天ぷらんどの不眠症
ここは天ぷらんど
天ぷらたちの国だ。
王様の穴子天ぷらは、とても優しい王様で、国民から慕われていた。
ところがこの国で、天ぷらたちが不眠になる病気が流行り出した。
あっという間に国中に広まり、お妃の芋天妃も感染してしまった。
王様は、
この天ぷら不眠症を治す方法を見つけた者を、わたしの後継者にする
とおふれを出しました。
キス天は子守唄を歌い、
かぼちゃ天は、絵本を読み聞かせ、
イカ天は、催眠術をかけたりしたが、
不眠症を治すことができなかった。
そんな時海老天の青年が、新しく澄んだオリーブオイルのお風呂に患者を入れたらよくなるはずだ、
と王に進言しました。
早速新しく澄んだオリーブオイルのお風呂に后を入れると、その夜から妃はぐっすり眠れるようになった。
他の患者たちも、同じようにして不眠が治った。
王様は大層喜んで、海老天の青年を、娘のタラの芽天姫の婿とし、王の座を譲った。
こうして活気を取り戻した天ぷらんどは、その後も長く栄えましたとさ。
本文ここまで 410文字。
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnoteの企画に参加したものです。
お題は【天ぷら不眠】
家庭では、めんどくさくて、なかなか天ぷらをしませんが、天ぷらって美味しいですよね。
具材の美味しさや、揚げる技術はもちろんですが、やはり新鮮な油で揚げることも、大事です。
昔は、揚げ物屋でも、古い油使っているな
なんて思うこともありますが、最近は、そんなお店も無くなったように感じます。
家でも、昔は油濾紙で濾してまた使う、なんてこともしてましたが、今では、
まず少量の油で揚げ焼きが多くなり、その油も一度使ったら捨てるようになりました。
もちろん油は、排水溝に流しては行けません。
空いた容器に入れて、資源ごみで受け取ってくれるところに出してます。
美味しいけど、作るのも処理もめんどくさい天ぷら。
そんな天ぷらたちが楽しく暮らす世界を書いてみました。
天ぷらを食べたくて、天ぷらのことで頭がいっぱいになって、不眠にならないよう気をつけようと思います。 笑笑