サブカル大蔵経956東海林さだお『バナナの丸かじり』(文春文庫)
東海林式梵我一如。文豪・東海林さだおは退院後も健在なり。さらに斜め上の擬人化は食材だけでなく自らの身体にまで及ぶ。帯の柄本佑さんが言うちっちゃい話が生命の歴史まで大宇宙に昇華する迫力。
油揚げは、あれでけっこう悩んでいるんですね。この生き方でいいのか、と、ずうっと悩み続けていることを多くの人(日本人だけ)は知らない。/豆腐として生まれたからには豆腐で生きていきたい、というのが彼の本心だと思う。p.133.134
本書の真骨頂。このあと、みそ汁の中で…両者は…。
あと…、