時刻を告げる薔薇の香り
私の職場では、毎日始業時間前と昼休み前後と17時過ぎに、薔薇の香りがする。
朝早くに出勤している人は、この匂いで
そろそろ始業時間だな、
と思い
次に薔薇の香りがすると、お昼だな
昼休みが終わったな、
そろそろ帰る時間だな、
と思う。
薔薇の匂いとはいうけれど、必ずしもうっとりするようないい匂いというわけでもなかった。
この匂いは、どこからするのだろう?
それは、ある女性課長からだった。
しかし一日中ではなく、その時間だけ。
みんな不思議に思っていた。
ある日私は昼休み前に彼女とトイレで一緒になった。
その時彼女が、脇に思いっきりスプレーを吹きかけているのを目撃した。
トイレは、一瞬薔薇の香りに包まれた。
薔薇の香りは課長からだったんですね。
私が言うと、課長は
私、汗っかきだから、汗の匂いが気になって、日に何度かスプレーしてるのよ
と言った。
あのバラの匂いは課長の腋の匂いだったのだ。
それから人々は、時刻を告げるその匂いを、
腋の薔薇時間
と呼んだ。
本文ここまで 410文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。
今回のお題は
「腋の薔薇時計」
私の職場では、タバコの匂いを消すために、タバコの後、匂い強めのスプレーをする人がいますが、正直近寄ったら吐きそうです。
強すぎる匂いは、人に不快感を与えると思います。
香水や、強い柔軟剤の匂いも同じ。
特に妊娠中の人がいたら、つわりが悪化します。
もちろん、タバコの匂いや、強すぎる汗の匂いや口な匂いも辛いですけど、
仕方ないこともあるけれど。
このショートショートでは、害になるほどの薔薇の匂いとは書いていませんが、不快な人もいたかもしれませんね。
匂いを消すために、新たな匂いを足す、というのは私はあんまり好きじゃありません。
混ざった匂いは、決していい匂いではなかったり、相当強くしないといけないから。
まずは消臭だろう‼️
なんて思っちゃいます。
でも、ほんのりと優しい香りは好きです。
ただ、感じ方は人それぞれ。
自分も気をつけたいと思います。