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サブカル大蔵経518島本和彦『アオイホノオ』24巻(小学館)
「石森血統!」「赤塚不二夫血統!」
「俺は…間違っていなかった!!」
ご実家のTSUTAYA閉店の悲しいニュースの中刊行された、第一部クライマックスに相応しい、大迫力の巻。
「みゆき」のアニメは私が中学生の時か。本巻でも触れられているあのOPを何故かよく父が口ずさんでいました。
自分のアニメ遍歴が、この作品に追いついてきて、懐かしい、せつなさと嬉しさと。
引っ越しを友達に手伝ってもらい、ひとりになるシーンに島本先生の矜恃を感じた。
「だからこれは…実は重要な話なのだ…!どこのアシスタントに行ったかによって…その後の〈漫画勢力分布図〉の〈どこの場所〉に組み込まれるのかが決定してしまう!」「お前は…どこの勢力に入りたいねん…?」「俺は…トキワ荘。できれば〈トキワ荘の勢力〉の流れに入りたかった!」p.13
〈漫画血統〉…!これが言語化できるのは、部屋での友とのダベりでこそ。
あだち勉・赤塚不二夫側/石井いさみ側。p.31
あだち充と赤塚不二夫が繋がった!あだちキャラの、結いまゆげの謎が判明した。
「ラムちゃんアラレちゃん南ちゃん」p.45
"女キャラの時代"。こう並べると、強すぎます!勝てるものはいないのでは。
「見事な力の抜きようだ!!」p.69
あだち漫画の力の抜けた感!を褒めたりdisったり、名人芸です。
「鹿島は成長したペリーヌなんだよ…!」p.97
全ての謎が氷解しました!島本先生、アオイホノオ、一生ついていきます。
「なぜわざわざこれをピンナップに…この…「ファンロード」という雑誌を作っている奴ら…少し頭がおかしいんじゃないか…ーと思うぐらい的確だ!!」p.131
最大の褒め言葉。雑誌の力。しかも〈アニメキャラのピンナップ〉という編集者の思想が最も感じられる箇所。
「出かけてきますんど〜〜」p.172
男おいどん。今だからこそ泣ける。
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