【旧型肺炎(?)入院日記】#3
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さて、突然陰圧室という今までの人生の中で全く出会ったことのない人との出会いに、あまりの謎展開に逆に心惹かれ「やだなにこれ///」的な流れになってしまっていたのですが、体調的にはもう最&悪の激&悪で、一時は死を覚悟したほどでごわした…()
何やらものすごい音のする部屋にベッドがおかれ、トイレも備わっており、もちろんわたしは一歩も外に出ることは許されていない。
まぁ、もしも許されていたとしても、体力的に不可能だったけれども。
朦朧とした意識の中で陰圧室のベッドに横になってはみたものの、
咳と頭痛と発熱の体調不良の暴力にボッコボコにされ、もはやこちとら何も抵抗せずに負けを認めていたにも関わらず、お三方はわたしが眠ることを許してはくれず、ただひたすら目を閉じているだけの状態が続いていた…。
入れ替わり立ち替わり防護服を着用した医療スタッフの皆様方が入室してくる姿を見るたびに、言いようのない恐怖心と諦観が入り混じったような気持ちになっていた。
「ああ… わし社会的に死ぬのかもなぁ…」
と、ぼんやり思いながら、目の端にツツーッと流れる涙を人知れず拭ったりしていた。(あら珍しく弱気なこのひと)
その上、陰圧室の圧を保つための機械の音が、更なる不安を煽りにくる…
これまで生活の中で感じてきた騒音というものには必ず「音のゆらぎ」のようなものがあった。
不安定な音の波形が不定期に押し寄せてくるという不快さが、これまでのわたしの思う「騒音」というものだったのだけれど、
陰圧室の音はこれとはまるで趣を異にしていた。なにしろ「音のゆらぎがまるでなし」だったのだ。常に一定の不安な音が鳴り続け、途切れることがない。
そして、その「不安定の一定」がどれほど精神的殺傷力が高いかを初めて知った。
虚ろな意識の中で繰り返し訪れる短い眠りの中で、今まで見たことのないような夢を何度も見た。
地面の奥深くに引きずり込まれるような夢や、空からもの凄い勢いで落下していく夢を何度も見て、夢でありながらも上から下に引きずり込まれる感覚がとてもリアルで、その都度ベッド脇の柵を手でガッと掴んで目を覚ます… これがエンドレスリピートだった…。
この状態がもし三日続いていたら、確実に発狂していたと思う。
【結論】陰圧室は実に陰鬱だった (ドドンッ)
つづく