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サブカル大蔵経454加藤諦三『無理しない練習』(三笠書房知的生き方文庫)
ラジオの「テレフォン人生相談」で相談者と先生方がひととおりやり取りをした後、加藤諦三さんがパートナーである先生方をまず立てます。
「◯◯先生がいいことおっしゃってくれましたよねえ」と、相談者に話しかけます。突拍子もない相談内容にどう対応したらいいかで頭がいっぱいなはずなのに、ここでまずみんなが落ち着きます。
謎めいた加藤諦三さんの思考は、西洋的なのか東洋的なのかもわかりません。融通無碍の現代の仙人。
その言説の背景を、最後に自分のエピソードで解説するのが、かっこいいなぁと思いました。
ある時ふとその男と自分が似ていると直感したのである。自分が最も嫌いな男と自分がよく似ている。これは私には大変なショックだった。
自分に自信がなく落ち着きのない不幸な男、それが私のその男に対する印象であった。そのショックによってこんなに力のある私を通して認めないのだと言う周囲の人に対する怒りの気持ちは消えていた。
そしてまたそう考え出すと無理をする気もなくなってしまった。無理をするのが馬鹿らしくなった。それと同時に周囲の人に認めて欲しいと言う願望も消えてきた。すると不思議なことに周囲の人で私を認めてくれる人が出てきた。以上全てp.198
加藤諦三さんが、実は今の日本を支えているのでは?と思う時があります。
テレビではなく、ラジオというサブにこだわるところもまたかっこいい。
この本では人々のいろいろな勘違いについて書いた。無理しない方が好かれるのに、人々は好かれようと無理をする。無理をして辛い思いをして、かえって好かれない結果に終わる。p.3
なぜ人は無理をするのか?そして報われないのか?
人を好きにならなければ好かれない。まず嫌われないかを気にする人がいる。要するに相手に対する関心がない。相手に自分をよく印象を作ることしか考えていない。p.39
自分もこういう所あります。
独りよがりな人は、ただただ相手が自分をどのように評価するかということにしか関心がない。p.47
周りにもいるなと思いきや、実は自分のことかもしれない。
わかりやすく言えば人と接する時に、私を褒めてくれるか、非難するか、と言う軸しかない。自分の心の問題で精一杯な人は、相手が見えない。相手の気持ちを汲み取れない。p.52
どんな軸を持って生きてきたか。
ありがとうよりも、すいませんばかりになってしまう人がいる。何かがうまくいったのは、相手と自分との関係でうまくいったのである。だから、うまくいった時には感謝をすることである。p.77
電話でも、とりあえずすみません。
自己蔑視している人の特徴の1つ目として人は自己蔑視してしまうと相手の褒め言葉を素直に受け取れなくなる。もう一つは相手を褒めない。p.99
卑下すること、素直になれないこと。
未成熟の親は子供の成長を待てない。だから子供がやることを先回りしてやってしまう。そして自分は立派な親と錯覚している。親も子供も錯覚する。その親の正体は不安な親なのである。p.99
待つことのすごさを再認識。
他人を欺いていると言うふうに悩んでいる人は自意識過剰。p.116
〈私さえ…〉という逆パターンの自慢
世間体とは自意識過剰の産物である。江戸時代にもし借金が払えなければ人前で笑われてもいいと借用書。いかに人が、笑われることを恐れるか。p.117
世間への過剰反応。世間に作られた私。
私が悩みから救われたのは、他人から見た自分を理解できた時である。p.135
鏡はどこだったのだろう。
親しい人がいれば、それほど人から好かれることが重大ではなくなる。p.169
嫌われる勇気かな?
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