数学はダージリン
高校2年の新学期に成美のクラスの担任になったのは、数学の三村だった。
紅茶の話をしだすとなかなか終わらず、特にダージリン愛が凄すぎて、ついていけない。
皆は彼に、ダージリンというあだ名をつけた。
ダージリンは、授業になると、紅茶の話の時とは打って変わって、モゴモゴ喋る。
喋りながらミミズが張ったような読みにくい字で数式を一気に書いて、説明が終わった瞬間に、まだ全部ノートも取れていないのに、サーっと消してしまう。
おかげで、成美は大好きだった数学が、何だかよくわからなくなって、好きでなくなった。
成美の学校では、数学の時間はクラス関係なく、進路で3つのクラスに分けられた。
3年生になったら数学ダージリンにならないといいな、
そう思っていたのに、3年生になってもやはり数学はダージリンだった。
当時リプトンの黄色いパッケージに入ったティーパックの紅茶しか飲んだことはなかったけど、飲む前からなんだかダージリンが嫌いになりそうな気がした。
本文ここまで 411文字
これは、たらはかにさんの
#毎週ショートショートnote
に参加したものです。
お題は
「数学ダージリン」
高校時代、あだ名はダージリンではありませんでしたが、本当にこんな先生がいました。
何でも思い込みで、決めつけてしゃべる先生で、授業以外でも好きではありませんでした。
そのせいか、私は好きで得意だった数学が、いつしか好きとか得意とは言えなくなってしまいました。
授業って、先生が好きか嫌いかでも、意外と成績に反映するように思います。
紅茶好きの人には申し訳ないショートショートになってしまい、すみません。
私は紅茶の味は、よくわかりません。
だけど、飲んだら確かに
これはおいしい❣️
と思う紅茶はあります。
そして、どちらかといえばコーヒー派の私ですが、
「クッキーには美味しい紅茶」
と思っています。
紅茶好きの友達にもらった紅茶は、本当に美味しい。
秋の夜長、紅茶にクッキーを食べながら、読書でもしたいものです。