【MLB】~結果発表~「2024年殿堂入り模擬投票企画」
いつもMLB30球団ファン合同noteをご覧頂きありがとうございます。
11月22日~26日にて実施した「2024年殿堂入り模擬投票企画」においては、note企画の担当者のみならず、多くの読者の皆さまにもご参加をいただきました!まずは企画を盛り上げていただけたことに御礼申し上げます。
最終的に「①note担当者 22名」および「②読者の皆さま 49名」による計71名から投票をいただき、とても見応えのある結果となりました!まずはそれぞれの投票結果を見ていきます。
①合同note企画担当者の投票内訳(22人)
担当者22名による投票において、殿堂入りのボーダーである75.0%を上回ったのがAdrian BeltreとAndruw Jonesの2名。特にAdrian Beltreは大方の予想どおり、90%台後半の数値に位置するなどあわや満票の結果に。イサシキさん(CHC)「頭ひとつ抜けているのはBeltreでしょう。もう語ることも無い堂々のHOFです」、つかみ男さん(SD)「Beltreは文句無し」、ARAさん(COL)「一発殿堂は堅いでしょう」といったコメントからも、Beltreが残した偉大なキャリアが裏打ちされています。
そして今回最大のサプライズはAndrew Jonesが17票を得て77.3%の得票率を記録したことでしょうか。楽天イーグルス時代には鳴りを潜めていたものの、圧倒的なセンター守備はMLB歴代でも指折りのもの。Eurofighterさん(HOU)「守備がうまいイメージの選手を挙げてみました」との構想ではJonesが筆頭候補であったかと思います。
また、今回70%台にすら到達できなかったトップランナーとしてはTodd Heltonの名前が挙がります。助手(NYY)「Heltonは常々殿堂入りすべきと言ってきたのでとくに無し」との評価がある一方で、Heltonに投票したARAさん(COL)の「Heltonはクアーズに加え飲酒運転×2が最近過ぎるのが辛く、またもギリギリ達成ならずと予想します」といった総括どおりの結果に終始。
こちらも初登場となったJoe MauerはBilly Wagnerと同じ得票数を得て堂々の過半数超え。イサシキさん(CHC)の「実績は勿論、Mauerの全盛期が、強いツインズの象徴として重なるので投票」とのコメントだけで、ストライプ基調のユニフォームを纏った彼の姿が脳裏に浮かびます。
36.4%と決して高い数値ではないものの、Bobby Abreuにはつかみ男さん(SD)「6球団を渡り歩いたからか印象が薄い2,470安打のAbreuにもう少し脚光が当たっても良い気がした」、ペンさん(PHI)「年々殿堂入りすべきというスタンスに傾いています」、あおいちさん(MIA)「昨年の受賞者を見て、BuehrleやAbureuのような選手も評価してほしいなと思って入れました」などといった厚い支持も見られました。
そして積年、この企画最大の争点として挙がっている禁止薬物使用者へのジャッジメントも様々です。Manny Ramirez、Alex Rodriguez、Gary Sheffieldらが4票(18.2%)で横並びとなっていることからも分かるように、それぞれが確固たる意志の下で投票に臨んだ箇所になると思います。ペンさん(PHI)「罰則のルールが決まってからも選手時代に罰則を受けているのにさらに投票者の考えで裁くべきではない」という意見もあれば、つかみ男さん(SD)「Barry Bonds落選を受け、個人的な見解とは異なるがPED違反及び疑惑選手を選ばない一貫性を保つことにした」といった前例を踏まえたご意見、助手(NYY)「争点の禁止薬物に関しては、一人一人の事例を細かく勘案しても許容できるものではない」、イサシキさん(CHC)「今年も薬物関係において黒い方々は投票しない姿勢を貫くことにしました」といったコメントもありました。
見解が割れたという点でいえばやはりCarlos Beltranについても避けては通れません。イサシキさん(CHC)「彼の犯した過ちは到底許されるものではありませんが、それが選手時代の功績にケチをつけるものになるとは思いません」、つかみ男さん(SD)「サイン盗み事件に関わらなければ選んでいた」、あおいちさん(MIA)「アストロズも社会的地位が回復したのは17年以降も強さをきちんと発揮しているからで、Beltranは汚名返上する機会がなかったのかなと。少なくとも今は時期尚早な気がしました」と、厳しい航海はまだまだ続きそうです。
最後に、テルチカさん(SD)「在籍期間も5年と短いが、チーム左打者最多HRなど間違いなくパドレスに多大なる貢献をしたAdrian Gonzalezは一ファンとして選ばれて欲しい思いが強い」や中山善貴さん(CIN)「私が小学生の時によく見ていた選手を選んでいます。なのでほとんどが個人的な好みです」といったご意見もあり、”記録よりも記憶に残る選手”という観点から投票された担当者の方もいらっしゃいました。WARなどの総合的な指標も勿論大事な観点であるものの、その根源にあるのはこういった野球愛なのだと改めて感じます。
②読者の皆さまからの投票内訳(49人)
過去最多となる49名の一般参加が実現したことで、非常に見応えのある結果となっています。まず、①と同様にAdrian Beltreが89.8%の支持を受けてボーダーを突破。あまりにも強大なBeltreについては”争点”にすらならず、特段コメントを加えた方も少なかった印象で、Ta7さん(CWSファン)「Beltreは実績から文句なし」と、こちらも彼の実績を裏打ちするに留まりました。
やはりここでも大論争を呼んでいるのが禁止薬物使用者への評価でしょうか。こちらについては言及されている方が非常に多いものの、紹介していきます。
・イソ福さん(LAAファン)「A-RODはステロイドをしてしまったので選考してません」
・あかさん(SFファン)「Ramirezは薬物関連で殿堂入りはきついと言われていますが彼は『NYYが勝つのは飽きた』と言ってBOSに入団したことや、MLBのキャリア終了後今よりマイナーだった台湾や高知に行ったりとこのレベルの成績を残した選手が行くようなところじゃないレベルに『野球したいから』という理由で入団するマインドが好きなので候補に入れました」
・しみずけいやさん(SDファン)「ステロイド、サイン盗みもその選手のキャリアの負の側面だが残した実績自体は本物であり記録が抹消されていないのであれば殿堂入りを認めても良いのではないかと思う」
・真ん中に犬がさん(NYYファン)「A-RODは薬物問題あれど実績は申し分ないので殿堂入りすべきだと思います」
・村田洋輔さん(MLB.jp編集長・本企画前代表)「ステロイド問題についてはMLB機構から公式な処分を受けていなければOKというスタンス」
・サンロク坊主さん(LADファン)「薬物選手及びトラブルメイカーはだめです」
・まさん(CHCファン)「ドーピング、ラフプレー、チーター反対です!!」
・ぞうすいはよいぞさん(OAKファン)「まず薬物使用者を除外しました、そこでA-RodやSheffieldは私の投票では対象に入らなくなります」
・Rさん(TORファン)「薬物使用とは縁がなく、かつ活躍した選手を選びました!」
・ろーれんさん「大前提としてステロイドに関連のある選手には投票しませんでした」
このような多種多様な意見によって、禁止薬物使用者の得票率はどのようになったかというとAlex Rodriguez(32.7%)、Manny Ramirez(28.6%)、Bartolo Colon & Gary Sheffield(16.3%)といった全体の1/3以下の数字に留まっていました。コメントはされていないものの、2年前にBarry Bondsらが殿堂入りできなかったことは遠因になっているのかもしれません。スモールサンプルであるものの、A-RODなどはnote担当者の得票率とやや数値が乖離している点も興味深いですよね。
一方で、Carlos Beltranについてはnote担当者同様に30%台に停滞するなど、こちらも厳しい評価に。ただ、ぞうすいはよいぞさん(OAKファン)「そこまで罰則を強くするべきだと思いませんでした。少なくとも他にも”やってる”チームがあったように示唆されたためです」といった意見には一定の説得力がありました。
また、自身の選考基準についても触れてくださった方もいましたので一部紹介します。
・ろーれんさん「主にWARを重視しつつ、アワードやピークパフォーマンスなど様々な要素を検討しながら投票しました」
・村田洋輔さん(MLB.jp編集長・本企画前代表)「過去の殿堂入り選手との相対評価(誰々が殿堂入りしているからこの選手も~)はせず、あくまでも絶対評価で考えました」
・イソ福さん(LAAファン)「打者ならOPS投手ならWHIPを注視して見ることが多いので数値の良い選手を挙げています」
その他では
・ミミマルさん(BOSファン)「BOSを贔屓にしているのなら、Manny Ramirezは入って欲しい」
・Andyさん(NYYファン)「Pettitteは完全にファンなのでいれました」
・nate riverさん(PHIファン)「(Mauerについて)捕手というポジションが好きだからです」
といった、選手愛を感じる素敵なコメントも頂きました。
③担当者&読者による合算の投票内訳(71人)
①note担当者、②読者の皆さまによる投票結果を合算。2024年における殿堂入り模擬投票企画において殿堂入りを果たしたのは”Adrian Beltre”ただ一人という結果になりました!担当者投票ではボーダーを超えていたAndrew Jonesは残念ながら71.8%とあと一歩及ばず…!また、Joe Mauerは非常に高い支持を受けて初年度にも関わらず60%台の大台に到達しています。
何度も言及しているとおり、やはりAlex Rodriguezを筆頭とした禁止薬物使用者に関する評価の割れ方が本企画の醍醐味となっており、「ステロイド時代の遺産」はこれからも殿堂入り投票に影響を与え続けそうな気がします。
恐らく来年度も実施される当企画ですが、より多くの投票を期待したいですね。言わずものがな、我らがIchiroが遂に殿堂入り候補者として登場することになり、本邦における熱量もひとしお。その”Ichiro HoF”を押し上げる台風の目として、2025年の殿堂入り模擬投票企画が先頭に立てればと思っています。
今回投票してくださった読者のみなさま、いつも読んでくださっているMLBファンのみなさまにおかれましては、是非来年もご参加のほどお待ちしております!!
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