恵迪寮では立て看板ではなく吊り看板
北大の学生寮「恵迪寮」での独自文化と思われる「ツリカン」を紹介する記事です。
立て看板、タテカンとは
立て看板、立て看、タテカンは明鏡国語辞典 第二版によれば
とあります(以降、この記事では「タテカン」とします)。ここでは学生語としての主張を大書して校舎の内外に立てかける看板について書きます。京都大学にあるタテカンが有名かと思います。
2020年現在、タテカン掲示の是非について、京都大学は揉めている
別にこれは京大独自の文化ではなく、多くの大学等で見られるものです。特に春先のいわゆる新歓シーズンでは、様々な部活やサークル等の勧誘タテカンが見られます。北海道大学もその例外ではありません。
恵迪寮における看板
しかし北海道大学恵迪寮では「タテカン」よりも「ツリカン」(= 吊り看板)の方がメジャーです。タテカンは「校舎の内外に立てかける看板」というように、主に壁や樹木などに立てかけるものです。現代の恵迪寮では
・寮外ではなく、寮内に向けて宣伝することが多い
・共用棟(G棟、共用ホール)が吹き抜けになっており、2階から垂らしやすい
といった状況のためか、タテカンよりも吊り看板を使うことが多いようです。吊り看はその名の通り、「吊るした看板」です。
吊り看板とは
多くの場合、A0 版模造紙 9 枚を張り合わせて大きな看板を作り、それに絵を書いたものを垂らすことが多いです。
吊り看の作成風景(人名があったので隠しています)
液体のり等で模造紙を貼り合わせたあと、チョークで下書きしてからポスターカラーで塗っていきます。多くの場合、下書きは一人が担当し、その後、色指定などをしながら企画者全員(委員会、部屋員など)で作業します。
吊り看板の例
オープンキャンパスに合わせて行う
「オープンドミトリー」の宣伝吊り看(2010年)
水産追いコンの宣伝(2010年)
避難訓練の案内(2010年)
寮祭における企画の案内(2011年)
寮祭における映画祭の案内(2011年)
卓球大会の宣伝(2012年)
新歓期の士幌小屋チセ・フレップ合宿ツアーの案内(2012年)
藻岩山山開き登山の案内(2017年)
特殊な吊り看
A0 模造紙を 9 枚張り合わせたものが多いのですが、それ以外にも吊り看はあるので紹介します。
新歓カレンダーの巨大吊り看(巨吊り)(2014年)
たくさんの紙を張り合わせてできた巨大なものです。新歓や寮祭の企画予定を毎年カレンダーにしている他、新歓コンパや追いコンなどで巨大な絵を描く場合もあります。
雪上自転車レースの案内(2019年)
横長の吊り看を作り、さらにその周囲に自転車をロープを張って吊るしたものです。
追いコン & 見送り 吊り看(2013年)
3月の卒寮シーズンになるとそれぞれの寮生の個別追いコンや見送りの案内で共用棟は溢れかえります(名前のところは隠しています)。
恵迪寮生にとっての吊り看板
初めて吊り看を見たとき、その大きさに圧倒されます(少なくとも私はそうでした)。しかし寮生にとって吊り看を制作することは決して特別なことではありません。何か企画をうちだすときなどに当たり前のようにビラと吊り看を描きます。1 年も暮せば、この表現方法は当たり前の光景になってしまいます。この記事はそんな風に当たり前になってしまっていることを書き記しておこうと思って書いた記事でした。
写真データダウンロード
この記事で使った写真の一部、また載せていない写真のいくらかを zip ファイル形式で圧縮して有料で提供します。全部で 26 枚、圧縮して 110 MB 程度になります。興味のある方はどうぞ。
ファイル容量の関係で 3つ の zip ファイルに分けてアップロードしています。多くの写真が私が寮生 1 年目の 2010 年に撮ったものとなっています。
こちらのデータは個人の範囲内で利用してください。人が映り込んでいる写真も入っておりますので、引用の要件を満たす場合においても Web ページ等で公開することは固くお断り致します
なお、北大の新歓期に立てられるサークル勧誘の立て看については以下の記事でなんとなく紹介したりしています。
https://log.mkuriki.com/hokudai_circle_tatekan_2022/
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