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サブカル大蔵経379 飛田良文『明治生まれの日本語』(角川ソフィア文庫)
【カレーライス】は大正の終わりに生まれた新語なのである。p.6
大正といえば、鬼滅の刃…。鬼滅時代にカレーライスが生まれたのか…。
明治時代から、日本語は外来語の翻訳という方法を通じて一新しました。今使っている言葉の中にも、古来からの言葉と明治以降の言葉が混在しています。
【養生】は知っていても、【衛生】は知らないのが庶民の実際。p.144
コロナ禍の現在での〈衛生〉の慣れなさに納得しました。〈養生〉に慣れていた私たち。排除ではなく、共生というか…。
現代の私たちが〈考える〉ということになじめないとしたら、それは学者や先生や僧侶が、昔の考え方を伝える時に、明治以降の新しい言葉だけに依存しているから、一般の方に伝わらないのでしょう。
また、当時の人たちと私たちの間にもミゾがあるのだと思います。その当時の考え方を無理矢理現代に当てはめても無理が生じてしまいます。自戒を込めて…。
でござる…田舎武士
じゃ…武士、生文人、藪医者
でござります…町人
でごぜえす、でげす…落語家、西洋好き
ざます…娼妓、新造
です…芸者、茶屋女p.8
〈です〉は、芸者ことばだったんですね。
明治37年、小学校の国定教科書が、ステーションから【停車場】へ、さらに【駅】へと変わるきっかけとなった。定着するのは、大正3年、東京駅と命名されてから。日本人は【鉄道館】も【停車場】も捨てて、昔からある類似の意味をもつ【駅】に新しい意味をもたせて定着させた。p.60
停車場と駅のはざま。〈駅〉の意味は馬の休み処?東京駅が第一号なんですね…。
【印象】。歯医者で歯形をとるときの、あの作業が「いんぞう」p.100
〈印象〉もよく使う言葉ですが、もともとは、あの歯で噛む紙ですかあ…。
【ちゃう】は辞典の解釈が定まらないほど新しい語だということ。p.162
そうちゃうんちゃうかぁ^_^
福沢諭吉『福翁百話』。【常識】があれば幸せになれると主張している。p.220
福沢諭吉が流行らした〈常識〉?
近松秋江「ありのままに観察する」ことが【科学的】であると主張。p.232
ありのままに観るって、これ仏教そのものなんですけど…やはり科学=仏教か?
そもそも【哲学】という概念は【宗教】とともに日本へ入ってきた。p.244
〈哲学〉も〈宗教〉も新しいからなじめない。だからお寺の法座でもこの二つの言葉は使われづらい。でも説得力には欠ける。
三宅雪嶺。【哲学】はもともと西洋哲学を意味していたが、儒教を中国哲学、仏教をインド哲学と呼ぶようになった。p.245
なるほど…。私は学生の時、インド哲学科に在籍していて、そこで仏教の授業を受けてました。お隣の研究室は〈中国哲学〉でした。その時はその呼称に違和感なかったのですが、インド哲学、中国哲学って大学以外では全く使われませんもんね。卒業して寺に帰ると、インド哲学?じゃ、仏教の勉強しなかったんだねー、そりゃ大変だ…と地元の仲間が心配してくれました。
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