建設の頓珍漢
トントンカンカン
今日も建設現場から小気味良い音が聞こえる。
彼は、鉄骨の家やビルを組み立てる仕事をしていた。
彼は、鉄骨を叩いた音で、鉄骨に不良があるとか、組み立て方が悪いとか、どこかのねじがゆるんでいるとか、即座に見つける事ができた。
その耳の良さは、誰もかなわず、彼は
建設のトンチンカンと言われ、重宝された。
しかし彼がトンチンカンと言われるのは、それだけではなかった。
仕事外でも、彼はガードレールや公園の遊具、電柱でも、橋でも、何でもかんでも音がするものを叩いて回っていた。
実は彼は、ただ叩いているだけではなかった。
遊具や、電柱など腐食や危険を見つけては、関係各所に連絡して事故を未然に防いでいたのだ。しかしそんなことは知らない人々は、彼のことを何でも叩く頓珍漢と噂した。
ある日彼の子供が、
お父さんは頓珍漢なの?
と尋ねた。
すると彼は嬉しそうに言った。
トンは、どこかに不具合がある
チンは、ネジが緩んでいる
カンならオッケーだ‼︎
本文 410文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
の企画に参加したものです。
今回のお題は、裏お題
「建設の頓珍漢」
いやー実に意味不明。今回も難しかったです。
また、前々回の裏お題、
「メガネ冠婚葬祭」で書いたショートショート
「メガネ冠婚葬祭チケット」を、下のたらはかにさんのお題発表の記事で、紹介していただきました。
嬉しい〜❤️
ありがとうございました!
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