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サブカル大蔵経772ステファン・シャウエッカー『外国人だけが知っている観光地ニッポン』(大和書房)

観光とは何でしょうか?

招く方と行く方、お互いのイメージが重なるよりも、ズレた方が面白いと思います。

訪日前に期待していたことは「日本食を食べること」が70.5%と最も多くp.20

日本食ってそんなに期待されてるの?ハードル高い…大丈夫かなぁと思っていたら、

印象的だった食べ物のトップは「寿司」「天ぷら」を抑えて「ラーメン」に。「おにぎり」はコンビニで気軽に買えるのがうれしい。

と目次から目を引きます。ラーメンか!欧米人はスープと麺を同時に食べることは難しいかと思っていましたが、そのチャレンジこそ〈観光〉になるのかもしれません。こちらのおもてなしの思惑なんか超えて。

時間を有効に使いたい外国人観光客にとっても、サッと食べられるラーメンは便利の食事です。p.184

たしかに安いし、時間も短くて済む理想的な観光食。

日本人観光客こそ外国人に見習う時代が来たかも。

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北陸新幹線が開通したことでそれに代わって注目されるようになったのがニューゴールデンルートです。これは、東京〜金沢〜京都〜大阪をめぐるルートで、途中で長野の地獄谷野猿公苑、富山の黒部峡谷、岐阜の飛騨高山や白川郷などに寄り道することもできます。p.26

 まさか北陸新幹線がここまで影響を及ぼすとは…。長野、富山、石川、岐阜が世界的観光地になる!

大雪山国立公園が外国人観光客に支持されているのは、すごくうれしいですね。なぜなら、「日本で一番好きな場所は?」と聞かれたら、「大雪山」と即答するほど、私は大雪山が大好きだからです。p.38

 アンケート北海道で四位の大雪山。著者は毎年最速の紅葉の取材で訪れるとのこと。たしかに東川〜旭岳温泉のホテルで欧米人のお客さん結構います。

宮城県満足度1位は日本の猫島の1つ「田代島」。p.46

 知らなかった…。

山寺よりさらにミステリアスなのが「出羽三山」です。もちろん素晴らしいところなのですが、評価がこんなに高いとは驚きました。/湯殿山で見たことは話してはいけない決まりなので、これ以上は話せません。p.50

 世界に誇るミステリーゾーン、山形。

満足度6位「渋谷」のスクランブル交差点。外国人にとっては本当に不思議な光景です。p.68

 東京の6位。観光地ではない所こそ観光地にふさわしい。アビーロードみたいな?

箱根に行く多くの外国人が利用しているのが、小田急電鉄の「箱根フリーパス」です。/1990年代から外国人に英語でPRしてきた小田急電鉄の努力も、箱根の人気を後押ししているのではないでしょうか。p.77

 昔から宿場町ではない箱根は外国人客を誘致して大観光地になりました。その伝統が小田急に生きていた…。ちなみに神奈川県3位は、藤子・F・不二雄ミュージアム。

西山で最高の眺望なら吉峯寺。p.115

 京都15位の西の清水。知りませんでした…。

山頂の奥の院まで行く途中にあるのが鳥居のトンネルです。p.156

 佐賀1位「祐徳稲荷神社」。「ゾンビランドサガリベンジ」第2話でも奥の院まで描かれていました。鳥居という可能性。

この調査によれば、最も満足した購入商品は、菓子、化粧品・香水、衣類の順。/買い物した場所は、コンビニエンスストア、空港の免税店、ドラッグストア、百貨店・デパート、スーパーマーケットの順となっています。(観光庁2018年訪日外国人消費動向調査)p.178

 コンビニが一位。ホノルルでのABCストアみたいな感じかも。日本のコンビニが、ここまで外国人に開かれている可能性を持っていたとは…。東京五輪でも選手はコンビニが日本そのものだったでしょう。

日本で初めて明太子スパゲティを食べた時は「こんなにおいしいパスタがこの世にあるのか!」と目を丸くしました。p.180

 日本人の魚卵の使い方の衝撃。

自分で海苔を巻くのも珍しい体験ですし、海苔のパリパリした食感も初めてです。p.185

 コンビニとおにぎりの最強コンビが異国の人たちまで魅了するとは…。

見た目がパンケーキに似ているので親しみやすいのかもしれません。p.189

 どら焼きも、コンビニでチャレンジ。

うまい棒、きなこチョコもち、ブラックサンダー、ばかうけ、ハイチュウ、きのこの山、雪見だいふく、ガリガリ君など、名前をあげていくとキリがありません。これほどまでに外国人観光客がスナック菓子を食べているのは、コンビニの影響が大きいといえるでしょう。p.192

 日本を代表する文化、スナック菓子。

私にとって新幹線は、おつまみの楽しみ方を学んだ場所でもあります。p.193

 たしかに新幹線車内でのビールとおつまみのワクワク感と作法感は、日本の観光にふさわしい穴場かも。乗り物が移動バーに変わる瞬間。

ジャパンガイドのスタッフは「居酒屋に行くようになって、『普通ジャパン』と『居酒屋ジャパン』という二つの日本を知った」と言っています。p.196

 居酒屋ジャパン…。著者は基本的に好意的に書いてくれていますが、少し恥ずかしいというか怖い。

一部屋の和室がリビングになり、ダイニングになり、ベッドルームとしても使うと日本独特の生活様式も、外国人にはとても興味深いですし、仲居さんが部屋に来てお茶を入れてくれ、和菓子をすすめてくれるおもてなしも、日本ならではのサービスです。p.210

 浴衣、布団、風呂、和食、全て旅館に。

2010年には、ウィラー・エクスプレスが訪日外国人旅行者向けに高速バス乗り放題の「ジャパン・バス・パス」の販売をスタートしたこともあり、外国人のバス利用者は急激に増えています。p.217

 夜行バスも世界に発見されました。私もバス大国トルコで夜行バスで移動しましたが、ほぼ現地の方ばかりで、思い出深い観光になりました。

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永江雅邦
本を買って読みます。

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