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ブラウザキャッシュに気づけなかった小学生
(見出し画像は CC-BY-SA 4.0 © Darklanlan, 2019)
#はじめてのインターネット
はじめてインターネットに触れたのは 1995 年、当時 5 才のころであった。PC-9801 の CRT ディスプレイで流れるインターネットエクスプローラの画面で任天堂のホームページをよく見ていた。
今でも当時よく見ていたウェブページが残っている。これは 1997 年に発売された任天堂のゲーム「スターフォックス64」のウェブサイトだ。
今どきのウェブサイトと違って、これといって真新しい情報がドンドン出てくるわけではないのだが、飽きもせず、穴が空くほど眺めた記憶がある。このページも今見ると本当に古めかしいデザインで、今どきの 4K ディスプレイで全画面で見ると背景画像の繰り返しがなんとも目立ってしまう。
画像も解像度が低く、そもそも gif 画像を使っている。今どきアニメーションでもないのに gif 画像を表示しているウェブサイトは少ないだろう。この超軽量ページでも、当時の回戦速度では表示されるまで数分はかかっていたのだから、今ではとても信じられないことである。
電話回線とインターネット
当時の回線速度は非常に遅かったので、ウェブページを見るのにも非常に時間がかかった。しかしあまり時間をかけてはいられない問題もあった。当時のネットは電話回戦を使って接続していたため、インターネットを利用していると電話が使えないのである。90 年代は携帯電話もほとんど普及しておらず、家の固定電話を利用するのが普通だった。当然スマホのようなものもないので、全て連絡が固定電話でなされていた時代だった。
そんなころなので、インターネットで遊んでいて大事な連絡に出られないようではいけないので、よく親に注意を受けたものである。すなわち当時は常時接続は当たり前ではなく、繋いでいる間は常に通話料がかかった。したがって、色んな意味でできるだけ回線に接続せずにインターネットを利用する工夫を身につける必要があった。
ブラウザのキャッシュを見続けた小学生
当時の私 (2000 年ごろ、小学 4 年生) はポケットモンスターにハマっていて、その情報をずっと眺めていた。その当時、ポケモンについてまとめられていた最大規模のサイトといえば「ポケモンだいすきクラブ(キャッシュページ)」である (同名のウェブサイトが株式会社ポケモンの公式コンテンツとして存在しているが、それが登場する前、97 年ごろから存在するファンサイト。2002 年頃に閉鎖)。
ウェブアーカイブからのスクリーンショット。
このサイトはポケモンに興味があって、当時ネットを触っていた人なら誰でも知っていたウェブサイトだろう。自分も例外ではなく、このページをよく眺めていた。
このようなウェブサイトを見るときは必ずネット (電話回線) に繋いでいたのだが、あるとき接続するのを忘れていたにも関わらず、ページが表示されることがあった。これに気づいた私はおよそ半年以上もインターネットに接続することなくウェブサイトを見続けたのである。
当時からサイトをくまなく見ていたので、ブラウザキャッシュがたくさん溜まっていたのだろうと思う。今思えば、更新日時がまったく変わっていなかったのだが、膨大なコンテンツを前にして小学 4 年生は古い情報を見続けていることにちっとも気づかなかったのである。
あるとき、たまたま表示されないページがあったので、ネットに接続して確認しようとしたときにその事実に気づいた。初めてウェブブラウザのキャッシュについて学んだのは小学 4 年生の秋の頃だった。
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