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夫に野獣といわれてうれしかった話
今朝、大好きなほりさんのこのツイートを読んでふと思ったことを書いていこうと思う。(長い上にノロケと自慢が要所に挟まれるので嫌な人はスルーしてね!)
皆ね無責任に「40以上で転職無理」とか言わんで欲しい。うちでは全然珍しいことじゃない。やりたいを40以上だから無理なんて呪いを自分かけないで欲しい。「ほりさん!就職しました」て連絡くる度にさ、
— ほり|デザインスクール運営🎨 (@polittlehori) October 17, 2023
ほらぁ!!!日本広いから!!なめんな!!!!😭👍て思うのよ。バズるのはこういう呟きであってほしい https://t.co/GPDraoULsD
もう3年半になるけど、夫の仕事の都合でスイスに移住して暮らしている。
40年近く日本に住んでいて、まさかの初の海外生活。しかも二人の子連れ。
都市部なら周りに和食レストランや和食材のお店もあろうが、ここは田舎。街の方に一軒だけ店内が独特な匂いのする中華食材のお店がかろうじてあるだけ。詰むわ。
それまでは順調にキャリアを積んできた…と言いたいところだけど、そうでもないわね、振り返ると。
結婚の決め手
都内で丸の内OLとして3年勤めて、いろいろ合わなすぎて辞めてからWeb業界に転身。デザイナーからディレクターまでコツコツとキャリアを積み重ねた。
私はどーしてもどーしても子供が欲しいと思っていたので、30歳過ぎてから妊娠のことを考慮して今の夫と結婚。夫にした理由は「家族というチームを組むのに最適だろう」というロマンスもへったくれもないものだった。
でも周りに何人か好いてくれる男性がいた中で(いたのよ、こんな私でも!w)夫に決めた理由は何気なく聞いた「私のどこが好きなの?」の答えだった。
「君は宇宙」って一言だけ。
夫はフランス人なので、それはもうお疲れっス!みたいなノリで「綺麗だよ」とか「愛してる」って言う人だったのもあって、その意外な一言がなんだかすっごく心に響いて結婚を決めた。(単純!)
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結婚してもなかなか子供を授からなかったので、正社員だった会社を辞めた。
そしたら翌月に妊娠した。
学生時代に、仲良くしていた何人もの友人の父親が立て続けに亡くなったり両親が離婚して、そのどちらのケースも母親がとんでもない苦境に立たされたという話を何度も聞いて、私は「仕事だけは絶対に手放してはならない」と心に固く誓った。
在宅勤務時代の幕開け
正社員を辞めて、少しゆっくりしながら再就職を考えようとした矢先の妊娠。焦ったよね。
ちょうど、知り合いの女性が事業を立ち上げたといって私を誘ってくれたので、裏方のいろいろを一人でやることにした。
まぁ大変だった。スタートアップ企業の裏方全部一人で、って。そりゃもうなんでもやった。Webサイトをいくつも作ったり、事務作業やらなんやら…。1日9時間は働いてた。結婚したばっかりの家で一人で(夫は会社員)。
妊娠してまもなく、家にいるとはいえ激務の毎日で、薄給。あれ多分時給100円くらいだったんじゃないかな…。それでも続けた。楽しかったのもあったし「今、実力になる経験ができてる」って実感があったから。
でも会社員だった夫には全く理解されずにある日鼻で笑われたのね。仕事が〜って話をしたら「仕事?君がやっていることってそんな風に表現できないでしょ?小遣いにもならない額しかもらってないで何言ってるの?クスクス」って。もう悔しくて悔しくて。
家出しました(近所のビジホだったけど)。
そしたら、血相変えて連絡きたよね。基本的に素朴な人なのでびっくりしちゃったんだろうね。
家出するくらいひどいことを言ったと自覚してくれた。
そこから、夫は私が何をしても何も言わなくなった。言ってはいけないと腹の底から理解してくれたんだと思う。
あと単純に、私ががむしゃらに働いてるのは自分のためでもあるとわかったみたい。結婚相手にいつ何があっても金銭面で自分が肩代わりできるようにという気持ちもあって働いているからね。
初回の妊婦時代は絶対安静で、入退院を繰り返す難しいものだったけど、それでも仕事は手放さずに(良い子はマネしないように…)。
ちなみに子供は2歳差で2人授かった。子育てはガチのワンオペ。ど根性。
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在宅勤務のままキャリアを構築
月日は流れ、相変わらず100%在宅勤務でベンチャーのスタートアップ補佐をしながら(要はなんでもできる便利な人)2、3社経験して、一般企業のOLの平均月給くらいは稼げるようになっていた。
からの、突然の移住〜。
厳密に言ったら違うけど、心情的にはぜーーーんぶ手放したって感覚。
仕事も、友人関係も、心地よいライフスタイルも何もかも全部!!全部切り捨てて知らない土地にやってきたって感じ。
ちなみに、今住んでいる場所の言語はフランス語。スイスって少し変わってて、住む場所によって主要言語が違う。公用語が4ヶ国語もある。
うちから少し先に行くとドイツ語圏になっちゃうので、道案内も急に読めなくなるの。同じ国内なのに外国にいる気分。
実は仏文化卒なのでフランス語は割とできる。
でも母語がフランス語の人からしたらカタコト。だからディレクションの仕事なんてとてもじゃないけどできない。
方向転換でデザインの勉強を
そんな時にほりさんがデザイントーストっていうオンラインスクールを立ち上げた話を聞いた(その当時のTwitterのフォロワーだった)。
言葉じゃなくて、手を動かす方だったらチャンスがあるかもしれない!と思って早速応募した。1期生になった。
Webデザインしか知らなかったので、グラフィックデザインについて新しく学ぶことができたし、何よりデザインをもう一度初めから勉強することによってWebデザインについても理解が深まって本当に勉強してよかったなと思う。
コロナ禍で、なんでもオンラインで…というのも私にとっては追い風になるような幸運だった。コロナ以前だったら、外国に住んでいれば日本語のいろいろってほぼ参加できない状況だった。
そしてデザイントーストを卒業したその日に、お声がけいただいた外資の日本法人のインハウスデザイナーのポジションで、今も働いている(100%在宅勤務)。
Webデザインもバナーデザインも、グラフィックデザインも軽々こなせている。
ちなみに、卒業して少し経ってからほりさんに声をかけてもらってデザイントーストのメンター(講師)もしています。Webディレクター歴が長かったのと、いろんな業界を経験していたのでそれを買ってもらった。
仕事が軌道に乗って、少し余裕が出てきたので、今住んでいる場所のローカルコミュニティの門戸も叩いた。地元の繋がりを作ろうとして、今はフランス語も同時に頑張っている。
この歳で新しい語彙をつけるのはかなり苦労しているけれど。
先日、夫がぽつりと「You are the beast(君は野獣だよ)」と言った。
何もないところから3年半で、全く新しいキャリアと人間関係を構築している私を評した一言だった。
その時はなんでもない顔をしていたけど、心の中では嬉しくて、飛び上がりたいくらいの気持ちだった。どんなに言葉を尽くした褒め言葉よりも心に響いた。
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少し前に比べて、良い世の中になってきていると思う。年齢も性別も関係なく、やろうと思えば花開く時代になってきている。
あなたもなんでもできるよ、大丈夫!と言える人であり続けたい。
おわり
プロにインタビューしてもらったふぁむ子の経歴の話もよかったらどうぞ♪