サブカル大蔵経431高橋大輔『トラベルチップス』(秋田魁新報社)
著者は以前「クレイジージャーニー」に浦島太郎の物語を旅する男として出演された探検家です。最近は『剱岳〜線の記』(朝日新聞出版)を著されました。物語というテキストと実際に探検する場所との交差がたまらないロマンを感じさせます。私も初めて海外に行ったのは「フランダースの犬」の舞台アントワープで、実際ネロが牛乳を運んだ道を歩くのが目的でした。
本書は著者ゆかりの秋田魁新報で連載されていた異国や旅に関するさまざまな話をまとめたものです。今読むと海外に自由に行けるというのは夢物語に思えます。
旅話、旅エッセイは難しいと思います。何気ない描写が行ったことがない人には自慢に映りかねません。その時点でシャッターが降ろされてしまいます。
年に一回は世界一周している達人の高橋さんは、あえて共感よりも自分にとっての驚きや喜びを素直に細やかに描き出しています。これは、授業や法話にも通じる視点だなあと思いました。
床屋に行くとアメリカでは椅子に座った瞬間にレギュラーですか?p.19
イギリスでは何番ですか?と聞かれ、アメリカでは、コーヒーのように聞かれるとのこと。外国でのエピソードで、散髪って一番かっこいいというか羨ましいです。
インド、ニューデリーの耳かきじいさん。p.36
インド鉄板ネタ。今でもいるのかなぁ。
くしゃみに対してかける言葉。トルコではチヨクヤシヤ(長生き)、スペイン語圏ではサリュー(健康)p.64
トルコ旅でこれ実際やってみたら、バスの運転手さん、喜んでくれました。各国を比較して、そこから真理をたどる。
韓国。プリンも?混ぜれば混ぜるだけ旨くなる。p.154
プリンもピビンパするのは面白い!
大震災後、今のまま、いやもっと暗くても充分だと言う。p.206
北海道も大規模停電でそれを経験しましたが、みな、きれいな星空を語りました。
旅の土産は、話に限る。p.225
たしかに^_^また旅行きたいですー。