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同窓会【シロクマ文芸部】

懐かしい顔ぶれ、というには年月が経ちすぎていた。25年ぶりに会った同級生は、ほとんど誰かわからなかった。

中学を卒業してから、ほとんど同級生と付き合いはなかった。
そして、遠い県外にいたので、ばったり会うこともなかった。

しかしその年、大きい規模で行われた同窓会に合わせ、一人の友達が実家を訪ねて、私に連絡を取ろうとしてくれた。
昔なら、あまりにも遠方だったこともあり、同窓会の為の帰省など、許してもらえなかっただろう。
でもこの時は、すでに家を出てこの地に戻ろうと決めていたタイミングだったので、今後の為にも、ちょっと無理して参加することにした。

知らない顔の中にも、仲が良かった何人か、わかる人もいた。
その人に、あの人だれ?
〇〇だよ。
じゃあ、あの人誰?
え?私もわからん。
え、△△じゃん!
なんて会話を繰り返しながら、ようやく古い記憶と今の姿をつなぎ合わせて、会話が始まる。

昔は50歳といえば、下手するとお婆さんに足を突っ込みそうな気がしてたけど、みんな本当に若々しくておしゃれで、素敵だった。

みんな、綺麗になったなあ…

しかし、田舎生活が長く、ほとんどオシャレもせず、洋服や見かけにお金をかける余裕もなく過ごしてきた私は、同級生の女子の綺麗さに引け目を感じてしまった。

私の精一杯のオシャレは、なんだかちょっと恥ずかしいような気持ちになった。

とはいえ、話が弾みだすと、もう服装など気にならなくなった。
なぜかしゃべっている相手が、昔の姿に思えてくる。
覚えていた記憶、忘れていた記憶、噛み合わない記憶を手繰り寄せながら、記憶の曖昧さに爆笑したりしていた。

この頃になってようやく、本当の懐かしさを感じるようになってきた。

仕事をバリバリしてる人、
最近再婚した人
まだ子育て中の人
子供は巣立ち、今を楽しんでいる人
中には亡くなった人も…

色んな人がいる。

話は昔の話、子供の話、これなかったあの人どうしてる?って話や近況など、あっという間に時間は過ぎた。

これからはちょくちょく会おうね、
また、会いたいね、
なんてラインを交換しつつ、現実はなかなか会えない。

その時来れなかった人、その後に連絡を取れた人がたくさんいて、その後さらに大人数での同窓会が企画されていたけれど、コロナで中止になった。

次の同窓会はいつだろう…
先生方がご存命のうちに
又見かけが変わって、わからなくなる前にやって欲しいな。

その時にも、やっぱり老け込んでいたくない。
少しでも綺麗でいたい。
なんて思ってしまう。
同窓会って、ちょっと見栄を張りたくなるものなのかしら?

見かけじゃないのはわかっていても…

歳をとるのは仕方ない。
みんな一様に歳をとっていくんだ。
見かけが衰えていくのも仕方ない。

でも、健康的で、溌剌とした姿こそ、最高のオシャレだと思う。
いつまでも、心と身体の美しさを持っていられるよう、これからもイキイキと過ごしていきたいな、
と思いました。

♯シロクマ文芸部

シロクマ文芸部さんの、「懐かしい」から始まるお話の企画に参加しました。

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