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【MIA】マーリンズ戦力分析2023 ~野手編~
日本中を熱くさせたWBCも閉幕して約一週間、ついに2023年のMLBが開幕します!!
私が応援しているマイアミマーリンズは初戦からいきなり同地区の強豪、ニューヨークメッツとの戦いになります。非常に手強い相手ですが、いい試合をしてくれることを期待しています。
今回の記事では、そんなマーリンズの野手陣についてご紹介します。
主に開幕ロースターの紹介と、チームの注目ポイントについてまとめてみました。
投手に関しては同じくマーリンズ担当のマイア・ミッシーさんがまとめてくださっているので是非ご覧ください。
今季のロースター及び開幕スタメン予想
今季のマーリンズの予想開幕オーダーは以下の通りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1680183516564-lRYIa0BVb1.png?width=1200)
昨季セカンドを守っていたJazz Chisolm jr.は今季からセンターに、そのセカンドには昨季ア・リーグ首位打者のLuis Arraezが入ります。
Chisolm jr.はST最後の2試合に出場しませんでしたが、開幕には問題なく出場できるでしょう。
ドジャースへMiguel Rojasをトレードしたことで空いたショートはJoey Wendleが、そしてサードには新加入のJean Seguraが入ります。
昨年開幕時のスタメンと比べて、ArraezとSeguraの2人(+Jesus SanchezとBryan De La Cruzの入れ替え)が入っただけですが、打線は強化されたといえるでしょう。
開幕レフトはDe La Cruzとしており、実際彼を優先して起用する意向のようですが、相手の先発投手や二人の状態を見極めてJesus Sanchezとの併用が予想されます。
昨年盗塁王のJon Bertiは貴重なUTであるとともに、先発投手が左腕の場合にはショートでのスタメンの機会もあるでしょう。
そしてJose Iglesiasとの争い(?)に勝ち、最後のロースター枠を奪い取ったのはYuri Gurriel。首位打者を獲得した2021年のような活躍の期待は酷なものの、レギュラーのGarrett Cooperが故障がちなので休養日にはファーストでのスタメンも多くありそうです。ワールドチャンピオンになったその経験はチームにとってプラスになると思います。
また、今季はサード等、内野のバックアップの役割も求めらているようです。
Yuli Gurriel is getting grounders at third, something he had been doing in Jupiter. Same goes for second (and first, of course). #Marlins pic.twitter.com/vEU0mO4Mac
— Christina De Nicola (@CDeNicola13) March 27, 2023
以下、今季の注目ポイントをまとめてみました。
ポイント① Chisolm jr.はセンターの役割を全うできるか
冒頭にも書いた通り、Arraezの加入によりセンターへコンバートとなったChisolm jr.。高い身体能力を誇りますが、センターの経験はありません。STを見ていても、一歩目のスタートを誤った結果センターフライを三塁打にしたり、バックホームが大きく逸れてしまうなと、センター初心者あるあるなプレーが見られました。
しかしこれも経験のうち。徐々に慣れてくれればいいなとは思う一方、チームの敗戦に繋がるようなプレーはできる限り避けてほしいところ。いかに早い段階でセンターのポジションに慣れることができるか、注目です。
↑打球判断の悪さを身体能力でカバーしている感
ポイント②崖っぷちSanchez、飛躍の年になるか
22年の開幕センターを守り、前年に移籍したStaling Marteの穴を埋めることを期待されたSanchez。開幕当初は好調を維持したもののその後は尻すぼみとなり、8月にはマイナー降格も経験しました。
その結果、今季のSanchezにはマイナーオプションがなく、マイナー降格させる場合にはウェーバー公示が必要となります。思うような結果を残せない場合の、球団の判断に注目です。
STでは本塁打はないものの、打率.302、OPS.752。盗塁も3記録しています。当面のライバルはDe La Cruzとなりそうですが、Avisail GarciaやJorge Solerの不要、Chisolm Jr.がセンターに適応できなかった場合は出番が増えるかもしれません。
Jesús Sánchez absolutely crushed a two-run homer to center off Trevor Rogers.
— Christina De Nicola (@CDeNicola13) March 27, 2023
Very encouraging spring for Sánchy, and this was a lefty/lefty matchup. #Marlins pic.twitter.com/4Yv7YMXA1N
↑開幕直前の紅白戦では本塁打を放っており、調子は悪くなさそうです。
ポイント③大型契約の2人は復活できるか
昨年は3年4000万ドルでSoler、4年5300万ドルでGarciaと契約しました。
しかしGarciaは.224/.266/.317でOPS.582、本塁打8本。Solerは.207/.295/.400でOPS.695、本塁打13本。出場試合数もそれぞれ98試合、72試合とファンの期待を大きく裏切る結果となりました。
汚名返上と(恐らく)気合を入れていた二人ですが、STではGarciaが打率.166、OPS.460、Solerは打率.205でOPS.604…開幕が非常に心配です。
(Garciaは最初の4試合で11打数5安打、打率.455だったので今年こそはと思ったのですが…)
成績向上が期待できないわけではありません。今季から守備シフトが禁止されることで、半数以上の打席でシフトを敷かれていた2人は、昨年よりは出塁率が向上するのではないでしょうか(Garcia:65.2%、Soler:87.4%)。
また、Garciaは2年おきに好成績を残すことで有名です。この法則に従えば今季は復調間違いなしです(根拠の薄い楽観的予測)
![](https://assets.st-note.com/img/1680174742763-JA07CXchVR.png?width=1200)
ポイント④つなぐ野球は機能するのか
今季新たに中軸に加わったArraez、Segraはいずれも本塁打よりは安定してヒットを打つことを期待されている選手です。
他の選手を見ても、本塁打の量産が期待できるのは復調した時のGarcia、Soler、そしてChisolmくらいです。
本拠地のローンデポ・パークは長年、投手有利の球場として知られています。2020年にフェンスを前にして本塁打が出やすくした影響か、昨年のパークファクターを見る限りそこまで投手有利というわけではなくなってきています。しかし肝心のチーム本塁打数はリーグ14位。打率もリーグ14位とそもそも低く、この貧打線を何とかしなければといわれていたのですが、今季はいわゆる"つなぐ野球"で得点力アップを狙おうとしていることが伺えます。
彼らにはしっかりとその役割を果たしてもらい、チームを引っ張って行ってもらいたいですね。
ポイント⑤スーパーサブ・Bertiで試合の流れを引き寄せられるか
基本的にベンチプレイヤーとしての立場が期待されているBertiですが、その期待度はスタメン選手以上かもしれません。
まずはユーティリティー性。二塁、三塁を中心に、ショートや外野3ポジションも守ることができます。ここ数年、マーリンズは怪我人が多く出ているのですが、そのような際にどの穴もカバーしてくれる彼の存在は非常に心強いです(Bertiも何度かIL入りしてるけど)。
もう一つ期待できるのが盗塁。意外と知られていないと思いますが、昨年は41盗塁を記録し、ナ・リーグの盗塁王を獲得しています。近年は盗塁が得点に与える影響は小さい(リスクが大きい)為、あまり重視されなくなっていましたが、今季より導入される「ピッチクロック」と「ベースの拡大」は盗塁の成功確率向上に好影響を与え、盗塁の価値が高まると思われます。
実際、今季のST全試合を見てみると、は昨季と比べて1試合当たりの盗塁試行回数が0.77→1.13、盗塁成功率は73%→79%に向上しているとのことです。
終盤の大事な場面で代走で出場して盗塁を決め、あらゆる場所を守りチームの層の薄さをカバーする…そんな活躍に期待です。
最後に
2023年のST、マーリンズは7勝16敗でリーグ最下位でした。
しかし、STはあくまで練習だということは日米関係なく昔から言われています。
今季のマーリンズの補強は明確な意図があり、適格であったと思います。後は昨年から在籍している選手たちのバウンスバック、そして何よりも怪我人が少ない状態でシーズンを過ごしてほしいです。
同地区のブレーブス、メッツ、フィリーズの壁は高いですが、何とかプレーオフ圏内に留まれるような戦いに期待しています。
※ヘッダー画像は筆者撮影