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サブカル大蔵経622季刊「怪」第零号(角川書店)
約15年前の「怪」創刊号の特集はパプワニューギニアでした。ここを描いた漫画家、水木しげると諸星大二郎の符号を想う。
冒頭の鼎談は水木翁の〈幸福学学会〉話。弟子を自認する京極夏彦と荒俣宏と、妖怪と幸福についての雑談。全員が妖怪に見えるも、逆に真っ当な人間らしさを感じる。水木サンの発想や言葉が今回も面白いが、聞き手としての荒俣と京極の才もあふれ出しています。しゃべるばかりの最近の論客との違いを感じる。
ある意味本書の主人公は角川の編集者で、無理矢理雑誌を立ち上げさせられてる雰囲気が面白いのですが、その見事な受身と仕事ぶりに角川の戦略と底力を感じました。
白土「ガロ」や藤子「コロコロコミック」のように、水木「怪」でスタートした後、三巨頭に頼らない多彩な連載陣の誌面に移行していった記憶があります。それが、平成日本のホラーや都市伝説、歴史物などのサブカルを支えたコアにもなっていって、〈角川ホラー文庫〉に結びついたのかな?
今、こういう異能かつ大人の方々ってどこに行ってしまったのでしょう。若い人に知的好奇心を与える存在がいない不幸を思います。
マッドメン・ダンス。泥沼で殺された戦士の精霊。p.7
もろ諸星。
豚の体の中にはラメインディオグという名前のサガイグが入り込んでいて、豚を操っていた。精霊が人間を傷つけたり殺したりするのには必ずわけがある。p.42
人間の可能性に対する豊かな想像力。それを消したのが現代。私たちは迷信を消したがっていた。また今欲しくなってきた。
村人、飛行機が来たという。本当に5分後くらいに飛行機がやってきた。飛行機の爆音を聞き分けていたのだ。
〈原住民〉と呼ばれる方の〈超能力〉
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