パントリーを上手に使って収納上手に!
調理の合理化や万が一に備えるパントリー(収納庫)のつくり方
パントリーとはキッチンの側にある収納の呼び名で、主に食品や飲料、調理器具をストックするためのスペースです。日頃あまり買い物に行かない人(忙しくて週末しか行けない人)にとっては、パントリーがあるとかなり重宝します。また、昨今の自然災害を思うと食品の備蓄は必須ですね。
一般の家庭では、冷蔵庫1台分の食品ストックがあると言われています。これらの食品ストックを食器棚に収納しきれるのかどうかがパントリーをつくるかどうかのポイントになってきます。
パントリーの設計
キッチンの収納を考える際、家電製品や調理器具、食器類などの収納とは別に、パントリー(食品庫)を設けましょう。キッチンの中に設置できればベストですが、スペース的に無理なら、キッチンの近くにパントリーを設計すると良いと思います。
各家庭によってストックの量は大きく違ってきますので、まずはどれくらいストックする必要があるのかを確認して下さい。
米類・飲料類・ビン類・缶類・粉類・麺類・乾物・レトルト食品・菓子類・・・
ありとあらゆる物がありますよね。
それらの物を管理するためには、基本1カ所でストックするようにします。
大きさと配置例
現在の状態を確認していただきたいのですが、お子さんがまだ小さい場合、食べる量が少なくストック類も少ないかもしれません。しかし、子どもが大きくなると食べる量が増え、ストック類もどんどん増えていきます。
【注意点1】
お子さんが中学生や高校生にもなると、小さい頃から想像もできないくらい食べるようになります。家族構成や年齢にもよりますが、子育て世代の方はこのようなことも考えながらパントリーの大きさを決めると良いでしょう。
【注意点2】
ストック類は小さな物が多いので、奥行きがある収納にしてしまうと奥には何が入っているか分からなくなります。缶詰や小さな物は引き出しやカゴに入れたほうが、出し入れも便利ですし、奥に何が入っているか分かります。
【注意点3】
あまり使わない物は上部に、出し入れの多いものは中段に、ペットボトルやビン類など重い物は下段に収納するようにします。
ストック類が点在していると賞味期限が切れて食品ロスにつながったり、物の把握もしきれなくなり、家事動線も取りにくくなります。
ライフスタイルにもよりますが、少なくとも横幅30~40㎝のパントリーは設置した方が良いと思います。
左のイラストは、一般的な5人家族のパントリーとしての機能を満たすため
の最低限度のサイズと収納の工夫をまとめたものです。
パントリーの間取り
パントリーを設置する場所や大きさは様々で、食材のストックが取り出しやすいように奥行きの浅いパントリーもありますし、ウォークインクローゼットのように中を歩けるような広いパントリーもあります。代表的な間取りを見ていきましょう。
奥行きの浅いパントリー
キッチンの側に奥行きの浅いパントリーをつくるケースです。パントリーをつくる場合、ウォークインのように人が出入りするような大型なパントリーでない限り、奥行きは浅めに作るのが基本になります。
パントリーに入れる物は細かい物が多くなりがちなので、奥行きが浅い収納の方が奥まで見渡せて使い勝手が良くなります。また、パントリーの中を可動棚にして、物の高さに合わせて収納できるようにしておくのが一般的です。
パントリーに置く物は、下の方がお米や飲料など重たいもの、上に行くにつれて軽い物になり、一番取り出しやすい場所に良く使うものを置くのが使いやすい置き方です。
可動棚の奥行きは40センチ以下に。これ以上奥行きがあると、奥の物がどんどん取り出しにくくなってくるので注意が必要です。
かごを利用して収納する場合は中身が見えやすい透明な物を使ってあげると、ストックを取り出す時に便利です。
食器棚をパントリーにする方法も
パントリーをつくらずに幅の広い食器棚をパントリー代わりにしてしまうという方法もあります。
買い置きした食品は食器棚の中に入れてしまえばいいので、調理器具や家電を置いたり、作業できるカウンターが広く欲しい、という場合は食器棚を広げると便利です。
見た目も同じ素材で統一できますし、凸凹がないのでスッキリします。
広いパントリー
パントリー専用の部屋として、しっかりとした広いスペースを取る方法も人気があります。
広いパントリーは本当に食品庫という感じになり、つくり方次第で見た目もとてもお洒落な空間にする事ができます。
特に料理が好きな方や、将来パン教室や料理教室を自宅でしたいという方にとっては、とても重要で楽しい空間になります。
ある程度の広さがあるので、奥様専用の小さな部屋(奥様スペース)を兼用することもできます。
また、調理器具や冷蔵庫もパントリーの中に入れてしまうのであれば、熱がこもらないように換気できるようにするのがポイントです。
ウォークスルーのパントリー
パントリーを通って移動できる、ウォークスルーのパントリーも人気のパントリーです。
例えば、「玄関」→「パントリー」→「キッチン」という動線にすれば、買い物から帰ってきた時に、まずパントリーでストック品を置き、次にキッチンに行って冷蔵庫に食材を入れるという流れになります。
また、パントリーに土間があれば、実家から野菜がよく送られてくるというケースや自宅で家庭菜園しているといった場合に、野菜置き場としても重宝します。
このように、ウォークスルーのパントリーは、生活動線を便利にすることができます。
パントリーの中をどのようにして収納するかで、使い勝手やパントリーの雰囲気が変わってきます。そこで、パントリーをうまく使っている画像を参考に、お洒落で使いやすいパントリーのポイントを見ていきましょう。
キレイに並べられたパントリー
やはり中がキレイに並べられているパントリーは何が収納しているのか見やすいですし、なによりお洒落です。
なんでもかんでも詰め込まずに少し余裕があると、とてもキレイで物を探したり、取り出すのも簡単です。
空きスペースを利用
作り付けの引き出しをつくってしまうという方法もあります。
空きスペースを有効活用できるので、狭小住宅など少しでもスペースが欲しい時に特に有効です。
可動棚を組み込むことができればさらに便利に使えます。
既製品のラックを使う
スペースだけ確保しておいて、このような既製品のスチールラックを使う方法もあります。
高さを調整できるタイプのものがあればベストですが、ほとんどのものは高さが決まっているので慎重に選びましょう。低予算の場合には選択肢になります。
奥行きの浅いパントリー
横幅をゆったり取り、広めのつくりになっています。壁付けのパントリーは通路部分がいらないので面積の割に多く収納できるのが特徴です。奥行きが浅く横長のパントリーは、食品のストックだけでなく食器や雑貨も収納でききます。
パントリーを兼用する
パントリーを奥様のスペースとして兼用することもできます。
作業用のカウンターがあると、物を片づけたり取り出したりする時に一時的に置いておけるのでとても便利です。
窓があると明るく風通しがよくなり居心地もアップします。
壁を効果的に使う
壁をうまく使ったパントリー例です。
壁に引っ掛けたラックに物が入っているので、必要な物をすぐに見つけて取り出す事ができます。システムストレージショップでは、最適の壁面収納部材をご提案できますのでご相談ください。
ハシゴをつける
パントリーの上部を有効活用するのに、はしごがあると便利です。
可動式のはしごであれば、パントリー全体をカバーできます。
スペースに余裕がない場合は上段まで手が届くような大きめの踏み台をパントリーに置いておくのも効果的です。
家電も入れてしまう
パントリーの中に家電を入れてしまうという方法もあります。キッチンのまわりは家電や食器棚で何かとうるさく見えてしまうことがありますが、全部パントリーに収納して扉を付ければ、スッキリしたキッチンになります。発熱するので対策が必須です。
食品ストックの賞味期限がわかる管理法
他の収納とパントリーの違い、それは「賞味(消費)期限」があるものが多いという事です。
収納した食品を、いかに取り出しやすく、そして無駄にしないようにできるのか…これがパントリーを使うポイントです。災害に備える食料の備蓄や日常的に消費する食品ストックの購入タイミングを半自動で行えるようになれば、気持ちの上でもゆとりを持てるようになります。
一般的には「ストックは常に多めに」という考え方をお持ちの方は多いかと思います。しかし、多めにあることで管理が難しくなり、散らかってしまいがちです。
また、在庫があるのに重ねて購入し、賞味期限切れに繋がるケースが多いのです。
食品の二度買いを引き起こす経験のある方は、必要以上に購入しないよう購入時期のわかりやすいタイミングを半自動で行ってみてはいかがでしょうか。
その方法とは、「マスキングテープ」に食品名称と賞味期限を記名して、食品に貼り付ける方法です。
食品が無くなりかけたり、うかつにも賞味期限を過ぎてしまったら、「食品名のマスキングテープ」をはがして「買い物リスト」のメモ用紙に加えます。
これならお醤油が切れる寸前に「買い物リスト」に加えても間に合います。
「マスキングテープ」が貼ってあるということは、まだ買い物リストに入っていないという印でもあります。
購入のタイミングは、マスキングテープが知らせてくれるのです。
買い物をしてきたら、「新たな賞味期限を書いたマスキングテープ」と、「買い物メモからはがした食品名のマスキングテープ」を貼るだけです。
在庫切れが不安な方は、購入のタイミングがわかりやすく、おススメです。
食品の二度買いを防ぐためにも、ご活用ください。