サブカル大蔵経155赤坂真理『東京プリズン』(河出文庫)
格の違う迫力。何の迫力なんだろう。
今の日本の成り立ちの責任を、大人の男たちが放棄し、少女に押し付け、背負わせた。その罪の意識を、小説を読み進めるうちに感じてしまう。全日本人の原罪。
ディベートという米国式裁判の中、英語と日本語に挟まれながら、そこから紡がれる言葉をたったひとつの武器として、〈多様性の国〉の理知的なクラスメイトや先生も振り払う攻撃は、蘇る真珠湾か。
結局何だったのかわからない戦争とヒロヒト。わからないまま死んでいった日本人と攻撃された外国人。そし