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サブカル大蔵経738『俺たちのプロレス名勝負読本』(宝島社)
レスラーや記者や芸能人が選ぶ〈私のプロレスベストバウト〉。
関根勤、堀江ガンツ、玉袋筋太郎、神田伯山など、選者の方々も楽しみなラインナップ。しかし、各人の名勝負への思い出を第三者が読むと意外としっくりこなかった。理由をいろいろ考える。
読みながら、自分はそう思わないとか、自分ならどれを選ぶだろうかと、自分とプロレスのことばかり考えてしまうからか。
いくら凄い試合でも、リアルタイムで見たことのない時代には共感できないからか。
プロレスにとって名勝負とは何か?それはプロレスファン一人ひとりの思い入れ、記憶、個人史に関わってくるものだ。だから基本的には他人とかぶることはないというのが大前提としてある。つまり名勝負に関しては客観的という見方、考え方はない。p.2
結局、巻頭でターザンの言う通り、その人のベストバウトは、極私的で被らないものだからか。
でも、こないだ久しぶり読み返した徳光康之『最狂超プロレスファン列伝』には、ものすごく共感した。その分岐点はどこか。
理解されない相手や世間に必死に説くからこそ伝わり、伝わるのが前提として説かれると伝わらないのかなと思い至りました。
ここにまた一つ、仏教とプロレスの接点があるような気がしました。
本書で関根が選んだのは、馬場対エリックでした。
ちなみに私は三沢・小橋組対馬場・ハンセン組です(1993年11月30日札幌中嶋体育センター)。あの時、小橋のローリングクレイドルに転がされた馬場の頭がひょこひょこ飛び出す姿が忘れられません。
プロレスでいくつか分類できると思うんだけど俺はすべてやってきてるからね。p.19
猪木自身が登場。その自己分析に驚く。
新人の試合を押さえ込みルールで、勝てば3000円もらえて、負けると2000円でした。p.49
豊田真奈美の記憶。全女の賭場感覚。
タナカさんが送ってくるビデオや記事はある意味で、"踏み絵"だったんですよね。p.85
RG談。タダシ☆タナカのシュート活字。同志社プロレス同盟の先輩後輩。
やられた高田さんもすごいんです。だって、あのドラゴンスクリューの受け方、めちゃくちゃリアルなんですよ!p.140
ファンキー加藤は天然ヒールですね。
森嶋猛はどうしちゃったんですか。どこか臆するような雰囲気と、大きな体が哀愁を醸していたのに消えてしまった。私は好きでしたね。p.153
内舘牧子の声は森嶋猛に届くか。
亡くなった井上編集長が「ファイト直言」と言うコラムで「我々は猪木に百の我慢を持っていた」「我々は、その我慢を使い果たした」と言う名言を残している。p.165
夢枕獏が説く日本の3大人は空海、宮沢賢治、アントニオ猪木。
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