サブカル大蔵経171刈部山本『街道のグルメ 国道・都道・県道 ローカル&昭和な味わい巡り 関東版』(辰巳出版)
一番観光客から遠くて、地元感しかない店が、一番の観光地になり得る逆説のガイド。埼玉、千葉、甲府、神奈川とそれぞれの現代の五街道史料としても読める街道本でもある。
北海道の人間からは一番〈遠い〉のが北関東だと思います。なかなかわざわざ行きづらい。でも、だからこそまだ見ぬ強豪感がたっぷりだし、本書を読んでさらにその怪しい魅力が増しました。こういう本を待っていた、という感じです。
著者は、板橋しっとりチャーハンやロードサイドチェーン店、ドライブインなど、ごく身近にこそ宝物のお店があることの探偵であり伝道師の刈部山本さん。文体もクールなようで、ウェットなところもあり、チャーハン的なチャーシュー的な。
本書はとにかく盛り沢山。系統的・地域的なお店に関する取材やインタビューを重ねた労作。私語りより店の良さを伝えることを最優先する著者の姿勢が素晴らしい。情報の見せ方も痒いところに手が届くようなパッケージングで、写真も豊富で、キャプションにも愛情が溢れている。
日本最古・不二ドライブインp.18
現代の世界遺産。
高崎パスタ・シャンゴ。小麦の産地・群馬。パスタ屋多し。p.22
サイゼリヤが出店できないと噂の群馬
京都とはちがうミスターギョウザp.25
京都のは大好きです。
赤羽の街中華、吾作カタヤキ、上海ハイボール。p.31
赤羽は「まるます家」しか行ったことないのですが、赤羽の街中華たまらんなぁ。
埼玉大人への通過儀礼・るーぱんp.36
札幌ならみよしの。帯広ならインデアンカレー。釧路なら泉屋スパカツ。旭川は通過儀礼的店ないかな…。
岡ちゃんラーメンザラドロスープp.40
関東のとんこつ
綾瀬のパンダグループ、最上!p.45
綾瀬のパンダ店も各書で見ました。だんだん馴染んできて行ったことある気になってきました。
水戸街道にんたまラーメン24時間p.50
茨城の雄。名前も時間もすごいなぁ。トラック運ちゃんのためかなあ。
牛久・山岡家本店、真の国民食p.56
山岡家って、牛久なの…⁈ウチに一番近いチェーン店ですが…。お世話になってます。
山田うどんのパンチ=もつ煮p.61
埼玉こそ、の始まりがこの店かも。
札幌ラーメンどさん子1000店p.72
北海道にない北海道ラーメン。
堀切菖蒲園、手動自販機立石バーガーp.83
ここも別な本で知りましたが、すごい店です。インド的というか…。
京都のラーメン横綱、千葉に三店舗p.90
あの横綱が、なぜ千葉県に…。
千葉の珍来グループ、黄色い珍来か、ドラゴンか。p.97
埼玉や北関東に比べると個性がないかと思いましてが、千葉のチェーン店も味わいありますね。
不死身チェーン、ラーメンショップp.118
近くの店が実は美味かった。青い鳥。
ラーショのネギ豚骨。p.121
ラーショかあ。