「車中泊」のススメ…車でのんびり旅を楽しもう
全国に点在して24時間無料で利用できる駐車場やトイレのある「道の駅」や、手軽にアウトドアを楽しめる「オートキャンプ場」の普及によって、人との接触を減らして車の中で寝泊まりする車中泊が新しい旅行の方法として人気を集めています。
そこで、車中泊のメリット・デメリットや、お役立ちグッズ、注意すべきポイントを紹介します。
車中泊グッズの選び方
車での旅行の楽しみのひとつに、車中泊があります。車中泊をすることでホテル代が浮くだけではなく、アウトドアな雰囲気も楽しめます。
車中泊を快適に過ごすには役立ちグッズが必要であり、装備が充実すると旅行の楽しみも増えていきます。
車内での空間を快適に過ごすためのグッズを知り、過ごしやすい環境で車中泊を楽しみましょう。
単に車で寝泊まりするだけでも車中泊にはなりますが、何の準備もないと快適に過ごせないことが多いです。
車中泊における重要なポイントは「快適に過ごせるかどうか」であり、これを重視して持ち込むグッズを選ばなければなりません。快適な空間を実現するには何が必要か、まずは基本のポイントを知ることが大切です。
就寝時の快適さを最優先に考える
車中泊で重要なのは、いかに快適に眠れるかです。
眠るだけならシートに体を横たえたり、人によっては座ったままでも眠れたりする人はいるでしょう。
しかし、無理な態勢で眠るとぐっすり眠ることができず、翌日に疲れを残してしまうことも少なくありません。
疲れを残してしまうと、せっかくの旅行も十分に楽しめなくなるため、快適に眠れることは車中泊をする上での最優先事項といえます。
安眠グッズを持ち込み、よりよい睡眠環境を作り上げることが、快適に車中泊を過ごすコツです。
必要なものに絞って準備する
車中泊のメリットは、荷物が多くなっても車に詰め込めるため、持ち運びが楽という点があります。
しかし、広々としたスペースを確保することも、快適に車中泊をする上では重要なため、持ち物は必要最低限に絞って準備しなければなりません。
行き先や旅の内容によって必要なグッズは異なるため、その時々の状況にあったものを準備することが大切です。
車中泊に持って行きたい基本グッズ
用途によって必要なグッズは異なりますが、共通して必要な基本のアイテムがあります。基本のグッズにも複数の種類があるため、それぞれの特徴の違いをチェックしておきましょう。
[寝具] 快適さにこだわって
車中泊では安眠を最優先して考えたいため、寝具はこだわりを持って選ぶことが大切です。
特に重要なのは、「寝袋」と「マット」の2つです。
それぞれ種類が豊富なため、特徴や用途の違いをチェックして選びましょう。
「寝袋」は、大きく封筒型とマミー型、人型の3つが挙げられます。
封筒型は文字通り封筒の形をしており、すっぽりと入り込んで眠るタイプ。
ある程度の制限は出ますが、布団に近い使用感のためおすすめです。
マミー型はシュラフとも呼ばれるタイプであり、密着性が高い点が特徴。
動きの自由度が少なく、キャンプなどで野外で寝るのに向いています。
人型は寝袋に手足がついており、服のように着て眠るタイプです。
密着性が高いため、車内では暑く感じてしまうことも多いです。
人によって向き不向きは異なりますが、外気を遮断できる車中泊では密着性の低い封筒型がおすすめでしょう。
シートアレンジができる車ならフルフラットにすると眠りやすいですが、完全に平らなわけではありません。凹凸があると寝心地が悪くなるので、これを解消するために「マット」があると便利です。
シートが硬いこともあるため、疲れを取りたいならクッション性が高いマットを敷くことがおすすめです。
折り畳みが可能だったり、空気で膨らましたりと、使用時以外はコンパクトに収納できるものも多いです。
マットはかさばらずに使えるものも多いため、収納に便利なものを選ぶことが大切です。
[照明] 意外に大事なライトやランプ
車中泊ではライトやランプなどの照明器具を持ち込むことが大切です。
照明器具を持ち込んでいるなら、バッテリーが上がる心配はありません。
持ち運び可能なものを選ぶと、車内だけではなく外でも使えるため、周辺の散策時にも便利です。
照明器具は大きさや明るさだけではなく、デザイン性も多様です。
利便性はもちろん、旅の気分を盛り上げられるデザインを選ぶことで、照明をつけるだけでも気分を高められます。
[電気] ポータブル電源でスムーズな給電を
ポータブル電源を持っているとスマホの充電から照明器具の使用、さらには調理家電の使用まで幅広いシーンで活躍します。
電池で動くタイプなら、予備の電池を持っておくだけで電力供給をスムーズに行い続けることができ、それほど邪魔にもなりません。
ポータブルの電源はグッズによって供給できる電力の強さが異なるため、アイテムごとの違いを比較して選ぶことが大切です。
[食事] 車中泊では調理も楽しむ
食事は外で取るのもよいですが、グッズを揃えておくと車でも美味しい食事が楽しめます。
車中泊で食事を楽しみたいなら、①カセットコンロ、②ポット、③テーブル、この3点を用意するとよいでしょう。
これらを準備することで、周囲に食事を取れる施設がなくても、持ち込んだ食料で食事が楽しめます。
①カセットコンロ(スリムタイプ) 邪魔にならないスリムタイプを選びましょう。カセットコンロは屋外での使用となりますが、火を使った調理が可能となるため、料理の幅は広がります。
②車で使えるポット
お湯を使ってインスタントのラーメンや焼きそば程度なら調理可能です。購入する際には通常の電気ポットではなく、車内用のポット(直流)を選ぶことが大切です。
③使う場所に応じたテーブル
屋外の広い場所で使用するなら、組み立て式のテーブルセットがおすすめです。車内で使用するなら小さめのテーブルが便利で、車載用のものを選びましょう。使用する場所によって必要な大きさは異なるため、どこで使うかで種類を選ぶことが大切です。
[その他] 目隠しカーテンは全ての窓に
プライバシー保護の観点から、目隠し用のカーテンは全ての窓に取り付けるべきグッズと言えます。
単に目隠し用として機能するだけではなく、UVカットや遮光といった効果も期待できるため、サイズや材質もチェックすることが大切です。
遮光性が高いものを選ぶことで、光を遮ることができ、快適な睡眠環境を実現しやすくなります。
もっと快適に!車中泊のプラスアイテム
車中泊での旅行を楽しむなら、基本的なグッズだけでも問題はありません。しかし、グッズを追加することで快適さを高めることもでき、より快適な環境を求めるなら、次のグッズがおすすめです。
①荷物用ネット、②車用空気清浄機、③ブランケットやタオル、④耳栓
荷物に余裕があるなら、これらをプラスアルファで持ち込むことでより快適な旅を実現できます。
①荷物用ネット
荷物用ネットがあれば天井にネットをかけて新たに収納場所を作ることができます。就寝時なら天井に荷物があっても問題はなく、デッドスペースに収納することで、車内空間をより広々と使えます。
②車用空気清浄機
車内は密閉した空間になりやすく、臭いやほこりなどが問題になることも多いです。これらに対処するには、車用の空気清浄機を持っておくとよいでしょう。車内で食事をすると臭いが残りやすく、中で動くとほこりも立ちやすいです。快適さをプラスしたいなら空気清浄機は必須のグッズと言えます。
③ブランケットやタオル
複数枚持っておくと使い勝手がよいです。就寝時にかぶるだけではなく、車内の段差を埋めたり、クッションやまくら代わりにもできます。また、取り付け次第ではカーテンの役割を果たし、目隠しとしても使えます。薄手のものから厚手のものまで、複数種類持っておくと便利に使いやすいでしょう。
④耳栓
車中泊では周囲の音が気になり安眠の妨げとなることも少なくありません。耳栓があると周囲の音を遮断してぐっすり眠りやすくなります。持ち運びの邪魔にもならず、つけるだけで安眠効果を発揮するため、おすすめ度の高いアイテムです。
[季節別]あると便利な車中泊グッズ
車中泊で必要なグッズは、季節によっても異なります。
暑い時期と寒い時期では、必要なものが大きく異なるため注意しなければなりません。季節ごとに必要なグッズを持ち込むことで、環境の変化にも対応でき、より快適に過ごしやすくなります。
[春夏]暑い季節の車中泊に持って行きたい物
春から夏にかけてなど暑い季節の車中泊では、
①小型の扇風機②虫対策のグッズ、この2つのアイテムがあると便利です。
暑い時期は熱気がストレスになりやすいため、ストレスを軽減できるグッズを持ち込むことが大切です。
①小型の扇風機
運転中はクーラーを効かせられますが、停車時に長時間付けているとバッテリーが上がる可能性があります。そのためバッテリーを気にせずに済む暑さ対策として、小型の扇風機を持ち込むことがおすすめです。
クーラーと併用することで冷却効果は高まるため、就寝時だけではなく運転時にも活躍するグッズです。
②虫対策のグッズ
夏場の旅行では蚊などの虫が出てくることも多いため、虫対策グッズは必須です。虫よけスプレーや殺虫剤、蚊取り線香などを用意するとよいでしょう。また、万が一虫刺されにあった時に備えて、薬を持っておくことも大切です。
[秋冬]寒い季節の車中泊に持って行きたい物
秋から冬にかけての寒い季節なら、断熱性の高いシェードがおすすめです。暑い時期に使用するイメージがありますが、実は冬場でも活躍します。特に断熱性の高いシェードは保温能力に優れており、寒い時期でも車内を温かく保ちやすいです。外気の侵入を防ぎ、かつ高い断熱効果もあってオールシーズンで活躍するので、持っておくと便利でしょう。
車中泊で気を付けるポイント
防犯に対する意識を高く持つ
プライバシーだけではなく、セキュリティ面からも覗かれないようにすることは大切で、目隠を必ずつけておく必要があります。
防犯対策はグッズで行うだけではなく、停泊する場所に気を配ることも重要です。人通りが少なく、人の目が届かないところだと、ターゲットにされることも少なくありません。
できるだけ他の人の目があり、何かあった時にはすぐに助けを求められる場所に停泊することが最大の防犯対策と言えます。
エンジンを切った状態でも眠れる工夫をする
車中泊では就寝時にはエンジンを切ることが一般的です。そのため、エンジンを切っても眠れるよう、季節ごとに工夫をしなければなりません。
夏場だとエンジンを切るとエアコンが使えなくなるため、車内の温度が高くなって脱水症状や熱中症になってしまうことがあります。電池で使える扇風機を設置したり、こまめに水分補給するなど暑さ対策が大切です。
反対に冬場は寒さ対策が必要であり、エアコンなしでも温かくなるようグッズを揃えておかなければなりません。
保温能力の優れた寝袋を用意したり、冷気が侵入しないように断熱素材のシェードを使ったりすることが大切です。
また、雪が積もって排気管をふさぐこともあります。車内に一酸化炭素が充満する可能性もり、非常に危険です。
思わぬトラブルに巻き込まれないようエンジンを切った状態で眠ることを前提として環境を整えましょう。
快適かつ安全な車中泊を行えるかは事前に用意するグッズで決まります。
行き先や車の状態、その時の季節に合ったグッズを選び、快適で安全な車中泊を楽しみましょう。