【MIA】2021年振り返り~捕手・内野手編~
MLBはレギュラーシーズンの日程がすべて終了し、いよいよポストシーズンに突入します。
昨年、短縮シーズンながらポストシーズン出場を果たしたマーリンズですが、今季は才能あふれる若手が多くいながらも、その才能を発揮しきれなかった選手や、怪我人の多さ等が重なり、東地区4位に沈みました。
そんな一足早く2021年が終了したマーリンズについて、今回は各選手について独断と偏見で振り返っていきたいと思います。(星の数とか特に)
本当は全選手をまとめて!…と思っていたのですが思うように時間が取れなかったので、3-4回に分けて投稿したいと思います。
今回は捕手・内野手編です!
※一番出場機会の多かったポジションの項目に記載しています。
捕手
Jorge Alfaro ★★☆☆☆
92試合/ 打率 .244/ 4本塁打/ 30打点/ OPS .625/ fWAR 0.6/ rWAR -0.4
昨季は終盤にChad Wallachに正捕手を明け渡したが、今季もイマイチ。フレーミングは+2.2と3年ぶりにプラスとなったもののDRS全体は-2。打撃も鳴かず飛ばずで、シーズン終盤は外野での起用も多くなった。トレードデッドラインで捕手を補強したこともあり来年の起用法がどうなるかわからないが正念場が近づきつつある。
Chad Wallach ★☆☆☆☆
23試合/ 打率 .200/ 0本塁打/ 6打点/ OPS .509/ fWAR -0.3/ rWAR -0.8
第2捕手として開幕を迎えたがAlfaroがILした際にはSandy Leonが主に出場することになり、第2捕手としての立場は変わらず。Alfaro復帰後はマイナー行きとなり、結局23試合しか出場せずに7月にDFA。昨年はプレーオフでもマスクを被っていたのにちょっと残念。
Sandy Leon ★★☆☆☆
84試合/ 打率 .183/ 4本塁打/ 14打点/ OPS .505/ fWAR -0.6/ rWAR -0.8
4月にメジャー契約するとWallachに代わる第2捕手のポジションとして1年を過ごす。打撃はすっからかんも、守備指標は一応プラスになっている。敗戦処理として6試合に登板も。若手が多い中では経験豊富なベテランの域に入るが、2番手捕手といえどもこの成績はちょっと寂しい。
Alex Jackson ★☆☆☆☆
42試合/ 打率 .157/ 3本塁打/ 12打点/ OPS .538/ fWAR -0.1/ rWAR -0.5
Adam Duvallとのトレードで加入。Alfaroを外野に回し、一時期スタメンで出続けていたが期待されていた打撃で結果を残せず。打率.134に加え、三振率も48.4%と約半分の打席で三振するなど、不安だった確実性が露呈した形となった。
Nick Fortes ★★★★★
14試合/ 打率 .290/ 4本塁打/ 7打点/ OPS 1.030/ fWAR 0.4/ rWAR 0.2
終盤にMLBデビューすると最初の11打席で3本塁打を放つ活躍ぶりで、打撃の好調さを買われてDHで出場することも。もともとはディフェンス面を買われてドラフト指名されたこともあり、打撃は一時的なものかもしれないが正捕手がほぼ不在状態の中で来季に向けたアピールになったことは間違いない。サンプル数は少ないが結果を出したということで★5つ。
一塁手
Jesus Aguilar ★★★★★
131試合/ 打率 .261/ 22本塁打/ 93打点/ OPS .788/ fWAR 1.3/ rWAR 1.5
キャリア2番目の多さとなる22本塁打を記録。三振率も18.2%と低く、進塁打や犠牲フライもここぞで打ってくれた印象で、ムードメーカの側面もあってかOPSやWARの数字以上に十分な活躍に感じた。終盤まで打点王のタイトルが取れそうだったのに離脱してしまったのは残念。
来年はLewis Diazとの併用、もしくはDiaz優先の起用となる可能性もある。ナ・リーグにDHが採用されれば、今シーズンと同等の打席数が期待されるが果たして。
Lewin Diaz ★★★☆☆
40試合/ 打率 .205/ 8本塁打/ 13打点/ OPS .603/ fWAR -0.1/ rWAR 0.7
9月までは何度かメジャーに呼ばれてはマイナー行きを繰り返していたが、9/8にAguilarがIL入りした後は基本的にスタメンでの活用が続いた。
一塁専というイメージのせいかまだまだ迫力不足な印象はあるものの、再昇格した9月/10月には5本塁打を放ち、プロスペクトの片りんを見せつけた。マイナーでは74試合で20本塁打、OPS.845。MIA内の最優秀3A選手に選出されたことから、マイナーレベルはもう突破していると判断してよいのでは。来季はシーズン通じてメジャーの舞台に出場し、結果を出していくことが求められる。PIT戦のサヨナラHRはシチュエーションも合わさってベストシーン。
二塁手
Jazz Chisholm Jr. ★★★★☆
124試合/ 打率 .248/ 18本塁打/ 53打点/ OPS .728/ fWAR 1.6/ rWAR 2.4
スプリングトレーニングでレギュラーの座をつかむと、1度のIL入り(結局シーズンでトータル4度のIL入りはちょっと多かった)があったものの5月末時点で打率3割、5本塁打11盗塁、OPS.870と華々しい成績を残す。しかしその後は尻すぼみとなってしまい、当初の期待値が高かったことからもで少し平凡な成績になってしまった印象。特に三振率は3割近くに達しており、リードオフとしてはもう少し減らしたい。
ただ数字以上に走攻守で魅力的な選手で、インコースをうまくさばいた時の打撃フォームと打球は美しく、打球が外野に抜け、三塁打になるときの走塁や、野性味あふれるアクロバティックな守備は見ていてワクワクする。奇抜なヘアースタイルも魅力的で、大事な場面でよい働きをすることからも、23歳ながらチームを代表する選手の一人ではある。rWARではすでに2.4を記録しており、来年はさらなる成績の向上を期待したい。
Jose Devers -
21試合/ 打率 .244/ 0本塁打/ 5打点/ OPS .621/ fWAR 0.1/ rWAR -0.2
BOSのDeverseの兄。強打の兄とは異なり、俊足巧打タイプの選手。
2019年まではシングルAでプレーしていただけだが、今シーズンは飛び級で一気にMLBデビュー。結果を出す前に6月に右肩を負傷し、そのまま手術となりシーズンが終了した。サンプル数も少なく、きちんと評価されるのは来季以降。
Joe Panik ★★☆☆☆
95試合/ 打率 .208/ 本塁打/ 18打点/ OPS .550/ fWAR -1.2/ rWAR -1.5 (2チーム累計)
7月末にDickerson、CimberとのトレードでTORから加入。年防削減の意味合いが強く、MIAでの出場27試合中スタメンは約半分の14試合。ただ移籍後は打率.172、OPS.462と振るわずで、妻の出産に立ち会うため育休リスト入りするかもというマッティングリーのコメント翌日にDFAされるというちょっと悲しい結果に。トレード相手のDickersonとCimberはTORで活躍しているようでちょっと寂しい。
三塁手
Brian Anderson ★★★☆☆
67試合/ 打率 .249/ 7本塁打/ 28打点/ OPS .715/ fWAR 1.3/ rWAR 1.4
マイアミのスペランカーかというほど今年はとにかく怪我をしており、60日ILに2度も登録された。出場時も例年に比べて長打が少なく、単打しか出なかったので地味だった印象が強い。また、対左投手に対して打率.158、OPS.428と全く打てていない点も気になる(対右は打率.278、OPD.804)。守備は今年も安定してDRS+3を記録し、3年連続のプラス。
チームとしては残り2年保有することができるが、コンテンダーとして勝負するにはチームの打撃力を改善しなければならず、サードでFA選手を獲得することも考えられる。まずは今季の怪我が来年に影響を与えないことを祈る。
Isan Diaz ★☆☆☆☆
89試合/ 打率 .193/ 4本塁打/ 17打点/ OPS .575/ fWAR -0.6/ rWAR -0.2
Chisolmとのセカンド争いに敗れると、その後はメジャーとマイナーを行ったり来たりしながら、メジャーではセカンドとサードのバックアップとして出場。しかしOPSは6割未満、守備でも二塁DRS-5、三塁DRS-3とともに精彩を欠く形となってしまった。左右に綺麗なラインドライブを放つときは調子がいい証拠(独自の偏見)で、来年の改善に期待したい。
Jon Berti ★★★☆☆
85試合/ 打率 .210/ 4本塁打/ 35打点/ OPS .624/ fWAR 0.2/ rWAR 0.4
今季はスプリングトレーニングの時点からユーティリティーとしての活躍が期待されていた。しかし蓋を開ければAndersonの離脱によりサードを守る機会が多かった。二塁、外野もこなし、DRSのマイナスはなかった一方で打撃は苦戦。Benintendiらとのトレードが実現しようとしていた記事が出た6月こそ打率.321を記録するも、残りの月は高くて打率.207。7月には頭部に死球を受けた際の脳震盪により長期離脱となり、シーズン終了となった。
打撃面では振るわなかったが、様々なポジションを守れ、価値の高い選手だっただけに、けが人が多かったマーリンズの層がさらに薄くなってしまった。脳震盪の影響が大きいのか、以降良いニュースが出てこない。来年もユーティリティーとしてグラウンドに立っていることを信じたい。
Deven Marrero -
9試合/ 打率 .214/ 1本塁打/ 1打点/ OPS .742/ fWAR 0.0/ rWAR 0.0
けが人が出た時の一時的なバックアップ要因としての活用がほとんどで、今シーズンはDFAを5度も経験。わずか9試合の出場ながらダルビッシュから同点HRを打ったのが数少ないハイライト
Eddy Alvarez ★★★☆☆(オリンピック含む)
24試合/ 打率 .188/ 1本塁打/ 6打点/ OPS .625/ fWAR 0.0/ rWAR 0.2
野球アメリカ代表として出場した東京五輪では主に1番を打ち、銀メダル獲得に貢献。大会ベスト9にも選出された。すでに獲得していた冬季五輪ショートトラックの銀メダルに次ぐ2つ目のメダルを首に下げ、メディアのインタビューも落ち着き始めた9月に今シーズン初昇格し、主にAnderson不在の三塁を守り、スタメン出場も何度か果たした。
遊撃手
Miguel Rojas ★★★★★
132試合/ 打率 .265/ 9本塁打/ 48打点/ OPS .713/ fWAR 2.9/ rWAR 2.5
昨年ほどの打棒は再現できなかったものの、良くも悪くも例年通り。しかし貧打の打線においては貴重な得点源で、シーズン当初は下位打線を打つことも多かったが以降は1番がほぼ指定席に。守備での貢献も非常に大きく、今季はDRS+5を記録。fWARは野手トップだった。
そして何よりも骨折をしながらも試合に出続けたことや、若手が多い中でチームリーダーとして若手の指南役としての姿勢が非常に大きかった。今季は550打席以上を記録したため来年のオプションが自動更新された。再建に向けてプレーだけでなく、精神的にもチームの柱となる重要な選手。
次回は外野手編をお送りする予定です。