私の業務内容 その2
いつも私のブログに訪問頂き、ありがとうございます。
ここのところ寒い日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
本日は昨日お伝えした通り、私の業務内容のうち2番目『嚥下機能評価』についてお話ししていきたいと思います。
②嚥下機能評価
まず、『嚥下機能』とは食べ物を口に取り込んで飲み込むまでの機能のことを指します。経口摂取(=口から食べること)は、人類のみならず多くの動物にとっても至福のひと時をもたらし、栄養摂取の観点からも重要ですが、その根底にしっかりとした嚥下機能がなければ成り立たない訳です。
この一見シンプルな機構は、実を言えば想像以上に複雑で奥が深いのです。具体的には、歯牙、舌、軟口蓋(のどちんこ)、咽頭筋、舌骨上筋群、食道入口部などの多種多様な器官で最適な条件が整い、それらが協調的に働くことで成り立っています。その機構の詳細についてはまた後日お教えしたいと思いますが、仕事の流れは大まかには以下のようになります。
①患者さん達の現状の把握
嚥下評価を依頼された患者さん達につき、カルテから情報を拾います。
②初期評価
口の周りや首の周りの動き、喉頭の上がり具合などを診察を通じて評価します。
③スクリーニングテスト
簡便なテスト(例: 水飲みテスト)を通じ、嚥下機能障害の有無を推測します。
④諸々の検査
より詳細に異常のある部位を把握すべく、以下の検査を行います。
[検査の種類]
・嚥下造影検査(VF) ※写真左側
バリウムを付加した食品を用い、患者さんにX線を当てて行う検査
・嚥下内視鏡検査(VE) ※写真右側
患者さんの鼻から内視鏡を入れ、咽頭内部の様子をリアルタイムで映し出しながら行う検査
・フードテスト(聴診法)
患者さんの喉に聴診器を当て、嚥下する時の音や嚥下後の声の性質から嚥下障害の有無を判定する。
※軽症の場合、もしくは上2種類の検査が不要or不可能な場合に行う。
⑤食形態の提案・嚥下リハビリテーションのオーダー
①〜④の結果を総合し、最適と思われる食事の形態を患者さんに提案します。必要に応じて嚥下リハビリテーションも患者さんの了承を得てオーダーします。
経口摂取の可否は患者さんのQOL(生活の質)を大きく左右し、転院が必要な場合では転院先の選択肢の幅も大きく変化し得るため、嚥下評価はリハビリテーション科の重要な仕事なのです。
長くなってきたので、本日はここまでにしたいと思います。
ではまた明日!