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岡部宿大旅籠柏屋(等身大のお雛様)
先日丸子のとろろ汁の記事を書きましたが、その同日
丸子宿の次の宿場町である岡部宿に行きました。
(現在の静岡県藤枝市岡部町です)
この日は、大旅籠 柏屋で等身大のお雛様の展示がされていました。
これ、4月7日まででした。
(終わったとこじゃん、早く行ってよ!って感じですが)
ここ岡部町の県道208号線は、昔の国道1号線で、その道沿いにこの大旅籠があります。
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旅籠とは、江戸時代の宿泊施設です、
ここ柏屋は、岡部宿のなかでも特に大きく、
「大旅籠柏屋」と言われたそうです。
しかし明治時代になり、参勤交代制度が無くなると、東海道を旅する人が少なくなり、旅館経営が困難になり廃業してしまいました。
現在の建物は江戸時代の終わり、天保7年(1836年)に建てられたものです。
旅籠をやっていた150年間に2度の火災に会い全焼しており、三代目になるそうです。
とはいえ、築180年を超える建物であり、国の登録有形文化財に登録されています。
建物に入ってすぐに、一瞬驚く
え、誰?
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弥次さん喜多さんと女将さんがお出迎えでした。
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ここは「みせの間」
十返舎一九の『東海道中膝栗毛』では、岡部宿の客引きから、大井川が川留め(増水して通れなくなること)で嶋田宿と藤枝宿が混んでいると聞き、岡部宿に泊まることになった弥次さん喜多さんの様子が書かれているそうです。
江戸時代にタイムスリップしたような気持ちになります。
ここで、お客は足を洗って、客間に上がっていくようです。
その先には広い台所。
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奥には仏間といわれる、柏屋の家族の生活場所があります。
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中央に座って、この宿の主になった気分を味わえます。
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その奥の部屋には、昔の人々の様子がわかる展示物があります。
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旅籠の1階は武士の武士が宿泊したエリアです。
へりのある畳が敷かれた8畳の座敷が4部屋あり、奥の間、中の間、次の間(書院造)、本座敷と続いています。
身分が高い武士が泊まる本座敷からは、濡れ縁から庭園や外の土蔵も見ることができます。
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いよいよ、等身大のお雛様です。
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ここは、奥の間(になると思うのですが)畳の大きさと比べても、お雛様の大きさが少しは感じてもらえるかな?
(写真って伝わりにくい)
座った高さも1m前後。幅も1mあります。
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三人官女の眉なしは、一番年上。
真ん中は若い女性だそうです。
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この右大臣左大臣の右と左は、お内裏様から見た右と左の配置が正しいそうです。
こちらは、縦に置かれてるので、お内裏様に近い方に左大臣が着座しています。
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三人上戸とは、怒り上戸と泣き上戸と笑い上戸。
それぞれの表情をしている人形。
この三人が仕事を終え、くつろいでいるところだそうです。
県内では好光人形で知られる人形師、二代目好光氏の作品とのことで、岡部町に寄進されたものを、こちらで毎年飾っているそうです。
管理の難しさ、作ることの大変さもあり、しかも内裏雛(親王・親王妃)・三人官女・五人囃子・随身(左大臣・右大臣)・仕丁3体の15体そろっているので、大変珍しいもののようです。
現に二代目好光氏は、生涯に"等身大雛人形"を40体ほど製作しましたが、現存しているのはこの15体のみだそうです。
中の間には、市指定有形文化財の壮麗な「御殿飾」があります。
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覗き込むと、中にちゃんとお内裏様とお雛様がいます。
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箱書きには、安政3年(1856年)とあることから、江戸時代に作られたもののようです。
京風の格調高い御殿飾りで、京都御所をかたどっています。
御殿はヒノキの板葺きで、寝殿造の建築様式を細部まで再現しています。
当時旅籠をやっていた山内家が、京都より取り寄せたもの。
山内家は、旅籠以外にも質屋も兼業し、かなり裕福であったようです。
この「御殿飾」は、清涼殿・紫宸殿・宜陽殿を模した3棟を、渡り廊下でつなぎ、一組に仕立てています。
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内外には、40体以上もの雛人形を配置されていて、その動きから持ち物から、とてもリアルです。
この1個1個をすべて組み立てて配置するそうで、昔12段の雛飾りを、それぞれ持ち物を持たせて配置するのも大変だと思っていたことを思うと、とんでもなく大変な作業だろうと思いました。
これには、しばし見とれてしまいました。
とはいえ、閉館時間まであまりない時間に入ったので、先を急がねばなりません。
このあと、2階に行きますが、続きは次回にいたします。
この前に行った、丸子宿の丁子屋(静岡県静岡市)の記事も貼り付けておきます。