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サブカル大蔵経604東田勉『認知症の「真実」』(講談社現代新書)
「俺の家の話」でもクローズアップされた認知症の話。私も、数年前、父親がそうなのだろうかと疑い、いろいろ調べているうちの一冊が本書でした。
医者が認知症をこじらせる。p.263
最新の学説や用語を説明しながら、ジャーナリズム的に業界の闇を告発する内容でもありました。
これは、知っておかないと大変なことになるなと思いながら、患者の家族としては、おまかせするしかないよなと感じたりもしました。ただ、できることはあるかもと、マッサージしたりしていました。
医療と政治と家族の物語。
認知症の人は障害者というより、むしろ普通の人。普通の人が極端な反応をしている。家族も介護も医者も、わざわざ嫌がることして、こじらせて連れてくる。p.260
認知症は〈病〉なのだろうか?
患者は一番後回しな世界なのかもしれません。
認知症の薬アリセプトは、2011年国内で販売されている全医薬品の中でも売上のトップに立ちました。p.72
1442億円。
日本は、世界中で厳に禁止されている抗精神病薬の多剤併用が医者の裁量で行われ、国際的な非難を浴びている国。p.85
日本の薬はおとなしめかと思いきや。
日本はCTやMRIの普及率が先進国の中でも飛び抜けて高い国です。どの病院も我先にと高額な画像検査機を購入しました。画像偏重は、薬の多さとともに日本の認知症治療の底の浅さを露呈。p.103
光学視覚データに頼りすぎる現代。たしかに、最近の診察室行くとパソコンの画像ばかり見せられている気がします。説明された気になるというか。
河野理論は医者からは嫌われる。それは、治らないとする医者と、なんとか治したい患者家族の熱意の違い。p.108
病気と、治癒の関係。何をもって病とするか、何をもって治ったとするのか。
厚労省はどこを向いて仕事をしているか。製薬会社に対し、今のうちに稼いでおけ。p.178
業界と官僚
医者はとりあえず認知症という診断名さえつければ、治療へ進めます。p.180
わからないとすすめない世界
手足を縛られると、世界への信頼を失い、目がトロンとなる。一夜にしてボケる。ボケは病院で作られる。p.220
世界への信頼…。念仏は、それをつなげれるのか…?
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