【藝人春秋Diaryラジオ書き起こし⑥-1】歌う放送作家 植竹公和のアカシック・ラジオ 2021年12月3日配信分
オープニング
植竹公和(以下、植竹)「こんにちは。歌う放送作家の植竹公和です。この番組はボクが今どうしてもこの人の存在を多くの方に知ってほしい。そんなボクのレーダーに引っかかった方をご紹介する番組です。本日のゲストは、もうおなじみ水道橋博士さんです!」
水道橋博士(以下、博士)「こんにちは。お久しぶりです。お久しぶりっていうか」
植竹「今年2回目」
博士「2回目ですね。細田昌志君と一緒にね、出ましたね。細田君の本、講談社(本田靖春)ノンフィクション賞取りましたよ」
植竹「すごいね~!」
博士「快挙ですよ。『メルマ旬報』に連載したノンフィクションがね、あんな大きな賞取るなんて」
植竹「だけど博士あれだよね。1冊目の『藝人春秋』って大宅壮一(ノンフィクション)賞の候補じゃなかったっけ?」
博士「それは『お笑い男の星座2』の時に、大宅壮一賞の候補っていうか下読みに上がってたんですね。花田(紀凱)(2004年当時『編集会議』)編集長が支持して「これもノンフィクションになるんじゃないか」って。そういうのがありましたね」
植竹「へぇ~」
博士「『藝人春秋』の1の時は講談社エッセイ賞の候補にはなりました」
植竹「ということで編集者としても活躍しておりますけども。しかしあのぉ、博士のSNSを見てるとですね、非常に驚異的な1日のスケジュールを日々こなしていらっしゃいます。起床時間がですね、夜中の2時3時なんて」
博士「2時3時はまあ珍しいです。4時は起きてることが多いですね」
植竹「まるでお寺の修行僧みたいな生活でございます」
博士「生島ヒロシさんより早起きかもしれませんね」
植竹「そうだよね! だけど何時に寝てんですか?」
博士「11時12時には寝てますけどね。でも3~4時間で目が覚めるのは間違いないですね」
植竹「それですっきりしてんの?」
博士「起きる時は“MacBook Air起き”っていって、パーンって起動音とともに自分が起きるってイメージをしてるからパーンって起きるんですよ」
植竹「へぇ~~」
博士「パーンって起きるんですけど、昼あたりに眠いですね」
植竹「やっぱり!」
博士「猛烈な眠気を抱えて、なんか倒れ込むみたいに10分ぐらい寝るっていうのは昼あたりにありますね」
植竹「なるほど。ということで水道橋博士を迎えて今回の前半戦は【博士の異常なる日常】と題しまして、毎日のルーティーン、そして現在進行中のお仕事の日々を具体的にお話していただきたいと思います」
博士「はいはい」
日記の話からの炎上の話
植竹「起きてすぐ、何やってんですか?」
博士「起きたらすぐに日記書いてますね」
植竹「もういきなり!?」
博士「いきなりですね」
植竹「前日の?」
博士「前日のやつで。あとは音楽をかけたりしてますね。Juice=Juiceとかかけたり」
植竹「Juice=Juiceって今、流行ってるんですか?」
博士「Juice=Juiceってグループがあるんですけど、いろいろオレが舌禍事件もあったり。まあいろんな因縁もあるんですけど」
植竹「へぇ~」
博士「今、和田彩花さんの曲。今度トークショーやるんで全部聴いたりするのをやってますね。でも基本、日記書きます」
植竹「へぇ~~」
博士「日記はだいたい1時間から1時間半(かけて書く)」
植竹「結構、時間かけてるね!」
博士「5,000字ぐらい書く時があるんですよ。その時は確実に2時間かかりますね。なるだけ1,500字以内にしろってママ、カミさんにすごい言われるんですよ」
植竹「(笑)」
博士「それを言われて。「読まないから、そんな長いの。興味ないから」って」
植竹「第2の編集長がいるわけだ」
博士「編集長なんですよね。ボクだいたいnoteに書いてるんですけど。noteってソフトですけどね。アプリですけど、インターネット上の。そこに発表してるんですけど、それをAmebaブログにウチの奥さんが移植してくれるんですよ」
植竹「そこまでやってくれるんだ!」
博士「やってくれるから、その時にいつも書き間違いであるとか、これは書きすぎであるとか、こういうコンプラ的に今これダメよっていうのをね」
植竹「校正者(笑)」
博士「校正。いやいやもうね、来年60(歳)ですから何にも気にもしないで、いつの間にかセクハラしてるとかありますからね」
植竹「ダメじゃない(笑)」
博士「いや、あるんです、あるんですよ。だって徳光(和夫)さんなんてボクのYouTubeに出て」
植竹「そうだよね!」
博士「あんなのスタッフを含めて誰も気が付かなかったですからね」
植竹「オレもヤバいと思ったんだけどね」
博士「ヤバいとパッと聴いた時、思います?」
植竹「思えたの」
博士「思いました?」
植竹「今、このご時世」
博士「そうですか。やっぱそういうところでいうと“セクハラとパワハラを中心とした芸能のたけし軍団”で育ったんで、ちょっと鈍いんでしょうね」
植竹「だけど、それだけ博士の対談観てんだね」
博士「いやいや。あれはYouTubeまで行って拾ってきてる人がいますよね。テレビでやってるわけじゃないから。そっから“超ド級のセクハラ失言”みたいなタイトルを打つじゃないですか。やっぱそれは切り取りの悪意がありますよね。これを広げて炎上させてやろうっていうね。それでだから許されるってことじゃないですよ、自分自身がね。スタッフを含めて反省会やったし、やっぱ気を付けていこうとはなりましたけどね」
植竹「なるほど」
博士「だけど「AKB(48)に謝れ」って、どうやって謝るのかさっぱりわからないですよ」
植竹「(笑)」
博士「まず謝るのはAKBって。AKBの具体的に人の名前を言ってるわけでもないし、顔を思い浮かべてもないし」
植竹「そうだよね。徳光さん全然悪意もまったく無くて」
博士「悪意なんか無いし、全編そのYouTubeはオレが徳光さんが80歳になられて、若い頃にオレの司会した番組でお世話になったっていうのを、とにかくその恩返しをしたいって意志で呼んでるわけだから、それをその一言だけ切り取ってものすごくあんだけ徳光さんを…あれ韓国にまで飛び火したっていうんですから。だからすごく不本意ですよね、ああいうこと自体はね」
植竹「なるほど」
博士「だからどういうふうに炎上っていうのは止めていくのか。謝ると逆にもっと炎上しますからね。謝り方が悪いっていうことでね。太田光君なんかも最近の選挙特番のやつも炎上に次ぐ炎上でね。オレなんか燃え移ったけど」
植竹「そうそうそう(笑)」
博士「SNS社会ってホント難しいですよね」
毎朝作るモーニングの話からのCMの話
植竹「う~ん。それで朝食の」
博士「あ、モーニング。最近ね必ず自分で」
植竹「自分で作ってるね」
博士「バルミューダが家にあるっていうことを。自分で買って家族に差し上げたんだけど、ボク自身があんまりパンが好きじゃなかったから10年以上使ってなかったんですよ」
植竹「すいません。バルミューダって何ですか?」
博士「トーストを焼く専門の特化したトースト焼き機です」
植竹「なるほど」
博士「トースターっていうの、なんていうのかわかんないけど。すんごい絶妙に焼けるんですよ、食パンが。それがあるんだ、って気が付いて美味しいトーストを焼こうと思って、そっから凝るようになって。ウチのカミさん自体は子供3人のお弁当を毎日作ってるから、そのお弁当の残り物ができるんですよ。その残り物を駆使して、いかにこうお皿を彩るか。それがものすごい自分の中の課題になっていって」
植竹「なんか女性誌みたくなってきたね」
博士「そうなんですよ」
植竹「ムダにならないなんとかみたいな(笑)」
博士「そっから味変に凝っちゃって。桃屋のきざみにんにく、きざみしょうがだ。きざみしょうががいかにウマいかっていうのを奇妙礼太郎君ていう歌手に教えてもらって」
植竹「ああ、ああ、ああ、ああ」
博士「そこから毎日きざみしょうがの味変ができる料理っていうのを凝っちゃって」
植竹「(笑)」
博士「オレぐらい、きざみしょうが使ってる人いないですよ」
植竹「はっはっはっはっは。そろそろCMが」
博士「そういう話してたんですよ、ライブの中で。「CM(出演オファー)が来るとしたら奇妙さんに来るんですよ」って話になってたんだけど、実際に名古屋でオレにやってくださいって話が来て」
植竹「あ、ホントぉ!」
博士「実現まだしてないんですけど。話があります、ってのはありましたね」
植竹「博士ってさ、CMって出たことあんの?」
博士「ありますよ」
植竹「それは何に出たの?」
博士「(S&B)5/8チップ」
植竹「あ~~! あったぁ。メジャーだ」
博士「メジャーやってますよ。「とんねるずの後は浅草キッドだ」って時代ありましたからね」
植竹「ポストとんねるず」
博士「ありましたよ、ホントに。ニッポン放送の社長(※時期的に川内通康?)が「我が社は浅草キッドを押さえてます」って年頭に言ったことあるんですから」
植竹「うわぁ~~すげぇー!」
博士「そっから免許証事件が発生して」
植竹「そうですね」
博士「低迷していくっていうね。変装免許証事件を起こし、謹慎が続くという」
散歩の話からのラジオの話
植竹「え~、それでね。今日も四ツ谷から半蔵門まで」
博士「歩いてきましたね」
植竹「歩いてきたっていうんですけど、毎日?」
博士「毎日歩いてますね」
植竹「相当な距離歩いてるでしょ?」
博士「相当な距離歩きすぎて」
植竹「うん」
博士「足の爪がほぼ全部はがれていって」
植竹「やめなさいよ(笑)」
博士「だけど基本は設定は江戸時代なんですよ。“近世を自分に置かない”っていうことで。近代か。近世はあれか。だから江戸時代なんかの自分の設定を作って、今こうやって江戸を歩いてるみたいな」
植竹「ああ~~~」
博士「乗り物をまず設定してないんですよね」
植竹「そうだよね」
博士「ていうのはオレ、20年以上、運転手がいたので」
植竹「そうだね」
博士「鈴木秘書っていたので、電車の乗り方がわかってないんですよ」
植竹「そうなんだぁ! 和田アキ子さんみたいだねぇ(笑)」
博士「そうなんですよ。でも今もう、かなり使いこなしてますよ。電車も都内の地下鉄っていうのは、オレの中でダンジョンだって言って。二者択一のイエスノー・マークどっちだってポンと乗ってみて、連れて行かれるままに「わぁさっきの間違えた!」って言いながら辿り着くっていうゲームをやってるんですよ」
植竹「え~! 危ないねぇ、仕事に間に合わなかったらヤバいじゃないの」
博士「そうですね。でもすぐClubhouseとか開いて、「今オレここにいるんだけど、どこに何乗ったらいい?」っていうのを」
植竹「ああ、ああ、ああ」
博士「教えてもらうんですよ。だから常になんかあれですね。遠隔操作されてるゲームを自分の中でやってるみたいな」
植竹「しかもなんかよく芸人誘って歩いてるでしょ?」
博士「芸人ていうか、利根川(亘)さんていう、その人ってフリーで物品の販売してる人だから毎日時間あるんですよ。定刻に何かをやるってことじゃないから。その人が近所にいるんで、その人はほぼ毎日来て歩きますね」
植竹「しゃべりながら歩く」
博士「しゃべりながら歩きます。この人は浅草キッドのマニアだから、いろんなネタを知ってるんですよ。こういうネタありましたねとかって言ったり、いろんな雑談で言うんですけど、それオレのネタだからみたいな(笑)。オレが作ったネタだからみたいなのを言いながら。めちゃめちゃ楽しいです。おじさんぽって言ってんですけど」
植竹「おじさんぽ(笑)。ひとりの時は?」
博士「ひとりの時はラジオ、ポッドキャストを聴いてますね」
植竹「すごい聴いてるでしょ」
博士「めちゃめちゃ聴いてますね」
植竹「だいたい必ず聴くラジオって何ですか?」
博士「ビバリー(昼ズ)の高田(文夫)先生のなんかは必ず聴くし、今聴いてないけど霜降り明星のオールナイトニッポンとかニューヨークのYouTubeとか第7世代のとかはすごい聴きますね」
植竹「面白い?」
博士「面白いですね。なんかもう第7世代ぐらいになると会ったこともないし、純粋に宝塚みたいな感じなんですよ」
植竹「どういうこと?」
博士「第何期の子がいて、先輩や後輩に誰がいて同期に誰々がいて、今がんばってるから彼らを絶対に守ってあげようみたいな」
植竹「応援しちゃう」
博士「そうそう、宝塚みたいな感覚なんですよ」
植竹「ああ」
博士「自分が一緒になって制圧してやろうみたいな、ああいうのが無いですよね」
植竹「う~ん、そうか。霜降りはボクも好きだなぁ~」
博士「好きですよね。ていうか最高に天下取りが近い感じがするじゃないですか」
植竹「ちゃんと吉本の漫才師って感じするよね」
博士「そうですよね。あと松村(邦洋)君なんですよね」
植竹「まっちゃんね」
博士「いや、小っちゃいほうね。粗品じゃない」
植竹「はいはいはい。もうひとりの人ね」
博士「彼はホント、松村君と同じ能力なんですよ。『(笑って)いいとも!』の最終回とかを全部写真記憶で覚えてるんですよ。だからそれを全部再生できたりするんですよ」
植竹「へぇ~~~~」
博士「なんで今、粗品じゃないほうになっちゃってんだろう。せいやね」
植竹「せいやだ、せいや!」
博士「お年寄りのラジオだから(名前が)出てこないですね」
植竹「私もフォローしきれない」
博士「他にもいろいろ聴いてますよ。『アカシック・ラジオ』も聴くし。オレの関係者が出てるラジオは全部チェックするし。まあ忙しいですね。そういう耳で聴くやつのソフトって、すごい増えてるじゃないですか」
植竹「ああ、そう」
水泳ウォークマンで『ご歓談!』の話
博士「だからもう、えっらいそれを聴きたくなって。あとみうらじゅん、いとうせいこうの『(ラジオ)ご歓談!』とかあるんですけど」
植竹「ああ、ありますね」
博士「あれも今全部聴いてて、プールの中でも聴いてるんですよ」
植竹「らしいね!」
博士「水中ウォークマン。もうね無限ですよ! 何時間でも泳いでられる。それで泳ぎ際にすれ違う時にオレがいつも笑ってるから」
植竹「はっはっはっはっは」
博士「プールですれ違う紳士淑女の人たちが、みんな気持ち悪がるんです」
植竹「はっはっはっはっは」
博士「ゲラゲラ笑ってるから」
植竹「いやぁ~ボクも泳ぎに行ってますね」
博士「結構プール行かれるって言ってましたね」
植竹「プールは行きますけどプールの中では」
博士「プールの中で聴かなかったら、プールってすごい退屈じゃないですか」
植竹「退屈ですね、確かに」
博士「でしょ。前にプールの中で泳ぎながら自分の経験した女性のその時にどんなことしたっていうのを思い返すっていうのをやったんですよ。そしたら、すぐ尽きたんですよ」
植竹「はっはっはっはっは」
博士「1ヶ月ぐらいで尽きて」
植竹「ええ~~~~」
博士「プールの時の無って、すごい難しいですよね」
植竹「水が染み込まないやつってあるわけ?」
博士「あるんですよ。MP3で入れていって、今ギガバイトがすごい大きいやつがあるんですよ」
植竹「へぇ~~~~~。いいなぁ」
博士「ホントめちゃくちゃイイですよ。自分のご褒美に買ったほうがいいですよ」
植竹「はぁ~。結構高いんでしょ?」
博士「高いやつは3~4万しますね。でも1万ぐらいでギガ数の少ないのはあります。SONYから出てますよ」
植竹「はい。SONYのCMが来るでしょうか(笑)」
博士「オレぐらい使ってるヤツ、いないですからねホントに」
ツイキャスの話
植竹「あとそれに、ツイキャスっていうのやってますね」
博士「ツイキャス、今62日連続でやってますね。これ1時間から2時間やってますから。毎日「あ、ツイキャスやんなきゃ」っていうね。「ツイキャスのネタ作っとかなきゃ」とかって」
植竹「それ、なんでやってんの?」
博士「ツイキャスはね楽しいんですよ。なぜならば4~50人の人が毎回同じメンバーなんですよ。毎日やってんのに。でも全国津々浦々にいるんですよ」
植竹「太い客が」
博士「太い客っていうか、お金もらってるわけじゃないから太い客じゃなくて」
植竹「ああ、そうだね」
博士「精神的なつながりがある人が都内ではなくて、沖縄から北海道までオレのことを好きでずっと何十年も見つめてくれる人がこんなにいるんだっていう。もう喜びしかないですね。「昔こんなこと言いましたね博士」とかっていうのを、書き込んでくれるんですよ。すンごい楽しい。楽しいっていうか、オレ老人ホームとかいらないなって思ってますからね」
植竹「なるほどね」
博士「ツイキャスあるから、ここでしゃべりながら。それで50人ぐらいって適正じゃないですか、話が拾えるし。で、全部話がわかるんですよ」
植竹「へぇ~~~~」
博士「昨日なんて小山卓司っていう昔いたシンガーの」
植竹「いましたね」
博士「今もやってるんですけど、65(歳)ぐらいですけど。『パッシングベル』っていう曲をオレが思い出すっていうアハ体験に、ずっとみんな付き合うっていうのをやってて。で、最後オレが感極まって泣くっていう」
植竹「やめろよ(笑)」
博士「もうダメなんですよね、涙腺が弱くて」
植竹「わかりますねぇ」
博士「おセンチメンタルなんですよ、みんな女の子は若い女の子はね。でも老人の男はドセンチメンタルなんですよ」
植竹「ドセンチメンタル(笑)」
博士「これ、みうらじゅんさんが作った言葉で、とにかくなんで泣くかって。なんでもないところで泣いてる老人はドセンチメンタルだからって。ドセンチなのはテレビは恥ずかしいじゃないですか。ツイキャスだと恥ずかしいけど、許せるっていうか50人ぐらいの人だから。ホント楽しいですよ。オレ、ホント老後苦労しないなと思いますね、ツイキャスとか。Clubhouseとかもやってたし」
植竹「Clubhouseね。さっきも話に出てたけど。これはなんのためにやってんですか?」
博士「Clubhouseはやりませんでした?」
植竹「やらなかった」
博士「Clubhouseは最近オワコンになってきましたけど、それはそれで楽しくて」
植竹「なんかさあ、1日誰かと四六時中つながってるよね」
博士「そうですよ。しかもウンコチンコのチンコっていうヤツがいるんですけど」
植竹「ああ芸人さんね」
博士「芸人で。そのチンコが面白くて、そいつも松村君なんですよ。発見されない松村君なんですよ。何をやらしてもものまねができちゃうんですよ」
植竹「はぁ~~~~」
博士「プロレスと下ネタに特化してるんですよ」
植竹「そうだよね」
博士「そいつが面白すぎて、そいつの面白さを引き出すためにやってるみたいなもんですね。だって松村君とだったら24時間ぐらいしゃべってられるもん。ずっと無茶振りしてりゃいいんで」
植竹「そうだよね」
博士「松村君もしょっちゅうツイキャスに出てるんですよ。オレのとこに電話かかってくるから、その電話をそのまま放置して流すから、毎日30分から1時間ぐらいものまねさせられてるんですよ。それで事務所に怒られてるらしいから「ツイキャスやってるからね」って言ってます」
『アサヤン』『博士の異常な対談』の話
植竹「金にならない芸をやめろって(笑)。配信の仕事は多忙ですが、『アサヤン』『阿佐ヶ谷ヤング洋品店』を今年から始めたの?」
博士「今年始めたんです。今年ねMX(テレビ)のレギュラーが終わって、地上波のレギュラー番組が30年ぶりにゼロになったんですよ」
植竹「ゼロ!!」
博士「今まではゼロなんてなかったんだけど、なくなったなと思った時に待ってるのが嫌で、だったらオレ、テレビ自分でできるから」
植竹「なるほど」
博士「これライブで2時間半ぐらいを収録するんですけど、それを編集…CMもあるんですよ。近所のお店を」
植竹「高円寺のね」
博士「高円寺、阿佐ヶ谷のお店のCMを撮って、そのCMを流しながら60分のYouTubeに作ってるんですよ。毎週流してるから、要はテレビ番組なんですよ」
植竹「そうだよね」
博士「自分で台本書いてんですよ。自分で台本書いて、事務所ノータッチでオレが直接キャスティングやって直接タレントさんに電話して出ていただいて、タレントさんの事務所に請求書・領収書を自分で書いてるっていう」
植竹「はあ~~~~~~」
博士「ものすごいそれは勉強になったなあ、自分では。テレビのキャスティングって、どうやってできあがるんだっていうのが、この人のスケジュールがNGでこの人のスケジュールがOKな時に、どういうふうに調整してハメていくかみたいなのが。こういうふうにできてんだっていうのを思うし」
植竹「面白いでしょ、それ」
博士「面白い。あとライブギャラなんで。テレビに出る人とまったく同じ人が出てるからライブギャラなのに出てくれるっていうのが嬉しいですよね。お金じゃないんだよってことで出てくれるんで。言ってみりゃ、テリー(伊藤)さんも最近出てくれたし、ひがしのりん(東野幸治)とか西野(亮廣)だとか近田春夫さんとかやってるし。(寺門)ジモンさんとか出てくれてるし。今度は劇団ひとりが出てくれるんで」
植竹「地上波だね、完全に!」
博士「完全に地上波ですね。すごい無名な人が出るっていうことではなく。古舘伊知郎さんも出ていただいて嬉しかった」
植竹「そうだ、古館さん出たね~」
博士「古館さん、村松友視さんの代打で出ていただいたんです。村松友視さんがワクチンの2回目を打つんでNGになって。80いくつ(81歳)ですからね」
植竹「(著書は)なんだっけ?」
博士「『私、プロレスの味方です(金曜午後八時の論理)』」
植竹「ほぉ~~~~」
博士「それを3月から26回やってるんで。とにかく毎週ライブがあって、毎週キャスティングしながら毎週台本書いてんですよ。企画が全部違いますからね」
植竹「大変だよね」
博士「大変ですよね。その間に人の本も読んだりしながら。それであと毎週、YouTubeの『博士の異常な対談』っていうのが」
植竹「これね、『異常な対談』。これもキャスティング、すごいわ」
博士「これは『博士の異常な』シリーズって10年ぐらい鼎談番組をやってたんですけど」
植竹「やってました」
博士「宮崎哲弥さんと。そのスタッフが「博士、レギュラーがなくなったんだったら、また一緒に集まってやりましょう」っていうことで。これは先行投資っていうか、ケイマックスの小西(寛)さんていう人が自費でやってくれてるんです」
植竹「すごいね~。旦那まで付いてるんだ」
博士「旦那っていうか、ありがたいですよ。オレが(仕事)ゼロだったら、ちゃんと(仕事を)申し込みますよっていうことですからね。貴方はできるんだっていうことを教えてくれてるわけだから。ただ、この対談ではオレがボケてはいけないっていうルールがあるんですよ」
植竹「確かにそうだ、ずっと観てると!」
博士「これ全然ボケずにインタビュアーとして完全に切り込んでいくっていう内容で。あと政財界みたいな話題が多いですよね、ジャーナリズムとかね。あとは伊東四朗さんとか徳光和夫さんとか会っとかなきゃっていう方の話を。芸歴を全部踏まえてイチから聞いていくっていうので。これ準備もものすごいしてるんですよ」
植竹「そうだと思うよ」
博士「徳光さん伊東四朗さんの資料を大宅(壮一)文庫の全部の資料を当たってるから」
植竹「伊東四朗さんって、本そんな出してないでしょ?」
博士「そんなこともないですね。7~8冊はあるんですけど。芸歴がもう85歳(正確には84歳)ですからね。そうなってくると年表も作ったりしながらやるんですけど。もともとオレはそういうのが好きっていうか素養もあるからできる感じですけど、やってて楽しいですね」
植竹「なかなかね『徹子の部屋』では聞けないような深い話がね。伊東四朗さんなんか聞けたんですね」
博士「『徹子の部屋』のスタッフがやってるのを自分がやってるみたいな感じですね」
植竹「なるほどね」
博士「全部下読みも自分でやってるっていう感じです」
『メルマ旬報』の話
植竹「そして『メルマ旬報』の編集長も」
博士「今、執筆者60人いますからね。60人超えてるんですよね」
植竹「これもどのぐらい経ったんですか? やり始めて」
博士「もう10年経ちます」
植竹「へえ~~~~」
博士「最近、ニューヨークの嶋佐(和也)とヒコロヒーをスカウトして、今書いてもらってますけど」
植竹「おぉ、すごいですね」
博士「そういう人も入れていきながら。あんな忙しいふたりが一生懸命書いてくれるの嬉しいですね」
植竹「うんうんうん。まだ岡村(靖幸)ちゃんもやってるの?」
博士「岡村さんもオレと対談でやってますよ」
植竹「今まで書籍化されたものってのは、どんな本があるんですか?」
博士「思いつくだけ書いてきたんですけど、14~15冊ぐらいありますよね。細田昌志君の『格闘技を創った男』…『沢村忠に真空を飛ばせた男』か。これは講談社ノンフィクション賞を取りましたし、エムカクさんの『明石家さんまヒストリー』は今2巻目ですけど」
植竹「そうだねぇ! これもすごい本だ」
博士「あれは確実に10巻ぐらいはいきますからね。『ローマ人の物語』みたいな話ですからね」
植竹「そうそうそう」
博士「一番新しいのは立川談慶さんが書いた『天才論 立川談志の凄み』っていうのが」
植竹「あっ、出ましたか」
博士「これはオレが頼んで書いてもらったもので新書になりました」
植竹「博士は出版社の編集者に頼むわけ?」
博士「書籍化は頼んでないですね」
植竹「それは違うんですか」
博士「それは頼んでなくてオレを通さなくてもいいルールになってます」
植竹「そうなんですか」
博士「町山(智浩)さんに「だったらなんでそれ出してるか、さっぱりわからないよ」って」
植竹「ホントだよね(笑)」
博士「「普通はそこを何パーセントか抜くのが仕事なんだから」っていう。そこをやってないですボクは」
『BOOKSTAND.TV』の話
植竹「そして『BOOKSTAND.TV』っていうのも」
博士「ずっとやってますね」
植竹「BSトゥエルビ」
博士「これは長くやっていて、芥川賞作家なんかも来ますからね」
植竹「朝井リョウさん出てましたね」
博士「朝井リョウさん、こないだ出ていただきましたね。あと金原ひとみさんも出ていただいて。芥川賞・直木賞作家も出てくださるようになったんで、出版界に認識されるようになりましたね」
植竹「すごい、すごいなぁ」
博士「本の番組やるから最新作を読んでおかなきゃいけないから、そういう意味だと月イチ収録してますけど、その準備は大変ですよね」
植竹「そうでしょ」
博士「作家が来るとなると大変じゃないですか?」
植竹「そうそう」
博士「タレントなら、まだ斜め読みぐらいのあれで」
植竹「小説読むの大変だよね!」
博士「大変ですよ。オレも老眼がひどくて」
植竹「やっぱりあれでしょ? 実録物のほうが早く読めない?」
博士「好きなのは好きですね。ノンフィクションのほうが読み込んでるから読めるんだけど、小説はそういう意味ではまた読むようになって金原ひとみさんの本なんて、めちゃめちゃ面白かったです」
植竹「『(文学賞)メッタ斬り』になりそうだね」
博士「『メッタ斬り』よく聴きますよ」
高円寺にある銭湯・小杉湯の話
植竹「ありがとうございます。そして、なぜか高円寺の小杉湯に必ず入ってるっていう」
博士「小杉湯となりっていうコワーキングスペースができて」
植竹「となり?」
博士「となりに。現代建築でできていて」
植竹「そうなんだ」
博士「月2万円で小杉湯の銭湯券10枚も込みなんですよ。そこで勉強部屋があるんですよ」
植竹「勉強部屋!?」
博士「個室じゃないんですけど。みんなそれぞれの人たちが、それぞれみなさん勉強したりzoom会議とかもやってるんですけど」
植竹「へえ~~~~~」
博士「そこに籠ってますね。休みの日っていうか、仕事が無い時はずっとそこにいますね」
植竹「え~~~面白いねぇ~」
博士「ひたすら読んだり書いたりしてるから追いつかないんですよね。そこに行って追い込まないと。そこ老若男女いて、オレがいる部屋なんかはみんな試験勉強やキャリアアップのことをやってるのか、みんな黙々とやってるんですよ。すごい刺激になりますよ」
植竹「ボクも大学生の頃ね、小杉湯に通ってたんですよ」
博士「そうですか。もう長いですからね、小杉湯ね。高円寺にいて?」
植竹「うん」
博士「日本で一番流行ってる銭湯だと思いますよ、今。すごいですから」
植竹「面白いね、そういうとこがあると」
博士「銭湯コミュニティって日本中広がっていって若い人と老人とをコネクトできるし、そこからビジネスの展開や地域活性化なんかできるんで、すごい成功例だし日本中から注目されてますよね」
植竹「江戸時代からね、銭湯っていうのはね」
博士「そういってみればね」
植竹「浮世風呂なんて落語にもあるし」
博士「そうですよね。そこの掲示板でいろんなサークルができるんですけど」
植竹「そうなんだ」
博士「そこには関わらないようにしてるんですよボクは」
植竹「そうなの。なんで?」
博士「わりとそういうのリーダーシップを取っちゃうタイプなんで。そうすると「老害のくせに」って自分で言うんですよ。若い人に命令したり「こうしろ、ああしろ」って言いだすじゃないですか。そうしないようにしようと思って」
植竹「なるほど」
博士「でも刺激になりますよ。若い人が働いている現場をちゃんと横で見れるっていうのは。コミュニケーションってこんなふうにしてんだとか、女性が仕事に参画してプロジェクトを進めるってこんな感じで会議してんだとかっていうのは、すっごい勉強になります。今までたけし軍団でホントにセクハラとパワハラの中で芸能をしてきたんで」
植竹「せまいねぇ~」
博士「すごい新鮮ですよ、人が働く様が」
エンディング
植竹「ということでですね、前半戦ここまででございますが告知ございますね?」
博士「告知は何にしましょうか?」
植竹「まずは『藝人春秋』」
博士「はい。『藝人春秋Diary』っていうボクの『藝人春秋』シリーズの3作目がスモール出版から今、出版されてます。560ページあるめちゃめちゃ大作なんです」
植竹「すごいね~。カップヌードルのフタにしたいね(笑)」
博士「ぐらい重さもありますね。ちょっとレンガぐらいな感じがありますからね。TBSに持ち込んだ時にも凶器として、つるはしの代わりになるって言われてますからね。殺傷能力のある本ですから」
植竹「なるほどね。絵は?」
博士「江口寿史さんの絵を60点全部。ボクが連載した時の挿絵を全部採用してもらうっていうのを条件で出版社いろいろ回って、文藝春秋のほうでNGだったのでスモール出版にたどり着き出版まで漕ぎ着けたという」
植竹「すごい~。この表紙の絵とかもいいねぇ、これ」
博士「これ発売2日で重版かかりました」
植竹「あらら、そうですか」
博士「ぜひみなさんも読んで…60作の人々が出てきますので。誰か気になる人もいると思うので」
植竹「芸能界から政界までの渾身のルポルタージュでございます。面白い! 本日は水道橋博士さん、ありがとうございました」
博士「どうもありがとうございました」
植竹「次回もよろしくお願いいたします」
博士「よろしくお願いします」