【MIA】エンジェルスファン・大谷ファンに注目してほしいマーリンズ選手
日本時間5月27日から、我がマイアミ・マーリンズは今の日本で最も知名度の高いロサンゼルス・エンジェルスとの3連戦が敵地エンジェル・スタジアム・オブ・アナハイムで行われます。
昨年までは異なるリーグのチームと戦うのは3年に1度だけだったのですが、今季からは年に一度対戦することになります。
そんな日本の大谷・エンジェルスファンにマーリンズのことをアピールできる、1年に1度の貴重な機会ですので、マーリンズの注目選手を数人ピックアップしてみました。観戦のお供に是非ご覧ください。NHKの生中継は1試合しかないことにさっき気が付いたなんて言えない…
※日にちはすべて日本時間表記
※成績は5/26終了時点
注目野手編
Luiz Arraez(2B) #3
今季からトレードでマーリンズに移籍した巧打者。昨年所属したツインズでは、打率.316を記録。ア・リーグ年間本塁打記録を打ち立てたAaron Judgeの猛追を振り切り、見事首位打者に輝きました。
今季もその打撃は好調で打率.371、OPS.887。特に4月は打率.438と驚異的な記録を残しました。
まだシーズンが始まって2か月ですが、打率2位の選手と3分以上の差をつけており、今季の首位打者筆頭候補です。
彼の特徴は何といってもそのバットコントロールです。捕手のミットにボールが収まると思ったら最短でバットが出てきて、右に左にヒットを繰り出します。しかも今季はChase Rate(ボール球スイング率)は下位26%に関わらずWhiff%(空振り/スイング)はMLBトップ(=MLBで最も空振りをしない)。つまり、ボール球に手を出しながらも空振りせず、それをヒットにしてしまっているということです。今季好調の要因はこの辺りにあるのではないでしょうか。
同じくヒットメーカーであったイチローさんが「お気に入りの選手」としていることでも注目されていたArraezのバットコントロールにぜひとも注目してみてください。
Jorge Soler(DH/OF) #12
底知れぬパワーが魅力の長距離砲。
2019年にはロイヤルズで48本塁打を放ち本塁打王を獲得。その後移籍したブレーブスでは21年のワールドシリーズで大活躍し、見事MVPを獲得しました。(個人的にはカブス時代の印象がなぜか強いですが…)
22年に、充分な実績を引っ提げてマーリンズへ移籍してきましたが、持ち前の長打力を活かせず、期待外れの結果に。復調を誓った今季はその長打力が見事に復活。現在、15本塁打はリーグ2位。長打率.560は、本塁打王を獲得した2019年の.569と同等の水準です。
そんな彼の凄さは動画を見てもらった方が早いです。これぞMLBというパワーが日本のお茶の間に中継されることを期待しています。今オフにオプトアウトの権利を持っているので活躍されすぎてもちょっと困る…
先発予定投手編
Jesus Luzardo(第1戦先発予定) #44
21年にトレードでアスレチックスから移籍。20年にはチーム内プロスペクトランキング1位にもなっていたのですが、21年は序盤にテレビゲームをしている最中に骨折すると、復帰後は中継ぎでも不安定な投球が続くなど、イマイチ伸び悩み感がありました。
しかし22年、23年と四球率が11.0%→8.8%→7.5%と改善していくと同時に平均球速も年々向上。22年の速球の平均球速は左腕に限定するとMLB全体2位の96.3マイルを記録しました(出典)。
スライダー、チェンジアップも一級品ですので、豪速球とのコンビネーションでエンジェルス打線を抑えることができるか楽しみです。
Edward Cabrera(第2戦先発予定) #27
昨年8月から本格的にローテーション入りした期待の若手本格派右腕。21年のチーム内プロスペクトランキングでは5位に位置づけていました。
平均96.2マイルの速球に、平均92.6マイル(!)の高速チェンジアップ、約10マイル差で変化の大きいパワーカーブを織り交ぜて多くの空振りを奪います。今季もWhiff%はMLB上位10%に位置しています。
三振が多い一方、四球も多いことが欠点で4月はBB/9が8.33でしたが5月に入ってからは2.79と大きく改善されており、今後の更なる活躍に期待です。
登板の際は、特に天下一品の高速チェンジアップに注目してみてください。
Eury Perez(第3戦先発予定) #39
23年プロスペクトランキング全体6位の有望株が2Aから飛び級でメジャーデビューした、マイアミの未来を担う右腕。
メジャーデビュー時の年齢は球団史上最年少の20歳27日でした。
6フィート8インチ(203cm)から繰り出される速球は平均97マイルを記録し、更に回転数2627はMLB上位1%と威力抜群です。
しかしながら彼の決め球はスライダーとチェンジアップで、MLBで奪った16個の三振のうち14個をこの2球種で奪っています。
ちなみに、マーリンズのエースであるSandy Alcantaraは彼のことを非常に気にかけていて、スプリングトレーニングでは一緒に行動し、始まる前の秋冬のトレーニングも一緒に行っていて、非常に目をかけていたようです。
Alcantaraもかつて、Jose Urenaに目をかけてもらった経験からPerezを育てようという気持ちが強いようで、長く続くマーリンズの伝統になったら嬉しいと個人的に思います。
↑フォームもそっくり
まだMLBで3登板のみでサンプルは少ないのですが、粗削りさが残りながらもそのポテンシャルを存分に見せつけている投球は見ていてワクワクさせてくれます。
日本にもなじみのある選手編
Yuri Gurriel(1B) #10
2014年にはDeNAに在籍していたキューバ出身の選手。2021年にはアストロズで打率.319を記録し、首位打者に輝いています。
持ち前のバットコントロールで空振りや三振が少ないながらも、打球速度など、その他の打撃指標は軒並み低調。2022年オフにFAとなった際はマーリンズとのマイナー契約となりました。
その後メジャー契約を勝ち取ると今季は主に正一塁手のGarrett Cooperのバックアップながら打率.299を記録。最近はけが人続出により先発出場する機会も多くなり、5/24-26のコロラド・ロッキーズ3連戦では12打数9安打と絶好調。エンジェルス戦でも出番が多くあることが予想されます。
JT Chargois(RP) #84
2020年に楽天でプレーし、今シーズンよりトレードでタンパベイ・レイズから移籍してきました。
開幕早々1か月ほど怪我で離脱していましたが5月中盤には復帰。直近2試合で失点してしまったものの、それまでの7試合で無失点と安定感のあるピッチングを続けてきました。
マーリンズは昨日のロッキーズ戦でクローザーのDylan Floroが4失点を喫するのをはじめ、終盤を任される投手の失点が目立ってきています。クローザーのFloro以外は流動的な運用が続いているので、重要な場面でChargoisが登板することも充分に考えられます。
最後に
今回紹介した選手以外にも、今季の本格ブレイクが期待され、現在好調を維持しているBryan De La Cruz(#14)や、昨年盗塁王を獲得したユーティリティープレイヤーのJon Berti(#5)、苦労人セットアッパーのHuascar Brazoban(#31)等、魅力的な選手がいるので、彼らにも注目して試合を見てもらえると嬉しいです!
Brazobanについては同じくマーリンズ担当のマイア・ミッシーさんがまとめてくださっているので是非ご参照ください。