サブカル大蔵経810金森修『動物に魂はあるのか』(中公新書)
新書の範疇を超えた問題作。
いや、本来の新書の役割を想起させるような一冊という気がしました。
蝉が壊れた。この言葉を発した途端、大声で叫んでいた女子学生がいたっけ。p.5
『人形論』や『ゴーレム』の金森イズム満載の遺作ともいうべき入魂の一冊でもあります。
マルブランシュを見てうれしそうに近寄ってきた雌犬を、マルブランシュは出し抜けに蹴っ飛ばした。その雌犬は妊娠していたが、彼に蹴られて哀しそうな声を上げて遠ざかっていく。(中略)マルブランシュ「おやおや、あなたは知らない