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サブカル大蔵経945高橋よしひろ『銀牙伝説ノア』13巻(日本文芸社)
書店での〈高橋問題〉が常にありました。
少年ジャンプ黄金時代の二大高橋連載。
言わずと知れた、高橋陽一『キャプテン翼』と高橋よしひろ『銀牙ー流れ星銀』。
その両先生が現在も続編の新作を発表し続けられていて、書店でいつもその表紙に、読まないの?と問われている気がして…。
私が買った単行本は、『翼』は高校編まで、『銀』は赤カブト編までなのです。
『キャプ翼』は舞台を海外に移し『銀牙』は出版社の棚を移してでも、こちらを見つめています。
そして、ふと魔が差したように、『銀』の最新刊らしき本を手に取ってみました。
えっ?
「既成概念を超越!」「時空の彼方からの声!!」
「既成概念」というのは、銀牙世界の既成概念のことなのか、現代のわれわれの住む世界全体の既成概念のことなのか?いやたしかにもともと犬格闘漫画という唯一無二の作品ではあるけど…。
さらに気になるのは、下段の小さな文字。
「線虫に絡め取られ消えた王王がふたたび地上に昇臨!!」「その生命パワーの根源は…!?」
エイリアン?SF?
私は悪夢でも見ているのか。
裏を見ると、
「地上感覚では察知不能な」
「異次元の領域」「戦いは転移する」
これは、もう〈ムー案件〉なのでは?
思い切ってこの最新刊を購入しました。
冒頭の〈あらすじ&登場犬紹介〉をこわごわ読むと…銀もいる!年取ったなぁ。でもどうやら、私の読んできた銀の続きみたいです。パラレルワールドではない。
銀の次がウィードなのは何となく知っていた。その次がオリオン?でもこの本の名前は『ノア』です。ノアは元・ハイエナ?…あのハイエナ?臨死、予知能力…?
本編を読み進めると、驚く描写が満載だったのですが、高橋先生の作風はいい意味で変わってなくて、あの頃の銀の〈緊張と緩和〉を保っているように思いました。
久しぶりに銀牙ワールドに足を踏みいれたら、とにかく想像以上のカオスを浴びました。犬、人間、熊、他の生物。さらに。
「てめーっじゃねェだろタコが!」p.45
ボクシングしながらのこの台詞回し。犬が犬にタコが!という爽快さ。
さらに、
「あんた…バケモノかよ!」p.65
「このケダモノーっ てめェらそれでも犬かー!?てめェーは何のために生まれて来た!」p.135
私は週刊プレイボーイのWEBでキン肉マンの新作を読み続けていますが、とにかく今が一番面白いです。ゆで先生、高橋よしひろ先生に感謝…。
最後、一番びっくりしたのが、あの犬(ヒト)の登場でした。どんなバケモノよりもこの犬の変わらなさが一番バケモノののような。でも唯一、30年前のあの頃の犬と会えて嬉しかった!
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