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サブカル大蔵経632池川明『ママ、さようなら。ありがとう』(二見書房)
流産・死産という極限の世界での、先生の真摯さと異常さ。
私は1999年頃から、子どもたちへの胎内記憶の聞き取りを始めました。p.17
胎児を擬人化することで、役割が与えられ、生命が生まれる。
これも往生なのかもしれない。
宗教より宗教らしい物語の本質のような。
赤ちゃんは、お母さんのおなかに宿れたこと、ただそれだけで、うれしくてたまらないのです。p.16
そう思ってくれたら。〈想像〉の原点か。
赤ちゃんがお腹にいる時から既に意識があること。両親を愛するために自分の意思で選んでお腹に宿ったこと。などを確信するようになりました。もしかしたら流産や死産に至る意味も赤ちゃん自身が知っているのではないでしょうか。p.4
赤ちゃんだけが、知っている。
初期の流産は赤ちゃんの染色体異常がほとんどです。と説明したところで、でも、どうしてほかのだれでもない、この私が流産してしまったの?という根源的な問いへの答えにはならず、納得できないでしょう。けれど、答えはすでにお母さんが持っています。死の意味は、赤ちゃん自身が知っていて、お母さんはそれを赤ちゃんに教えてもらえるはずなのです。p.15・16
赤ちゃんから、教わったこと。
退行催眠をすると、胎内でへその緒を首に巻いて、あの世に帰ろうとしたことを思い出す人もいます。p.21
スペクタクル胎内
流産した方の上のお子さんが言った言葉。赤ちゃんはありがとうって言ってるよ。p.28
ニュータイプ。胎内に重力はないか。
赤ちゃんは、お母さんを傷つけるためにやってくるのではありません。/亡くなった赤ちゃんは夫婦げんかを望んでいません。p.30.42
たしかに。でも何かのせいにしたい。
自分の命をかけてメッセージを伝え、お母さんやお父さんのたましいの成長を助けようとする赤ちゃんは、強いたましいの持ち主です。そして、そんな赤ちゃんにお母さんとして選ばれた方も、本来それを受けとめる強さを持った人に違いありません。p.30
お母さん、お父さんとして、選ばれた。
次に生まれてきた子に亡くした子を重ねるのは、避けていただきたい。亡くなった赤ちゃんはすでに一生をまっとうしたと受け入れてほしい。p.72
命に、長い・短いはない、と人に口では言うものの。
赤ちゃんがいちばんつらいのは、自分を意識してもらえないことです。赤ちゃんはみなお母さんが大好きp.82
この文章読むと、お腹がぐっと、こみあげてきました。
産科では誕生も流産も日常的なことです。悲しみの共感とお祝いが続くと神経がすり減ってしまいます。そのため医者は心を守るために事務的になってしまう。でも喜びや悲しみを共有しない限り、本当の治療はできないと思います。p.101
お医者さんのつらい立場を知る。
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