もナタリー様より拝借。ありがたい。

Apple Musicでプレイリストも作っておいたのでお好きに。
多分海辺にてが終わるぐらいで読み終わる。

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◆開場〜開演まで
会場に入るとまだ始まってもいないのに会場内全体にもやが掛かっていて笑った。どこか安心した。
幕に投影されたSolitude HOTEL ∞Fの文字。
もやのせいで文字がぼやけてるのかと思ったが近くで見ると二つのフォントを透過度を変えて重ねて投影していた。面白い。

umblaのEPを思い出した、本影(umbra)と半影(Penumbra)。詳しくはウィキ見て
SolitudeHOTEL(以後SH)の客入れBGMはサクライさんの新作instで毎回楽しみな部分、今回はストリングス1本と環境音のアンビエント、だった気がする。めっちゃいいのに毎回本編の情報量が多すぎて吹っ飛んでしまうのくやしい。
ちなみに今回は10列目下手中央寄りの座席。近くもなく遠くもなく良い感じ。
開演時間を(体感)10分ぐらい過ぎて客電が落ちる。

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◆SE.風の脚~06.長い夜が明けて まで
SE. 風の脚
心地よいピアノとともに幕が開く、大きすぎず小さすぎないスクリーンへ映し出される海の波。
めっちゃ緊張してきた。

01. 海辺にて
イントロのハイハットの出音がめちゃくちゃ良くて、まだメンバー出てきてないのにテンション爆上がりするオーディオオタク。
歌い出しは推しである矢川パート、ちょい走り気味で緊張が伝わって来て観てるこっちの緊張が倍増してきた。
次のコショパートの後にベースIN、低音の出方も完璧で今日一日が素晴らしい日になることを確信した。
(後に聞くと3階とか1階の奥は天井が近いせいかベースが回ってしまってたらしくホールの音響ってめっちゃ難しいよなぁと思った。)
メンバーどうやって出てくるんだろ~と思ってたところで真上からスポットライトが差し海の映像のままスクリーンが透過、メンバーが薄ら見えた瞬間の高揚感で自然と涙が出てきた。
真上からのスポットライトの具合で透過度が変わって見えて、めちゃくちゃ美しくて格好良くて、今回のナタリー様のライブフォトはこの写真が一番好き。ナイスけんち
曲が終わり、誰も拍手出来なかった。わかる。凄まじい緊張感だった。

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やばい1曲ずつこんなに書いてたら終わらん、なるべく簡潔に書くぞ。

02. 闇色の朝
MVがスクリーンへ映し出される。メンバーは変わらずずっとスクリーンの奥。
MVと同様に曲が止まり照明も暗転、メンバーが前に出てきてcloudy ironyサビの様な前蹴り一発で曲が再開。ここめちゃ痺れた…
間奏のスクリーンをはみ出しての無数の緑の光の粒が、スクリーン付近ばかり見てたのもあってステージの広さ奥行きにハッとする。

ここまで実質息してなかった自信ある。緊張で。

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03. rooms
スクリーンを背にしていつものrooms、かと思いきや昔Amazonイベでやったブレイク可変rooms。やっぱりこの仕掛けはニヤける。
またやらないかなーと思ってたので嬉しかった。

通常rooms、ブレイク可変roomsの他にもrooms_、逆rooms、瞬間移動roomsがあるので、Maison book girl検定があったら絶対に問題として出てくるので覚えておくと良いです。

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04. 狭い物語
スクリーンが頭上まで上がって赤く染まる。ただいつものMVの赤い空じゃない。
なんの映像?と思いながら見てたら背景、人物、全ての輪郭が燃えてるブクガのライブ映像っぽかった。衣装のフォルム的に1stワンマンかなと思った。
あと、後半で座る振り付けに変わってた。この振りいいなぁ、着座のホールならでは。
落ちサビの矢川ソロ、いつ聞いても心が震えるんだけどこの日は特別だった。宝物みたいな落ちサビ。そこからのラスサビは全員倒れるように横になり振り絞るように唄っていて文字通り絶唱でまた涙が。
ベッドも扉も過去の自分たちさえも燃やして彼女たちは進む。

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05. 夢
全員倒れた状態から矢川→和田のアカペラで始まる夢。個人的にこの曲がめちゃくちゃ好きなのでグッときた最高。
ただずーっとここまで緊張感MAXだったので細かい部分の記憶曖昧になってきたやばいどうしよう

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06. 長い夜が明けて
緊張感MAXの状態でさらにこの曲は本当に死ぬかと思った。
そんな観客のことはいざ知らず、和田の歌い出しでまた涙腺が緩む。メンバーそれぞれのベストの長い夜が明けてだった、気がする。めちゃくちゃ良かったことだけ覚えてる。
この曲が終わってメンバーが一度ハケて、夕日のような朝日の映像が後ろのスクリーン大に映し出される。夜が明けた。


ここまで、おそらく運営側も拍手無しで進むとは思ってなかったはずで、曲間にちゃんと拍手を受ける間があったけど観客誰一人拍手が出来なかったことでその間が無音になってしまって、メンバーの気迫も相まって緊張感が凄まじいパートだった。


◆07.LandmarK~10.mycut まで
07. LandmarK
メンバーが戻ってきてLandmarK。
Corneliusを彷彿とさせるポップなイントロで明らかに空気感が変わった。多分あの調子で進んでたら緊張で何人か死んでたと思うので恵みのLandmarKだった。
今回のアルバムのようにポップな外向きのブクガのパートのはじまり

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08. 鯨工場
この辺で照明が下に降りてきた、気がする。ライブハウスみを感じる演出。
ライブ感を出す為?か多分BPMがちょっと早かった。緊張のせい?いや、絶対BPM3ぐらい早かった。

あと07〜以降、拍手を受ける間を潰して曲間を最小にして繋いでたはず。現場の適応力凄い!って思った。心の中で拍手してた。
チームブクガが推せるポイント。

09. ノーワンダーランド
リリイベでは井上の振り付け講座があったノーワンダーランド。
1サビで井上がみんなが振りコピできるように前に出てきてて思わず笑顔になった。
この日の為の振り付け講座だったみたいだけど、06までの緊張感は緩んだとは言えまだまだあり、振りコピ出来ずじっと観てた。ごめん。
自分の前の方はあまりやってる人見当たらなかったけど、真ん中の方では結構ちゃんとしてたらしく良かった。みんなえらい。

10. my cut
イントロが鳴った瞬間周りがざわつく。僕自身も正直めちゃくちゃびっくりした。もう一生やらないんじゃないかとすら思ってた。
ただSHらしくは無いな〜と思いながら観てたら1サビ終わりあたりで曲がブツブツと途切れだし最終的にホワイトノイズに。
これだよこれー!って思って感心した。

感心と同時にポップパート終わるなって覚悟もした。


◆11.MORE PAST〜19.悲しみの子供たち まで
11. MORE PAST
ノイズから始まるMORE PAST、透過のスクリーン裏で歌うMORE PASTはいつもより優しく聞こえた。
書いてて思ったけど全てが見え過ぎない方が好きなんだな僕は。

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12. レインコートと首の無い鳥
イントロと共に下まで降りてたスクリーンが再度上昇しメンバーの首の位置に。首がない鳥。
以前のOHPを使ったリキッドライティングとても好きな演出だったんだけど今回は無し。
でもシンプルな照明でも全く迫力が落ちること無く魅せられるようになったのはひとえにメンバーの歌・ダンスのレベルが格段に上がったからですね。素晴らしい。

そして曲途中で例のペストマスクを付けた人が。
my cut→MORE PASTの流れやペストマスク(過去の自分?)の登場で生まれる違和感は更に強くなる。

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13. karma(cloudy ironyバージョン)
karmaという曲はブクガを文字通り支えてきた曲で、SH(特に4Fで)ではライブ展開のキーになることが多い曲。
この日のkarmaは知ってるようで知らない、違和感の塊みたいなkarma。
メジャーデビュー曲であるcloudy ironyの歌詞と振りで再構築されたkarma。
過去の大事な曲同士で作り出された大きな違和感。

ここで、この公演で初めて思わず出てしまったと思われる拍手がぱらぱらと聞こえた、その気持ちめっちゃわかる、拍手しそうになった。(別にしていい)

14. water
そんな違和感を残したまま矢川以外のメンバーはステージからハケ、ポエトリー無しのwaterでスポットライトを浴びてメンバーが替わる替わるコンテンポラリーダンス。
違和感を中和するように神々しく、一生観ていられるなと思った。

戻ってきたメンバーは一つ前の白衣装に。

15. シルエット
揃った4人が少しずつ前に出てくるにつれ、スクリーン大へ影が映され徐々に大きくなる。
ただ単純にメンバーの大きな影、ではなく不自然なまでに細く大きな影はエヴァの使徒に見えた。
使徒の名前はいろいろな天使に由来してるのであながち間違いでもないのかもね。

不自然な影の見え方は本影(umbra)と半影を上手く作り出して見せてるんだと思う。とても不気味でとても綺麗なシルエットだった。

huezさんいつもほんとすごい。この空間演出ユニットhuezの『Solitude HOTEL』作り方解説みんな読んだ?読んだほうが良いよ。

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16. 思い出くん
矢川・和田・井上3人のポエトリーリーディングに合わせてコショージのコンテンポラリーダンス
この日のコショは最初からキレッキレだったけど、彼女の推しである平手友梨奈さんが乗り移ったように見えた。
陳腐な言い回ししかできないのが悲しいけど、本当に神がかってた。
あと個人的に好きなのが最後の井上の「またいつか」。歌だけじゃなくポエトリーリーディングもみんなうまくなったなぁ。

もう一度みたい曲第1位かも。ぢりりりり

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17. ランドリー
スクリーンにてMVをベースにイラストと写真(映像?)の素材をマッシュアップした映像を流してた、はず。MVそのままではなかった、はず。多分。
ブクガなりのR&B、さっきまでの違和感無くとても新鮮な気持ちで観られた。

この曲、トラックはブクガの曲では珍しく結構ハネてるから歌のリズム感がより重要で、歌が少しでもモタると格好良く聞こえない難しい曲だと思うんだけど、サビの4人のユニゾンがとても心地よかった。
聞き入ってて違和感とんだな~って思ってた。

18. bath room
イントロのクラップが、おかしい。逆再生。違和感。
スクリーン大へ森の中の映像が投影、見慣れたMVの映像、かと思うとやはり違和感、森の中に少女たちの姿はない。
スクリーンが降りてくる。右の1/3ほどが消灯している。違和感。
1サビまでは普通に進んだと思いきや少しずつBPMが落ちてくる。違和感。
やがて曲が壊れてしまった。

メンバーがハケていき、コショージの君を見ていた!という叫びと、和田の見たくなかった!の叫びが聞こえる。
過去の自分たちと対峙し葛藤しもがいているようだった。
そしてひとりずつステージへ戻ってくる。直ぐに違和感に気づいた。血だらけだ。
海辺にてのMVにもあるように、過去の自分を殺した返り血だろうか。

19. 悲しみの子供たち
karma同様、今後ライブでのキーとなる局だろうとは想像していた。
血だらけの彼女たちが歌い踊る様は狂気に満ち満ちていて、スクリーンには子供たちのイラストが幾何学的にサイケデリックに描かれていた。狂気以外の何物でもない。
曲中に「仮面の中で笑っていた黒い人」というコショージパートがあるが、そこを叫ぶように歌い上げたその表情は不気味に笑っていて、どこまで行くんだこの人は、と思った。
曲が終わると同時にスクリーンに映し出されたSolitude HOTEL ∞Fの文字を見て号泣。ここで最初で最後の盛大な拍手。
一礼して何も言わず去っていくメンバーが本当にカッコよくて、最後にコショージがひとこと「ありがとう」と呟いたのが唯一のMCだった。
ミッシェルガンエレファントのラストライブのアベフトシを思い出した。わかる人はわかる。

会場全体の割れんばかりの拍手がとても心地よくて、このままずっと拍手してたいなと思った。拍手をやめたらSH8Fが終わるから。

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◆終演後
スクリーンに映し出されたのはこの春にベストアルバム「Fiction」が出るという発表だった。
正直ベストなんてブクガらしくないな、と思ったけど、ポニーキャニオンに移ってちょうど2年のタイミングでのベストアルバムなのでまぁ。
旧曲の再録は当然としても、普通のベストアルバムなんて出さないよね?短い期間で大変だと思うけど、期待してます。

◆最後に
毎回SHはあまりの情報量に圧倒され、思考停止してただただ享受するのみになるけど、後から「あの演出はあれに繋がっているんだろうな」とか「こういう意図かな」とか考察出来る部分がいくつもあって、ブクガのライブは観劇に近いと揶揄される大きな要因の一つであり、ブクガの面白いところの一つだと思う。
アイドルやバンドは勿論誰にも真似出来ない、唯一無二のステージを魅せてくれるMaison book girlに盛大な拍手を、愛を込めて。
これからもどこまでもついていきます。



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