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【MIA】2022年のオフシーズン
投稿に時間が空いてしまいましたが、22年のマーリンズのオフシーズンについて語りたいと思います。
昨年のオフシーズンの記事と同様、非常に長い記事になってしまったため、まとめ版を作成しました。読むのが面倒な人はこの図だけ見てくれたら概要がわかるかなと思います。
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22年シーズンの総括
まずは22年シーズンのマーリンズの成績を振り返ります。
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2022年は69勝93敗で4位でした。4月終了時点では7連勝もあり12勝8敗。
今年はもしかして…と期待させてくれたのですが終わってみれば上位3チームに大きく差をつけられてしまいました。
各指標を見てみると、低迷の原因は明らかに打撃陣です。多くの指標がリーグ最下位レベルでした。
そして、タレントの揃う先発に対し、救援陣が崩れ気味だった点も見逃せません。これらについて、少し掘り下げてみます。
①深刻な打力不足
21年終了時点からすでに打撃陣の底上げが課題となっていたマーリンズは4年5300万ドルでAvisail Garciaを、3年4000万ドルでJorge Solerを獲得しました。ポジションとして穴になっていたセンターを埋めることはできませんでしたが、Jesus Sanchezを起用する方針で開幕を迎えることとなりました。
しかし結果としては散々たるものに。Garciaは98試合で.224/.266/.317でOPS.582。期待された本塁打も8本で、終盤はベンチスタートも多くありました。Solerも72試合で.207/.295/.400でOPS.695。こちらも本塁打は13本にとどまりました。7/23を最後に故障者リスト入りし、そのままシーズン終了となりました。
Sanchezも一時期待を見せる活躍を見せるもシーズンを通しては低調でマイナーで過ごす期間も短くありませんでしたし、トレードで獲得したJoey Wendleも期待したような成績とはなりませんでした。
打撃低調の要因は彼らにとどまらず、他の選手の不振ももちろん関係あります。チーム全体としてコイツなら打ってくれる…という選手がいないまま、シーズンを終えることとなりました。
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②救援陣の崩壊
満票でサイヤング賞を受賞したSandy Alcantara、1年通してローテを守り、180イニングを投げたPablo Lopez、怪我さえなければ主力として活躍できそうなJesus Luzardo、Edward Cabreraと、先発投手陣は防御率リーグ4位と結果を残し、かつ未来への期待も抱かせてくれました。
その一方で、リリーフ陣は残念な結果となりました。救援防御率がリーグ10位と低調なことに加え、何よりも点差を守り切れないシーンが多くあり、実際にリード・同点で登板し、追いつかれた・勝ち越しを許した回数(Blown Save)は29とリーグ2位タイ。指標以上にネガティブな印象を受けたシーズンです。
守護神として期待されたAnthony Benderは不振に加え怪我による長期離脱、BB/9が6.61と、息をするように四球を出すため安心してみていられなかったクローザーのTanner Scottをはじめ、そもそも頭数がたりないこともあり、先発投手が降板した後は不安しかありませんでした。
また、終戦モードとなったトレードデッドライン付近では、好成績を収めていたAnthony Bassと、Zach PopをTORへトレードし、台所事情はさらに厳しくなりました。
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③怪我人の多発
まあ今年はとにかくけが人が多かった。只でさえ層の薄いロースターでありながら、主力選手の相次ぐ怪我に悩まされた1年でした。
野手ではJazz Chisholm Jr.がオールスターに選ばれるものの7月以降は欠場、上述のSolerも7/23以降欠場、盗塁王を獲得したJon Bertiも6月半ばから2か月欠場。そのほか、主力選手も長期離脱はなくとも、短期IL入りを多くしていました。
投手でもLuzardoとBenderが2か月半欠場(Benderは最終的にTJ手術)、期待してMLBデビューしたMax Mayerは登板2試合目で負傷降板、TJ手術を行うなどありました。
①打撃低調②リリーフ崩壊の原因の根本はここにあると思います。特にChisolm Jr.は打撃陣の中の唯一の希望のように感じていたので残念でなりません。
ここまで怪我が多いとチームのメディカルスタッフは本当に大丈夫なのか?と疑いたくなるレベルです。
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22年オフの補強ポイント
同地区のNYM、ATL、PHIが積極的な補強で盤石な体制を整える中、メジャー全体でもFA選手の大型契約が多く成立しており、スモールマーケットのマーリンズが何をすべきかを考えました。
①打てる1B、3Bの獲得
現状のままですと1BはGarrett Cooper、3BはJoey Wendleで開幕を迎えることになります。Cooperはオールスターに選出されるなど飛躍の年となりましたが、シーズン後半は調子を落としていきました。ケースバッティングはできるものの、9本塁打、OPS.752は1Bとしては少々破壊力に欠けており、彼の場合はなんといっても怪我のリスクが常に付きまとうので、もう1人打てる1Bがいると大きく変わるのかなと思います。
Wendleも今年は打撃面で不振に終わってしまい、バウンスバックが期待できるものの、彼のユーティリティ性を考えると3B固定はちょっともったいない気もします。
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②チームのコアとなるCFの獲得
昨年から続いている課題ですが、CFの穴は埋まっていません。今季開幕はSanchezをCFにして戦ったのですが、上述の通り振るわず。
今シーズンは引き続きSanchezの奮起に期待するか、終盤1か月で結果を出したBryan De La Cruzがセンターを守ることになりそうです。
特にDe La Cruzは平均レベルながらセンターを守ることはできる為、終盤と同等の打棒を披露することが出来たらこの問題は解決するかもしれません。
しかし、競合球団に食らいつき、勝ち上がる為にはグレードアップが必要なポジションであることも事実です。その点でコアとなるような選手の獲得は今季も引き続き重要なポイントです。
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③ある程度実績のあるリリーフ投手の獲得
現状、ある程度安心できるのはDylan Floro、Steven Okertくらいでしょうか。時点でRichard Bleierですが、個人的には21年ほどの安定感を感じられませんでした。
ある程度勝ち上がっていくにはもう1枚、2枚ほど安心できるリリーフが欲しいところです。Okert、Bleierに加えてScottと左腕が多いので右の剛腕タイプが出来ればほしいところです。
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ここまでの補強実績
現時点での今季のMarlinsの主な補強は以下の通りです。
Chi Chi Gonzalez(SP)
Garrett Hampson(OF)
JT Chargois(RP)
Jake Mangum(OF)
はい、ほぼ補強はゼロに等しい状態です。
Chi Chi GonzalezとGarrett Hampsonはマイナー契約で、万が一の時のオプションに近いでしょう。TBから獲得したJT Chargoisもまだ実績という点では乏しいかなと思います。
最初に述べた通り、スモールマーケットのマーリンズなので、動きたくても大きく動けないのが現状です。
実際、CWSをFAとなっていたJose AbreuやJosh Bellをはじめ、主要なFA選手の獲得を検討はしていたようです。この動き自体は間違っていないと思いますし、規模の違いという現実を突きつけられている感じがします。
Jean Segura獲得!!!
…と思っていたら、本日飛び込んできたニュースがこちらです。
The Miami Marlins are signing Jean Segura to a 2-year deal, per @hgomez27 pic.twitter.com/RZjw6tF28r
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) December 29, 2022
フィリーズからFAとなっていたJean Seguraと2年17万ドル契約したとのことです。
2016年にARIへ移籍以降7年間でOPS+100超えが6度と、安定した成績を残してくれる選手です。そして何より、昨年のワールドシリーズを戦った経験をチームに共有してほしいと思います。
そしてSegura獲得したことで最初に思ったことは、彼がどこを守るかということ。デビュー当初はSSでしたが、この2年は主に2Bを守っていて、補強ポイントに挙げていた3Bは2020年に24試合を守ったのみとなっています。
仮に3Bを守らない(守れない)のであれば、2BもしくはSSとなりますが、現状2BにはChisolm Jr.、SSにはRojasがいます。そうなるとSeguraもしくはChisolm Jr.のどちらかがSSを守り、RojasがUTとなることが考えられます。
また、現状UTポジションとしてCharles Leblanc、Berti、昨年終盤にデビューしたJordan Groshansもいます。Seguraの獲得により、Wendle、RojasがUT枠に入ると考えるとダブついてくることになるので、彼らをトレードに出すことも考えられます。(WendleはBOSが興味を示しているようです)
Rojasは(アンオフィシャルとはなっていますが)チームリーダーでもあり、若手の多いチームの中で重要な役割を果たしていると思うので、できれば出しては欲しくないですね…
【追記】
Seguraは恐らく3Bを守ることになりそうです。
今後の補強ポイント
①FAの1B、3Bを短年契約で獲得
大型契約を結ぶのが難しいマーリンズですが、引き続き1B、3Bの選手を探すことになるでしょう。3BはSegura獲得によりオプションが増した感じがあるので、どちらかというとCooperとのプラトーン・代わりとなるような強打の1Bが優先順位高めだと思われます。
現時点の市場で言うとTrey Mancini、Brandon Belt、Luke Voit。3Bの場合はEvan Longoriaが考えられるのではないでしょうか。全盛期ほどの活躍が見込めない選手でもある程度の活躍ができたら儲けもので、仮にチームが終戦モードに入った場合でもTDLで売り込むことができるでしょう。Manciniはそんなに格安でとれるとも思えないので難しいかもですが。
②トレードで数年保有可能なCF獲得
De La Cruz、Sanchezでは不安の残るCFを埋めるコアの選手として、昨年から候補に挙がっているのはCedric MullinsとBryan Reynoldsです。Reynoldsは本人から放出してほしい意志を示しているようですが、PITの求める見返りは非常に大きいことから、トレードの成立は難しそうです。
この二人以外だと、攻撃力という点では劣りますが、Micheal A. Taylorのような選手がいると、本職がいないポジションなのでチームの底上げにはなります。
その他、現状の補完という意味で、Adam EngelやAdam Duvallと単年契約を結ぶのもありかもしれません。
③FAのRPを単年で獲得
リリーフ陣の地味な活躍が目立った21年もそうでしたが、近年は基本的に市場で注目されるようなトッププレイヤーをとることはしていません。お高くないベテランリリーフを獲得し、当たれば儲けもの。チームが低迷したらTDLで売りに出すことが多くありました。
今年も同じような傾向になると思います。具体名で言うと、故障もあり開幕に間に合うかわからないAlex Reyesや、左がまたもや増えてしまいますが結果を残しているAndrew Chafin(個人的にはまだ市場に残っているのがちょっと不思議です)でしょうか。
Segura獲得により余剰となったUTをトレード要員にしての他球団から獲得もありかもしれません。
最後に
ウィンターミーティングの最中、NYポストのJon Heymanより以下のようなツイートがありました。
Marlins won’t listen on Cy Young winner Sandy Alcantara but will listen on “almost anyone” else. So beyond Pablo Lopez they will hear overtures on Luzardo, Cabrera and other starters. Marlins have abundance of arms in market where starters’ values are sky high. Need hitters.
— Jon Heyman (@JonHeyman) December 4, 2022
マーリンズフロントはAlcantara以外の選手に関するトレード話があった場合、話を聞く意向のようです。
打線を強化するためならあらゆる選手を駒にするということだと思いますが、さすがに現在のChisolm Jrを駒に出すことはないでしょうし、Lopez以外でも話がありそうな先発投手も出す、ということでしょう。
また、同地区のチームが積極的な補強で盤石な体制を整える中、勝負期と再建期の間で揺れ動いている状態にあるとフロントも認識しているのでしょう。場合によっては主力を一気に放出することも考えられます。
兎にも角にも他地区と比べてもかなりレベルの高いナ・リーグ東地区。マーリンズが開幕までにどのような動きをするのか注目です。
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<引用画像>
https://apnews.com/article/mlb-sports-miami-colorado-baseball-a63da993a642bab35a6d1c065aeb724c
https://apnews.com/article/mlb-sports-miami-marlins-cincinnati-donovan-solano-1c0fa6c1b144ce1cf4681d2ad1e6b478
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