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サブカル大蔵経230深沢七郎『深沢七郎の滅亡対談』(ちくま文庫)
深沢七郎は気難しいイメージがあります。できれは対談なんかしたくないタイプなのではと思っていましたが…。
井伏鱒二と文壇話、大江健三郎とストリップ話、山下清と戦争話、永六輔、竹中労、野坂昭如との糞尿屁座談会…。お世辞言わないから、相手も安心して、素直に話をさせる間が深沢七郎にはあるのかな?こないだ読了した武田百合子の対談集ではさらに生き生きしているし…。
(井伏)あの人、なぜ死んだんだろう、わけがわからない。p.55
太宰をまさか井伏がこう話すとは…。
(大江)釧路で漁師のためのストリップ劇場に行きました。新聞紙で体を隠してて、それをだんだんちぎってゆくストリップなんですね。p.88
大江健三郎もまだ掘れるのかな?
(深沢)自殺というのは自然淘汰だと思うんです。p.128
人間だけが何故自殺するのかの理由。
山下。ハ、ハイ。天皇陛下は責任がないんだな。p.195
忖度がない武闘派山下清。天皇問題で文壇を去った深沢にぶち込む。
深沢。山下さんは真面目な話ばかりで冗談を言わないのに気がついた。p.201
現代なら蛭子能収くらいか。
殿山。ところで、どうして結婚なさらずにすんだのですか?p.318
さすが殿山泰司。こういう役者は今いるのだろうか?
深沢。百姓はマゾです。p.371
虐げられ、刻まれた血肉の歴史。
(野坂)それと大発見だけど、お風呂に入ってシャーとやる分には、ちっとも不潔感ないわけよ、それが湯槽の外から中へやってしまうと、今度は入れるもんじゃないんだな。(笑)p.440
(野坂)インスタント・ザーメンだ。p.441
稲垣足穂に対してもダントツだった野坂昭如。この話芸は世界遺産。
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