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高野山旅行 4【高野山の夜)

高野山に宿泊と言えば、やはり宿坊です。
高野山には、現在117のお寺があり、その内52のお寺が宿坊として、宿泊できるそうです。

ホテルや旅館とは異なり、お寺の境内に宿泊できるというのが、魅力的です。美しいお庭があったり、朝の勤行に参加できたり、精進料理がいただけて、写経や写仏・阿字観(瞑想)の体験ができるところもあるようです。
(私たちが泊った宿坊は、写経・写仏・阿字観はありませんでした)
宿坊は、今回の旅行の楽しみの一つでした。

もう17時近いというのにまだ気温は高く、壇上伽藍から宿坊へ、重い荷物と疲れた体をひきずっての道は、なかなか大変でした。
でも、バスに乗るほどの距離でもない。

疲れた!重い!暑い!まだかなあ…
そう言いつつ、あっち覗き、こっち覗き、けして無口にはならない私たち。
大丈夫、まだ元気。

途中こんなポスターを見かけました。

え、なにこれ、面白そう・・・

これは、夜の奥の院をガイドさんの説明を聞きながら、灯篭をもって歩く、というもののようです。
奥の院といえば、たくさんのお墓(供養塔)が立ち並ぶ、ちょっとうっそうとした雰囲気。
夜行ったらちょっと肝試しみたい。
まあ、このツアーはそういうものじゃないけど、ガイドさんの説明を聞けるのならば、ぜひ行ってみたい。

しかし、問い合わせてみると、本日のツアーはもういっぱいとのこと。
残念。
次に来るときには、絶対に事前予約して参加したいと思いました。

さて、予約した宿坊は、奥の院口の少し手前、苅萱堂の近くにありました。

ひいっ!この坂をのぼるんかいっ!
写真で見る以上に急な坂です。

ここのようです。
が、さらに坂

ようやく到着しました。
玄関前で、こうやくんが、お出迎えです。

宿坊といえば、昔、ツアーで信貴山の宿坊に泊ったことがありました。
そこは、隣の部屋とはふすま一つで仕切られているだけで、本当に寺の廊下を通っていく、寺の一部のようなところでした。
朝は、別棟の護摩堂で護摩炊きをやっていて、参加することもできました。
もうずいぶん昔のことで、現在はどのような感じかわかりませんが、宿坊に泊る魅力を感じ、忘れられない旅行でした。

ここの宿坊は、どんなところだろう・・・

お部屋に通されると

とても綺麗で、普通の旅館のようです。
部屋には、トイレも洗面所もついていて、一階には広めの浴室があります。

そして窓からの眺めは最高!
ヒグラシでしょうか?
ずっと鳴き声が聞こえていました。

さて、私たちが泊った、上池院という宿坊は、大師様が初めて高野山に登ったおり、この境内にて三十三ヶ日仮住されたというところだそうです。
境内には、大師が中国から持ち帰ったとされる沙羅双樹の双樹の木があり、同じく中国より持ち帰った九鈷杵(密教法具)は、重要美術品として奈良国立博物館に出品しているとのことです。

由緒があるお寺だったんですね。(よく知らずに予約しました)

すこし休んでから食事です。
食事は別室に準備してありました。

楽しみにしていた精進料理!

肉も魚もないけれど、上品でおいしくて、お腹いっぱいになりました。
中でも左上の生ゴマ豆腐が絶品でした。

右上に、何やら封筒があります。
開けてみると

素敵なプレゼント。
数珠はお守りです、とのこと。
色わかりにくいですが、きれいな紫色でした。

部屋に戻ると、お坊さんがお布団を引いていてくれました。
自分で布団はひくものだと思っていた私たちは、びっくり。

案内も、食事も、布団を引くのも、すべてお坊さんがやってくれるのが、ああ、ここは宿坊で、お坊さんがもてなしてくださるんだ、と思うと、自然と手を合わせて、ありがとうございますと言いたくなります。

ちょっと熱めのお風呂に浸かったあと、夕食ではお茶のみだったのですが、疲れてのどが渇いて、自動販売機で缶ビールを一本買って飲みました。

真言密教の修行道場と言う事もあり、お酒やアルコール類は飲んだらいけないのかと思いましたが、ここで飲むお酒は、般若湯はんやとうとして頂いてもいいそうです。

般若湯は、酒を飲むことが禁じられていた仏教界で、身体のために少しぐらい飲むのならよかろう、ということで、酒として飲むのではない、という意識から、「智恵のわきいずるお湯」という意味を持った「般若湯」という名をつけられました。般若湯は、お酒の別名としても使われており、これは仏教界での五つの戒律の中に「不飲酒戒」が入っていたため、お坊さんがこっそりお酒を飲む時に、隠語として使われてきた歴史があります。
現在でもお坊さんは、お酒のことを般若湯と呼ぶそうです。

夜。窓の外は闇でした。
私は、久しくこんなに真っ暗な夜を見ていませんでした。
また、全く音がしない、というのも、常に車や電車の音を聞いている私にとっては、不思議な感覚でした。
静寂・闇
一人だったら、怖いくらいに感じたかもしれません。
でも、三人で無言で外の闇を見つめていると、なんだか心が落ち着きました。

こうしてぐっすり寝た私たちは、翌朝6時半からの本堂の勤行ごんぎょうに参加しました。

左奥にちらっと見える本堂で、
朝の勤行が行われました。


40分ほどの勤行でしたが、足もしびれず静かに流れてくるお経を聞いていました。
前夜、なにか御祈祷されますか?と聞かれて、大丈夫ですって言ってしまったけれど、家内安全の祈祷くらいお願いすればよかったと思ってしまいました。

勤行の後は朝食です。

シンプルな朝食ですが、おいしくいただきました。
厚揚げがすごくおいしかったです。

さて、高野山2日目。
今日もかなり暑くなりそうだ。

この後は、高野山の2大聖地、奥の院です。

ここからは、次の記事にします。

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