【旧型肺炎(?)入院日記】#5
さて。
時は過ぎ、検査結果の発表の時刻が迫ってきていた。
もう腹は括ったとは言え、もしも陽性だった場合、この先周囲にかける迷惑の大きさの度合を思うとやはり身も心も潰されそうなほどだった…。
15時は刻々と近づいてくる。
もし陽性だったらどこの病院に移送されることになるんだろう?
家族にはしばらく会えないのだろうか?
全快したとしても、仕事は続けられるのだろうか?
みんな気味悪がって近づいてこないのでは…
ああ… 他の陽性患者さん方もきっとこんな思いをされていたのだろうな…
まぁぁぁぁ~様々な思いが駆け巡りながらも、15時が過ぎていく。
まだお知らせはこない…。
どんな風にお知らせがくるのだろうか…。
判決を待つ被告人のような気持ちでベッドの上にトドのように転がっていると
入り口の引き戸が勢いよく開いた。
それまでは防護服で完全武装した方々しかお出ましにならなかったのに、
ノー武装の看護師さんが入ってこられている。
その瞬間に、言葉はなくとも全てが伝わった。
「よかったですね! マイナスでしたよ!」
安堵で体の力が抜けていくのがわかった。
そして、泣き崩れてしまった。
「ほら! あんなに思い悩んだ時間がもったいなかったでしょ! よかったねぇ!」
まるで我が事のように喜んでくださった先ほどの看護師さん。
何故お顔とお名前をしっかりと拝見しておかなかったのか悔やまれるばかり…。
菓子折りの下に黄金色の小判型のお菓子をギッシリ敷き詰めて差し上げたいくらいだ(悪代官と越後屋)
それにしても。
わたしがもし感染していたならば、もうこの市内全員が感染してもおかしくないだろうと思うほどに、感染対策はバッチリだったという自負がある。
授業の対面も間にビッシリとビニールシートを張りめぐらせているし、この間なんてプリントを手渡そうと思ってビニールシートの向こう側に行ったら
「実在する人物だったんですね…」
と言われるほどに生徒と直で触れ合ってはいない。(会話のセンスありすぎません?うちの生徒?)
ダイソンの空気清浄機、加湿器、222の紫外線ランプ、換気扇、アルコール消毒 etc…
それはそれはあらゆる対策を講じながら今日までがんばってきたわたしが感染したとしたら、もう全員感染してるだろう。
それくらい気持ちを張ってここまで過ごしてきたので、マイナスの結果に涙しながらも、今までの自分の感染対策は間違ってなかったんだー!と、大空と日本海に向かって叫びたい気持ちだった。