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サブカル大蔵経241なぎら健壱『東京酒場漂流記』(ちくま文庫)
初読の時は孤高の名著だと思いました。当時、東京近郊の特集で、洋食やラーメンや蕎麦や江戸前やバーはあっても「酒場」に絞った書籍はなかった。今や「酒場」が東京の名物となり、観光客が訪れるまでになった現在に導いた導火線の一冊だったと思います。今回再読して著者のこだわりにアクの強さを感じたり、逆に初入店の時には戸惑って可愛かったり、さまざまな味わいを感じました。こういう先輩のおかげで今の呑み文化も隆盛になったはずです。
さて昔通りの酎ハイとはなんぞや、というと、別に大そうなことではない、焼酎とタンサンが個々に出て来る、それだけのことである。つまり自分で濃い薄いの、配合ができるわけである。p.18
たしかにこの形はありがたい。私の記憶では上野の「大統領」や鶯谷の「信濃屋」がこの形かな?タンサンのビンが出てきたと思う。
宇ち多"。受け皿に乗っている、厚手のコップを指差した。「何ですかこれ?」「これか、梅割りだよ梅割り」p.154
宇ち多"訪問から一年以上経ちますが、厚手コップと梅ジュースを取り寄せて、家で梅割りしてます。呑み過ぎると喉の粘膜が剥がれる感じがします。モツ煮も宇ち多"流で味噌だけで煮込み、作りました。
河本。おやっ、うれしいね、飲み物覚えていて下さって。何も言わないのにすーっと酎ハイとポッカレモンが出て来る。このポッカレモンってのが振るってるんだよね、キープしてあるんですよ。p.268
昨年閉店されました。
山谷。すみません、跨いで通っていいですか?p.276
30年前初めて山谷訪れた時、私も跨ぎました。
木挽町。ホテルダイエーの前を通りーそうそうここは昔、大栄っていう銭湯だった。p.302
あのホテルの名前、銭湯由来だったのか!
栗山邦正画伯のイラストがカッコいい。また宇ち入りしたいなぁ。
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