今注目の二地域居住についてご紹介します!!
都市部と地方部に2つの拠点をもち、定期的に都市部で仕事をしたり、地方部でのんびり過ごしたりする新しいライフスタイルの1つである「二地域居住」が最近注目されていることをご存知でしょうか。今回は、国土交通省が促進する「二地域居住」についてご紹介します。
■二地域居住(法律上は「特定居住」)の定義について
まず、「二地域居住」とは何を指すのかご説明いたします。2024年11月1日施行の広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正広域的地域活性化法」という。)では、「特定居住」を定義し、これを「当該地域外に住所を有する者が定期的な滞在のため当該地域内に居所を定めること」としております。
国土交通省では、地方移住や二地域居住等のニーズの高まりを踏まえ、魅力的な地域づくりを推進することを掲げた、「第三次国土形成計画」(2023年7月閣議決定)を実装させ、地方への人の流れの創出・拡大を図るために上述の法改正を行ったところです。
■二地域居住等の定義
二地域居住の促進は、社会においても、個人においても様々な意義、メリット、可能性が存在します。実践する個人にとっては、地方での豊かな自然・田舎暮らし、仕事・生活環境、趣味、自己実現、地域での社会参画・協働、ふるさと回帰等、多様なライフスタイルを実現する手段となります。
一方、社会的な意義としては、地方への人の流れを生み、地域の担い手の確保や消費等の需要創出、新たなビジネスや雇用創出、関係人口の創出・拡大等に寄与し、東京一極集中の是正や地方創生に資すること等が挙げられます。これは都市部にとっても過密を避けつつ、国土全体の多様な自然資本・文化資本を活用し、国際競争力のさらなる強化が望まれるものです。
また、二地域居住等の拠点は、災害時等のリスク回避のための避難先として活用することもできることから、冗長性(リダンダンシー)の確保にも資する性格を持っています。
■事例紹介
二地域居住を促進するに当たり、課題の一つとして二地域居住先の住まいの問題があげられます。この問題に対して、北海道北見市では、既存の空き家や空きオフィスを活用し、都市部の企業や個人・家族が中長期滞在可能な環境の整備する取組を行っています。
■今後の二地域居住等の促進について
改正広域的地域活性化法では、地方への人の流れの創出・拡大を図るために、新たに市町村計画制度や法人制度、協議会制度等を規定したところです。新しく創設した制度の詳細の内容は併せて掲載する図をご確認いただきたく思いますが、引き続き、官民が連携したモデル事業への支援のほか、官民のマッチングや各種課題の検証・議論等を行うための官民連携プラットフォーム(下掲)の機能強化等への支援を通して、二地域居住等の促進に取り組んでまいります。
■全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム
官民の連携により二地域居住を促進していくため、従前の「全国二地域居住等促進協議会」が発展的に改組した「全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム」が2024年10月29日に設立されました。
このプラットフォームは、官民のマッチングをはじめ、地域居住の促進に係る様々な施策や事例等の情報の交換・発信や、二地域居住を促進する上での課題の整理、対応策の検討・提言等をすることとしています。
上記ご紹介したプラットフォームのキックオフイベント及び設立記念シンポジウムを10月29日に行いました。キックオフイベントには会場201人、オンライン638人の申込があり、パネルトークや来場者の名刺交換・交流をとおして大変盛り上がりました。